概要
モステクノロジー社が発表したMPU。投稿されているイラストのタグとしては「何ぞこれ?」といった感じだが、これの互換機は別のタグにて活躍している対象物を陰で支える半導体部品である。
また、MPUとしてはほとんど別物だがARMアーキテクチャのMPUはこのMPUの「シンプルで扱いやすい」というコンセプトを参考にして設計された。
歴史
米モステクノロジー社が1975年に発表したMPU。1977年にApple IIに搭載され、互換機はファミコン(リコーRP2A03を搭載)やPCエンジン(ハドソンHuC6280を搭載)に搭載された。また、スーパーファミコンのDSP制御用にソニー製の互換機SPC700が搭載された。
6502はCISC(※1)型MPUではあるが、RISC(※2)型MPUの原型ともいわれている。
※1・・・Complex Instruction Set Computerの略、単一命令で複数の処理や命令セットの制限が少ない。
※2・・・Reduced Instruction Set Computerの略、命令を少なくして回路を単純にし、計算速度の向上を図るタイプのコンピュータ。
CISCプロセッサについては高速化のため内部でRISCプロセッサとして処理を行うようになったり、RISCプロセッサも高集積化により命令が増える・多機能化するなど進化し、現在ではCISC、RISC共に相違は殆どなくなっている。
6502オリジナルと主な国内採用互換機の違い
メーカー | 型番 | 採用機 | 違い |
---|---|---|---|
リコー | RP2A03 | ファミリーコンピュータ | BCD演算とメモリマップ機能を削除し、PSG音源とDMA機能追加 |
ハドソン(※3) | Hu6280 | PCエンジン | 高速化と命令の拡張と変更。PSG音源の内蔵。 |
ソニー | SPC700 | スーパーファミコン内音源 | 命令セット拡張 |
※3・・・設計はハドソンが行い、チップそのものの製造はセイコーエプソンが行った。
用語
BCD・・・Binary-Corded-Decimalの略。2進化10進数といって4ビットを10進数の1桁として扱う機能。
DMA・・・Direct-Memory-Accessの略。レジスタを介さずにメモリ⇔メモリ間やメモリ⇔I/O間のアクセスを行う機能。
PSG・・・Programmable-Sound-Generatorの略。動作の概要は複数の基本波形を合成して音色を出し、エンベロープ・ゼネレータで音の立ち上がりや余韻などのパターンを変えて音を出す。