「テアラコパリ」
基礎データ
全国図鑑 | No.1024 |
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ブルーベリー図鑑 | No.240 |
分類 | テラスタルポケモン |
タイプ | ノーマル |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
他言語版の名称
英語 | Tarapagos |
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概要
『ポケモンSV』から登場する伝説ポケモンで、追加コンテンツ「ゼロの秘宝」のうちの一つである「藍の円盤」のメインとなるポケモン。
常に煌びやかなオーラを放つ宝石らしき甲羅を持った亀ポケモンで、体色は全体的に深い藍色が基調。
ブライアによれば、スカーレットブック/バイオレットブックの原本に書かれた「円盤のポケモン」の正体らしく、ある人物の日誌に記されていた「仮称■■■」とも同一の存在と考えられる。
この事から、パルデア地方特有のテラスタル現象に強い関わりを持つポケモンであると考えられていたが、案の定その本質はテラスタル現象の大元。鳴き声もテラスタルを行う際のSEと同一。
テラスタルエネルギーそのものから生まれた化身のような生命体として、同エネルギーを自在に操る能力を持ち、その力で防御を固めることで身を守る。
本来は遥か古代のパルデアに生息していた固有種の一つらしく、自分達の能力で生息地一帯に結晶を生み出していたが、ある時起こった大規模な地殻変動によって絶滅したと考えられていた。
このため、伝説のポケモン枠ではあるものの、こだいのすがたのように元々は多数いた生物の一種で、成り立ち的にはキラーメ系の近縁種ともいえる。まともな伝承も残っていない事から、化石ポケモンに近い境遇の絶滅寸前種と言う方が正しいだろう。
ノーマルフォルム
テラパゴス本来の姿。小さな子亀の姿をしており、この状態では非力で種族値も低い。ピクニックや連れ歩き等ではこの形態で登場し、アニメでもこの形態がメインとなっている。
いざという時には体内のエネルギーを結晶化させて作ったシールドで身を守る能力を持っており、生命の危機を感じると全身を胴体にひっこめ、ただの宝石にしか見えない姿と化して休眠状態に入ることもあるという。
臨戦時には専用特性「テラスチェンジ」を即発動させテラスタルフォルムになるため、基本的にこの姿で戦闘をすることはない。レッツゴーの自動戦闘でもいちいち変身してから攻撃する程。
テラスタルフォルム
藍の円盤のパッケージにも描かれているウミガメのような姿で、「テラスチェンジ」により変化する戦闘形態。基本的に対戦に関してはこの形態がメインで行われる。
テラスタルエネルギーを用いて生成・拡張された甲羅はポケモン18タイプのアイコンじみた柄が透けて見える歪な五角形で構成され、前後も割とふさふさした毛で覆われるようになる。
この甲羅から他のポケモンが技として放った各タイプのエネルギーを吸収し、自らの力に転用して応戦する。
だが実はこの形態は、まだテラスタルエネルギーを最小限のみ使用している単体での飽和状態。また上記の通り非常に小さなポケモンであるため、この状態でも30cmしかない。
ステラフォルム
テラスタルフォルムをテラスタルさせる事で変化する最終形態。
テラパゴス版のメガシンカというべき状態で、異常に増幅し安定を欠いたエネルギーが満ちている点も同じ。
『スカーレットブック』および『バイオレットブック』に描かれていた「円盤のポケモン」の正体はこのフォルムのテラパゴスである。
六角形で出来た亀形の台座の上にテラスタルフォルムが乗り、本体の上には「ステラテラスタルジュエル」というノーマルテラパゴスそっくりな形の宝石を抱く、亀の三段重ねともいうべき異様な姿に変貌。
また、タイプの紋章はジュエルではなく台座の周りに展開されている。
かつてもこの姿で活動したことがあったらしく、地底に埋もれたその姿は、古代人が考えた世界や宇宙に浮かぶ星のようだと、探検記に書かれている。
性能
フォルム | H | A | B | C | D | S | T |
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ノーマル | 90 | 65 | 95 | 85 | 65 | 60 | 450 |
テラスタル | 95 | 95 | 110 | 105 | 110 | 85 | 600 |
ステラ | 160 | 105 | 110 | 130 | 110 | 85 | 700 |
可愛らしい見た目のせいでわかりにくいが、このポケモンは禁止級に位置するため、ランクマッチなどで使用することはできない。
