日本のお金
日本円とは、日本の通貨単位である。略して「円」と呼ぶ方が多い。
補助単位に「銭」(せん)及び「厘」(りん)があるが(1円=100銭=1000厘)、現在は通貨としては用いられていない(ただし、「銭」は現在も「為替レート(外国通貨と「円」の両替)」、「株価レート(株式の売買価格の変動)」には存在しており、ニュース、新聞で見ることができる)。
紙幣は日本銀行券といい、国立印刷局が製造し日本銀行(日銀)が発行、金融機関を通じて市中に流通させている。硬貨は財務省造幣局が製造し、日本政府が発行、日銀を通して市中に流通させている(硬貨の製造コストと額面の差額は政府の収入となる)。
明治時代に設定された。旧字体(正字体)での漢字表記は「圓」である。中国(人民元)・韓国および北朝鮮(ウォン)・台湾(ニュー台湾ドル)・香港(香港ドル)・マカオ(パタカ)・モンゴル(トゥグルク)通貨なども「圓」という表記から派生したものであり、東アジアの諸通貨は本質的に「圓」という単位を共有しているといえる(中国語圏で使われる「元」表記は「圓」の同音異体字表記)。
英語表記はyen、略号は¥。
明治4年(1871年)に通貨単位として円が制定されて以来、ほぼ日本でのみ法定通貨として使われている。日本が海外領土を持っていた時代も、朝鮮、台湾ではそれぞれ独自の通貨を発行し日本円は使われなかった。ただし、日本の委任統治時代の南洋群島では日本円が流通していたほか、2014年から2019年までアフリカのジンバブエで法定通貨に加えられていた。ただし同じ時期に法定通貨になっていた米ドルや南アフリカランドほど通用はしなかったようだ。法定通貨ではないが、いくつかの国でも非公式に通用しており、北朝鮮やミャンマーでは外国人を受け入れる商店で使用できる。
硬貨・紙幣の種類
- 硬貨:1円、5円、10円、50円、100円、500円
- 紙幣:1000円、2000円、5000円、10000円
このうち2000円紙幣は長らく製造が中断されている(日銀が在庫を吐き出す形で発行は続いている)こともあり、沖縄県以外では記念通貨のような扱いを受けている。
1円玉/一円玉:現行のものの発行が始まったのは1955年(昭和30年)だが1989年(平成元年)の消費税導入までは出番が少なかった。直径はちょうど20mmで重さ1グラム。額面価格より製造コストが高く、作れば作るほど赤字になる。
5円玉/五円玉:現行のものは1959年(昭和34年)発行開始。真ん中に穴が開いている硬貨。「ご縁」の語呂合わせでよく賽銭に使われる。ワンコインで買える「5円チョコ」がある。
10円玉/十円玉:1952年(昭和27年)から60年以上の長きにわたり出回っている。側面にギザギザが刻まれているものは「ギザ十」の俗称で呼ばれ、1958年までの古いもの。実は百円玉よりわずかに大きいが、重量は少し軽い。
50円玉/五十円玉:現行のものは1967年(昭和42年)発行開始。側面のギザギザと中央の穴が両方あるがこのような貨幣は非常に珍しく、日本の過去の貨幣にも他には存在しない。
100円玉/百円玉:現行のデザインは1967年(昭和42年)に登場。100円あればゲーセンで一回遊べる。この硬貨も側面にギザギザがついている。
500円玉/五百円玉: 2000年(平成12年)発行開始。他の硬貨に比べデカイ。重さも7グラムもある。現行硬貨では最も新しいデザインだが、これは旧500円貨がサイズ・重量のよく似た韓国の500ウォン貨の変造のターゲットになりデザイン変更を余儀なくされたため。現行硬貨は特徴的な斜めのギザギザが施され、潜像が仕込まれているなど、偽造防止の工夫が凝らされている。2021年に3代目のデザインが登場。
1000円札/千円札:現行の野口英世の紙幣は2004年(平成16年)登場。2024年には北里柴三郎の千円札が登場が予定される。
2000円札/二千円札:2000年(平成12年)から発行されている。表面に首里城守礼門をあしらい、現行紙幣で唯一肖像をデザインしていないが、裏面には紫式部の図柄が入っている。ミレニアムと沖縄サミットに合わせて大量に製造されたが、沖縄県以外ではほとんど流通せず。現行の二千円紙幣は全て2003年以前に製造されたものであり、現在でも大量の二千円札が日銀の金庫に溜め込まれているらしい。21世紀生まれの人は存在自体を知らない場合もある。後継の紙幣は発表されておらず、少なくとも日銀の在庫がはけるまでは新二千円札は登場しないと思われる。
5000円札/五千円札: 現行の樋口一葉の紙幣は2004年(平成16年)発行開始。ATMで預ける事は出来ても引き出す事は出来ない。2024年発行予定の新紙幣では肖像が津田梅子に変更される。
10000円札/一万円札:現在のところ最高額紙幣。現行の2004年(平成16年)から発行されている一万円札の肖像は1984年(昭和59年)の旧紙幣から引き続き福澤諭吉だが、2024年から発行される新一万円札では渋沢栄一に変更予定。
記念通貨
貨幣の種類としては、硬貨はほかに記念貨幣として1000円、5000円、10000円を発行可能である。
また、紙幣は日本銀行法により、政令で定められたもの(掲載したもの)が発行できる。
記念通貨は以下のものがある(発行順)。
- 1000円貨幣
東京オリンピック記念
- 100円貨幣
東京オリンピック記念
札幌オリンピック記念
大阪万博記念
沖縄海洋博覧会記念
天皇在位50年記念
- 500円貨幣
国際科学技術博覧会記念
内閣制度創始100周年記念
天皇陛下在位60周年記念
青函トンネル開通記念
瀬戸大橋開通記念
天皇陛下御即位記念
沖縄復帰20周年記念
皇太子殿下御成婚記念
関西国際空港開港記念
第12回アジア競技大会記念
- 1万円貨幣
昭和天皇在位60周年記念
- 10万円貨幣
天皇陛下在位60周年記念
天皇陛下御即位記念
- 5000円貨幣
国際花と緑の博覧会記念
裁判所制度100周年記念
議会開設100周年記念
皇太子殿下御成婚記念
- 5万円
皇太子殿下御成婚記念
貨幣と法律
貨幣損傷等取締法、貨幣法、日本銀行法など。
関連タグ
銀行券に描かれた人物
神功皇后 聖徳太子 日本武尊 藤原鎌足 和気清麻呂 武内宿禰 菅原道真