東方ダンマクカグラファンタジア・ロスト

ふぁんたじあろすと

『東方ダンマクカグラ　ファンタジア・ロスト』とは、スマートフォン向けのダンマクリズムアクションゲーム『東方ダンマクカグラ』をスタンドアローン版としたリビルド作品。

知ってた？

この世界が毀(こわ)れたのは、

霊夢……君のせいなんだよ。

わたしは気付いてしまった。

この世界では、もう

キミには逢えないということを――。

概要

スマートフォン向けのダンマクリズムアクションゲームとして配信されていた『東方ダンマクカグラ』を、スタンドアローン版としてリビルドした東方二次創作作品。

ジャンルは、リズムアクションゲーム。

多くのプレイヤーに惜しまれながら1年と3ヶ月のサービスに幕を下ろした前作のリズムゲーム要素を引き継ぎつつ、新たな物語が展開される。

当初はSteam版発売が決まっていたが、

後にクラウドファンディングで目標金額達成によりNintendo Switch版(DL版・パッケージ版)の開発も決定した。

またビートまりおとJYUNYA氏の対談配信ではごく一部だが開発中の画面写真が公開。記憶を失くしたような霊夢、滅びたはずの幻想郷で霊夢を探す魔理沙などストーリーの断片も明かされた。

Steam版は2024年2月8日発売。switch版は現在製作中で発売日は未定。

あらすじ

都市も、歴史も、人々の記憶さえも砂に埋もれた場所。

そんな場所を、あてもなく歩き続ける少女がひとり

――博麗霊夢。

彼女もまた記憶を失くし、博麗神社さえも忘れていた。

「君の名は博麗霊夢

“かつては”、博麗の巫女と呼ばれていた」

遠い昔「幻想郷」“と呼ばれていた”その場所で、すべてを失くした霊夢にしきりに語りかける謎の幻影「ミタマ」。

霊夢はミタマと共に、幻想郷に生きた者達の記憶であり、少女達が失くしてしまった大切な記憶――「ミタマカード」を探して彷徨う。

一方。

滅びたはずの幻想郷で、「霊夢」を探す少女がひとり

――霧雨魔理沙。

今はいない、しかし確かに共に過ごした彼女の行方を探して、魔理沙は幻想の中を駆ける。

これは、失われた幻想郷を取り戻し

滅びの真実を知るための旅。

記憶が私を強くする。

私を私たらしめる。

登場キャラクター

主要人物

博麗霊夢

博麗の巫女……だった少女。

幻想郷とは異なる荒廃した砂地を、記憶を取り戻しながら辿っていく。

霧雨魔理沙

滅びたはずの幻想郷に生きる少女。

行方をくらませた霊夢を探して、幻想郷中を駆け巡る。

ミタマ

霊夢の前に突然現れた青い火の玉。何故幻想郷が滅んだのか知っているみたいだが真相は不明。

キーワード

ミタマカード

ミタマ曰くかつての幻想郷の記憶が結晶化したものであり失われた日々のあったかも知れない1シーンを写したもの。前作にあったレアリティはなくなっているが属性は健在。

ダンマクカグラ

おおよそ前作と同様。

砂愁異変(さしゅういへん)

完結に言えば幻想郷が滅んだ異変……なのだが名前がどう考えてもあれであり一種の自虐ネタ。ビートまりお氏も配信で触れている。

クラウドファンディング

『東方ダンマクカグラ　ファンタジア・ロスト』は2022年11月4日18時にクラウドファンディングの募集が開始された。目標金額は15,000,000円となっており、集まった資金はすべてゲーム開発とリターン品に活用される。

クラウドファンディングの詳細はこちらを参照。

金額が金額なだけに資金が集まるのか不安もあるかと思われたが……なんと開始30分で目標金額である15,000,000円を達成するという異例の出来事が起きた。さらに最高額である150万円プランも当時の時点で5人がすでに支援(つまり少なくとも既に750万円以上集まっている)しており、想像を大幅に上回る支援に運営も大変驚いていた。

怒涛の支援

この後も凄まじい速度で支援金が集まっていき、最終的には目標の約13倍もの金額に達した。

開始からたったの2時間30分経ったときに、目標金額の2倍である30,000,000円を達成。

6時間経ったときには目標金額の3倍である45,000,000円を達成。

2022年11月6日には目標金額の4倍である60,000,000円を、11月11日には目標金額の5倍である75,000,000円を達成した。

ここで目標金額の500%を達成したことで、『ファンタジア・ロスト』のテーマ曲制作とゲームへの実装が決定。楽曲は前作のテーマ曲『幻想に咲いた花』と同じく、岸田教団&THE明星ロケッツ×草野華余子による新規書き下ろし。また、開発規模の拡大が決定し、多言語対応・ダウンロード版のグローバル販売・『ミタマカード図鑑』・『実装曲のジャケット図鑑機能』の制作も決定。前作では日本のみでのリリースであったが、今作では世界へ向けても展開する。