ノーマルフォルムは戦闘に出すだけで即座にテラスタルフォルムとなるため、現在使う手段はない(マタドガス族の「かがくへんかガス」でも、フォルムチェンジ関連の特性は消せず、そもそもテラスチェンジはかがくへんかガスよりも発動が速い)。
テラスタル先は新要素の"ステラ"固定。タイプの変更はないため常にノーマル単タイプ。基本となるテラスタルフォルムの能力は防御を重点とした中速両刀型の特殊アタッカーとなっている。
特性は「テラスシェル」へと変化し、HP満タンの時に受ける全てのダメージを半減する「マルチスケイル」のような効果を持つ。ただしマルスケと異なり「効果をいまひとつにする」という処理であるため、素のタイプの弱点である格闘タイプの技については威力を本来の1/4にできる他、効果いまひとつのダメージを増加させる「いろめがね」を相手にした場合ダメージの減少量が下がる。
全てのタイプの力を備えるというだけあり攻撃技範囲は極めて広く、ひこうタイプとゴーストタイプ以外すべてのタイプで主力にできる技を習得する(エスパータイプの特殊技のみアシストパワーのみと前準備を必要とするが)、困ることはないだろう。
ただし覚えるものは純粋な攻撃目的のものが多く、がんせきふうじやこごえるかぜのような追加効果を目的に使う技は少ないため、搦め手は苦手。
補助技は積み技にめいそう、ロックカット、起点作成のステルスロック、ほえる、定数ダメージを与えるどくどくを習得する。
攻撃技の範囲に比べると控えめだが最低限の積み技や、場づくり、耐久型として運用できる要素はある。
専用技は『テラクラスター』。命中安定のノーマルタイプの威力120特殊技。特にデメリットもなく純粋に高威力のタイプ一致技として使える。
だが、この技の真価が発揮されるのはテラスタルした時であろう。
テラスタルしてステラフォルムになるとHP、攻撃、特攻が上昇。依然防御寄りながらも合計種族値は700に到達し、禁止級では合体キュレム、王ザシアン、王ザマゼンタに並ぶ。
同時に特性も、登場時に天候とフィールドの影響を消し去る「ゼロフォーミング」に変化。
この形態ではテラクラスターのタイプがステラとなり、全てのポケモンに対して等倍、テラスタルした相手には抜群になる。またダブルでは敵2体に攻撃する。
注意点としてノーマル技ではなくなるので、元のタイプ一致補正は働かない。
ただし特殊仕様として、通常のステラテラスは各タイプの技を一度だけ強化するというものだが、テラパゴスは無制限にこの補正を受けることができる。
テラバーストと異なりテラクラスターには明確なデメリットもないため、タイプ受けを許さない威力120技として撃ち続けることが可能となる。
この技の性能とテラスシェルを盾にロックカットやめいそうを積み、テラスタルして制圧しにいくのが基本的な戦い方になると思われる。
テラスタル前提で考えればテラクラスターだけでも技範囲は完結しており、ステラ補正で全てのタイプの技が強化されるため技の自由度は極めて高い。
単純に倒したい相手へのメタ技を詰め込んだり、パワフルハーブを持たせたメテオビーム型、テラクラスターで押せない相手は毒殺するどくどくまもみが型などが考えられる。
ちなみに亀ゆえか、超軽量級にもかかわらずヘビーボンバーを覚える。ステラフォルムの重量からすれば、アップリューやタルップルよりはまだマシだが…。
難点になると思われるのは、オーガポン以上にテラスタル枠を消費すること前提の性能にある。
ストーリー内でも描写されたとおり、テラスタルが無ければ伝説相応の戦闘力を持つポケモンではなく、種族値的にも特出した部分がある訳では無い。
特性のテラスシェルこそ強力だが、自身は高速回復技を覚えないため、これに頼り切ることもできない。
こうした性質上、運用パーティにはテラスタルへの依存度が低いポケモンを多めに入れる必要があり、通常のパーティにただ投入しても強さを発揮しづらいと言える。
また、素早さに不安が残るのも気がかりなポイント。種族値は85なのだが、禁止伝説級のポケモンは90より上の素早さが多く、逆に85より遅い禁止伝説級はトリックルームと合わせて使われやすい。
テラパゴス自身は一回限定のテラスシェル以外で耐性を変化させる術を持たないので、ロックカット等で補強できないとどうしても上から叩かれて消耗させられがちになる。
なお実はノーマルフォルムの戦闘モーション自体はちゃんと用意されており、ゾロア・ゾロアークの「イリュージョン」で化けた場合はこの姿で擬似的に戦う事が可能(控えにいる時は常にノーマル状態であるため)。
アニメ版
『アニポケ・リコとロイの旅シリーズ』
本作品におけるキーポケモン。詳細は該当リンク先を参照。
余談
名前の由来はおそらく「テラスタル+ガラパゴス」。ガラパゴスはスペイン語で「ゾウガメ」を意味し、ガラパゴス諸島の語源もそこからである。
ガラパゴス諸島は1535年にスペイン人の司教によって発見されたとされ、由来となった固有種であるガラパゴスゾウガメはチャールズ・ダーウィンの進化論にも影響を与えたとされる。
