聖杯戦争に参加した弟の雁夜を愚か者と蔑み、屋敷に閉じこもっている。
夜の恐怖をアルコールで昏倒することによりやり過ごしている。
老齢の父に代わり間桐当主を務める――といっても無論表向きの話、実権は間桐臓硯が握り続けている。
魔道の資質は雁夜より劣っていたが、雁夜が魔道の道を拒み、家を出奔したことにより当主の座に据えられた。
日々臓硯に言われるままに桜を蟲で責め続けている。
臓硯としても雁夜にさえ劣る彼の魔術的素養に期待するところはなく、せいぜいが助手程度、本格的な魔導の教導もされていない。せめて生まれてくるだろう鶴野の子(慎二)はもうちょとマシであれば、と賭けてみたものの、結果はあの体たらく。よって、後継者としての重責は全て養子の桜に向けられることになる。
名目だけの当主となった屈辱も鶴野にとっては、資産家としての間桐の何不自由のない暮らしと、外道でしかない間桐の魔術にどっぷりと浸からされるよりはマシ、という考えであったのだが、それでも日々臓硯を前にする重圧や、桜を蟲倉に放り込むことなどにストレスと恐怖、罪悪感と無力感を覚えていた。
また聖杯戦争中、冬木をサーヴァントなどのバケモノが闊歩しているという事実を恐れ、アルコールに逃避していた。