2022年11月18日20時には新たにストレッチゴールを設定し、プロジェクトの更なる拡大を目指すことを発表した。600%達成時には、前作の『ダンマクステージ』を本作向けに再構築した、原作の弾幕をモチーフの新リズムアクションモードを実装。さらに、800%達成時にはNintendo Switch版のパッケージ版を制作すると発表した。

その後も順調に支援が集まっていき、12月1日には目標金額の6倍である90,000,000円、19日には目標金額の7倍である105,000,000円、29日には目標金額の8倍である120,000,000円を達成し、ストレッチゴールもクリア。

新年明けた2023年1月4日には目標金額の9倍である135,000,000円、7日には目標金額の10倍である150,000,000円、翌日8日には目標金額の11倍である165,000,000円を達成。

最終日である1月9日には目標金額の12倍である180,000,000円を達成し、無事に全ての目標を達成したのであった。

結果……

最終的に193,343,883円(達成率：1288%)もの支援が集まった。

これは、クラウドファンディングを行ったサイト内での『ゲーム・サービス開発』カテゴリーで歴代最高額である。しかも、2位とは6000万以上の差をつけてである。また、全カテゴリーでも5位となっており、その凄さが見てとれる(これより上位は全て2億円越えである)。

※2023/1/9時点

ストレッチゴール

目標金額	達成率	内容	達成状況	達成日
75,000,000円	500%	新規テーマ曲,ゲーム内実装	済	2022/11/11
90,000,000円	600%	新リズムアクションモードの実装	済	2022/12/1
120,000,000円	800%	Nintendo Switch版(パッケージ版)制作	済	2022/12/29

達成状況

達成日	達成金額	達成率	備考
2022/11/4	15,000,000円	100%	開始から30分。Nintendo Switch版(DL版)の開発が決定
2022/11/4	30,000,000円	200%	開始から2時間半。
2022/11/5	45,000,000円	300%
2022/11/6	60,000,000円	400%
2022/11/11	75,000,000円	500%	テーマ曲の製作・追加、DL版のグローバル販売、新規機能追加決定
2022/11/18	―	―	ストレッチゴールの設定
2022/12/1	90,000,000円	600%	新リズムアクションモードの実装決定
2022/12/19	105,000,000円	700%
2022/12/29	120,000,000円	800%	Nintendo Switch版(パッケージ版)制作決定。ストレッチゴール完全達成
2023/1/4	135,000,000円	900%
2023/1/7	150,000,000円	1000%
2023/1/8	165,000,000円	1100%
2023/1/9	180,000,000円	1200%
2023/1/9	193,343,883円	1288%	最終日での達成状況。当初の約13倍

リターン内容

プラン名	お賽銭プラン	応援プラン	満足プラン	アートプラン	音楽プラン	大満足プラン	アンノウンXプラン	正体不明のスポンサーXプラン
支援金額	3,300円	6,6600円	16,800円	24,800円	28,800円	49,800円	999,999円	1,500,000円
アンノウンX日記閲覧権	○	○	○	○	○	○	○	○
アンノウンX会員之証(※1)	○	○	○	○	○	○	○	○
壁紙(霊夢・魔理沙)	霊夢のみ	2種	2種	2種	2種	2種	2種	2種
ゲームコード(通常版)(※2)		○
ゲームコード(デジタルデラックス版)(※2)			○	○	○	○	○	○
ダンカグオリジナルポスター			1種	4種	4種	4種	4種	4種
クレジット掲載			小			中	大	大
アートブック				○		○	○	○
ダンカグベストアルバム(CD複数枚組)					○	○	○	○
世界に一つだけの額装「アンノウンX」							○
実装アレンジ楽曲選択権								○
支援者上限	-	-	-	-	-	-	1人	8人
支援者数	578人	1571人	1251人	594人	841人	2187人	1人	7人

※1アンノウンX感謝ボイス付特製ハガキ

※2リターン品に含まれるゲームコードは全てSteamキー

新規機能

ミタマカード図鑑

クラウドファンディングで目標金額500%達成したことで追加された。

元祖ダンカグでもあったモードである。

実装曲のジャケット図鑑

同じく、目標金額500%を達成したことで追加された。

元祖では一部の曲のみ、しかもその曲のウラカグラモードを一定スコアでクリアしなければ見れなかったために、反響も大きかった。

新リズムアクションゲームモード

目標金額600%を達成したことで追加された。

元祖での疑似シューティングゲーム風モードであるダンマクステージを、本作用に再構築したもの。自機を動かしつつリズムを取ると言うもの。確かにゲームとしてはボリュームアップはしているが操作が難しいため賛否両論気味である。