長い毛の様な尻尾を持つが、これは亀の甲羅に藻類が付着した「蓑亀」がデザイン元であると思われる。中国や日本では古来から縁起物や長寿の象徴として親しまれている。
海外では、甲羅の文様から「河図洛書の亀」がモチーフなのでは、と推測する声が見られる。
パルデア地方の地形そのものがこのポケモンに似ているとの指摘もある。エリアゼロが甲羅の白い部位、南西の出っ張った地形が頭にあたる。偶然なのかは不明だが、頭部・手足に対応する地点には物見塔と灯台が存在する。まるで、大地そのものを磔にして封印しているかの様である。
第3伝説の中では初のドラゴンタイプを一切含まないポケモンとなった。
関連タグ
ポケモンSV 伝説ポケモン ノーマルタイプ 亀ポケモン 禁止級 第3伝説
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ストーリーにおいて
DLCのタイトルになっている「ゼロの秘宝」の正体にして、「藍の円盤」のラスボス。
エリアゼロ最深部に小さな六角形の石となって眠っており、もはやどんな手を使ってでも主人公に勝とうとするスグリによって掘り出され、マスターボールで捕獲される。
そのまま「藍の円盤 テラパゴス」としてポケモンバトルになるが、テラスタルフォルムでもあっさり倒されたことでいったんは気絶。
ブライアに「テラスタルエネルギーが足りないのではないか」と指摘されたスグリはテラパゴスを即座にテラスタルさせ、結果ステラフォルムが発現。
だが、気絶した状態で無理やりエネルギーを供給させた結果、パニックに陥ったテラパゴスは暴走。
慌てたスグリはテラパゴスをボールに戻そうとするが、何とテラスシールドで回収光線を防ぐどころか、マスターボールを破壊してスグリから事実上逃げてしまった。
結果的にはネクロズマやムゲンダイナ同様、人間の欲望のせいで本来であれば大人しい伝説ポケモンが暴走し、災厄と化してしまった形である。
このままテラパゴスを放っておけば大変なことになると、主人公とゼイユは先陣を切り「ゼロの秘宝 テラパゴス」との戦闘に臨む。この時のBGM(通例に従うなら「戦闘!テラパゴス」か?)は本編におけるオーリムAI/フトゥーAIとの戦闘曲のアレンジである。
「ゼロの秘宝」との戦闘はともっこさまとの戦闘と同じくゼイユとタッグを組んでのテラレイドバトルに近い仕様。
テラパゴスは戦闘開始時にエネルギーを集め、レイドボスのようにHPを保護するバリアを張るため、テラスタルしていないポケモンの攻撃ダメージを大きく軽減してしまう。テラスタルしたポケモンで攻撃すると猛攻に耐え切れず態勢を崩し、バリアが解除されるため普通に攻撃が通るようになる。
ただしテラパゴスも専用技「テラクラスター」を中心に「しねんのずつき」などで猛攻をしかけて来るので、ゼイユのヤバソチャが支援してくれるとは言え消耗が激しくなりがち。
さらに戦えないブライアを護りながら大空洞を進んだ消耗により、バトル開始時点で既にゼイユの残り手持ちはヤバソチャのみ。そのヤバソチャも長くは持たず、1度目のバリア破壊後~2度目のバリア破壊前までは主人公単独で戦うことになる。
しかもテラスタルしたターンの終了時には何とエネルギーを奪い取ってテラスタルを解除してしまう。つまり事実上テラスタルが1ターンしか持たない。
しかしターンが過ぎると再びテラスタルが可能になるため、事実上「テラスタルで攻撃」「テラスタルで防御」の応酬となる。
2度目のバリアを破壊すると同時にゼイユが離脱。代わりにゼイユと主人公の呼びかけで覚悟を決めたスグリが加わり、カミツオロチで加勢してくれる。こちらは6匹フルメンバーなので、よほどの事がない限りバトル終了まで脱落する事はないだろう。
HPを赤ゲージまで削るとテラスエネルギーの吸収とバリア展開が出来なくなり、見事撃破するとノーマルフォルムに戻り確定捕獲チャンスとなる。好きなボールに収めることが可能なので、ボールの種類に拘りたいのであれば事前に準備しておくこと。
なお、DLC前編のオーガポンと同様、性格と個体値は完全に固定されており、一連の演出に繋がる関係上、厳選は不可能。
性格はがんばりや、個体値はこうげきが「まあまあ」で他が「さいこう」となっている(所謂A2 5V個体)。性別もオス固定で、データ上はメスもいるが、色違い同様ブロックルーチンが掛かっており出現しない。
入手時のレベルは85で、本作の野生ポケモンの中では最も高い。
捕獲し終えるとエンディングが流れてDLC後編のストーリーはクリア。その後テラパゴスをキタカミのてらす池に連れて行くと、あるイベントが発生する。
一応、スグリとブライアの過失以外は大きなトラブルもなく、一件落着で調査は終わったのだが、コラミラやオーガポンといった他の看板ポケモン達のように一緒に冒険することはなく、設定の掘り下げも劇中で殆どされなかった。
それ故、テラパゴスがどんな存在だったのかは、両バージョンの図鑑説明を完読する事でようやく読み解けるようになっている。