収録曲

既に実装された曲に関しては本家ダンカグの記事などを参照。

ここでは、新たに収録される楽曲を記載する。

原曲

曲名	登場作品	初出年	備考
恋色マスタースパーク	東方永夜抄　～ Imperishable Night.	2004	DLC第1弾
			DLC第2弾
			DLC第3弾
			DLC第4弾

二次創作楽曲

曲名	サークル名/アーティスト名	原曲	初出年	備考
LOSTPHANTASIA	岸田教団&THE明星ロケッツ×草野華余子			ファンタジアロスト主題歌
Spider's Blood
あの日の蜃気楼				クラファン追加楽曲
ブレイズ･アップ･ソング				クラファン追加楽曲
DREAMIN' TURBO[DJ Command Remix]				クラファン追加楽曲
穢れを纏いて籠め籠め				クラファン追加楽曲
最終鬼畜妹フランドール・S	COOL&CREATE	U.N.オーエンは彼女なのか?		クラファン追加楽曲
フロム・ロスト・トゥ・エギゼキストラ				クラファン追加楽曲
雪琥珀 -snow amber- Remix				クラファン追加楽曲
囲い無き世は一期の月影
U.N.Owen Was Hero?	TobyFox×ZUN	U.N.オーエンは彼女なのか?、本物のヒーローとの戦い/Battle Against a True Hero	2024年	無料DLC

DLC第1弾

曲名	サークル名/アーティスト名	原曲	初出年	備考
ワンルール･ゲームチェンジャー
現夢-genmu-
幻想のサテライト
インターネットサバイバー
M.O.N.E.Y.(ダンカグ Special REMIX Ver.)

DLC第2弾

曲名	サークル名/アーティスト名	原曲	初出年	備考

DLC第3弾

曲名	サークル名/アーティスト名	原曲	初出年	備考

DLC第4弾

曲名	サークル名/アーティスト名	原曲	初出年	備考

東方ダンマク祭

ティザートレーラー2が公開されると共に、2023年8月7日に遂に東方ダンマク祭が復活・開催された。

様々なゲストによるライブや新情報の公開が行われ、とあるとんでもない発表までされた(後述)ため、長らく待ち望んでいたファンにとっては大絶賛な内容だった。

異例のコラボ

なんと、UNDERTALEでお馴染み、あのトビー・フォックス氏がダンカグのためにアレンジ曲を作ることとなった。

しかも、リズムゲーム向きの曲を作るのが難しいとダンカグチームに打診したところZUN氏御本人とのコラボという形になったという。そうはならんやろ。←なっとるやろがい！！

しかしZUN氏が東方アレンジを作るわけにはいかないので、

ZUN氏はUNDERTALEの名曲「本物のヒーローとの戦い」をアレンジする。
そこに、トビー氏の東方アレンジを合体させて一つの楽曲とする。

ということになったらしい。

あまりにもぶっ飛んだコラボに、東方ダンマク祭視聴者は歓喜を上回る驚愕に包まれた。

なお、話によればトビー氏はかなりの東方ファンのようで、上記の動画でも言っているが八雲藍が推しのようだ。とするともしかしたら藍の楽曲アレンジ……なのかもしれない。

完全に余談となるが、「新作ではぜひ藍を主人公に……！」という思いが東方獣王園にて叶ってしまった。

余談

今回のクラウドファンディングに至った経緯としては、クラウドファンディングでアニメ制作費を集め成功した前例があるためだと考えられる。

クラウドファンディングの応援プランの中には、最上位として1,500,000円の『正体不明のスポンサーXプラン』というものが設定されており、このプランのみ『実装アレンジ楽曲選択権』がリータンとして用意されていた。非常に高額にも関わらず、結果として8枠中7枠もの応募があり、計7曲の楽曲実装が決定したのだが……

その中の『フロム･ロスト･トゥ･エギゼキストラ』という楽曲。

東方儚月抄に登場するレイセンをモチーフとしているのだが、実はこの楽曲、イノキシアの人(蟾兎霊玉MASON)氏という人物が、『ファンタジア・ロスト』に特定の推しキャラの楽曲を収録して貰う為に自分でデモテープを作り、それをM@coSAKi(マッコ屋)氏へと依頼してボーカルアレンジ曲に仕上げて貰ったという経緯がある。

ご本人によるSNSでの告知

公式生配信である「東方ダンマク祭」の追加楽曲発表時にこのエピソードが語られ、その行動力と資金の出し惜しみのなさに、出演者・視聴者たちは度肝を抜かれたという。

詳しくは、上記アーカイブ動画の「51:15～」辺りからを確認して貰いたい。