ブライアン・オーサーが指導するフィギュアスケート選手である羽生結弦とハビエル・フェルナンデスが一緒に描かれているイラストに付けられるタグ。
同じくオーサー門下のチームメイトであるナム・グエン、またはオーサーが一緒に描かれている作品も含む。
また羽生、フェルナンデス、グエンの3人組を「クリケット3兄弟」「クリケットブラザーズ」と称することもある。
オーサー含め全員まとめて「クリケットファミリー」と称したりもする。
生年月日は1991年4月15日(フェルナンデス)、1994年12月7日(羽生)、1998年5月20日(グエン)となっている。
概要
「クリケット」の由来は、2人が現在所属しているカナダの名門フィギュアスケートクラブ「クリケットクラブ」、正式名称“Toronto Cricket, Skating and Curling Club”より。
フェルナンデスがクリケットクラブの門を叩いたのは2011年、羽生は2012年のこと。
羽生がクリケットクラブを選んだ最大の理由は、オーサーに師事してから4回転ジャンプの精度が上がったフェルナンデスと切磋琢磨したいと考えたからである(「チーム・ブライアン」より引用)。
最初は英語が話せずなかなか打ち解けられなかった羽生に、フェルナンデスが積極的にわかりやすい英語で話しかけ、次第に交流を深めることになった。
アイスショーでは数多くの共演を果たしているが、大会での公式練習やエキシビション、表彰台、スモールメダルセレモニー、バックヤードでもその仲の良さをうかがわせている。
2人の友情については、ハビエル・フェルナンデスの概要が詳しいが、下記の「エピソード」でもその仲の良さについて触れておく。
エピソード
2012年 THE ICE
マンボ衣装で「君の瞳に恋してる」に合わせて会場の観客と共に踊る出演者達。その中に2人もいた。その際並んで位置についていた2人だが、ノリノリで踊る羽生とは対照的に、振付が怪しいフェルナンデスは彼を見ながら踊っていた。
また、日本で行われるアイスショーでよく見られる「ジャンプ大会」では、4回転を成功させた羽生が喜び全開でフェルナンデスに抱きつき、ハイタッチ。それを彼もがっちりハグし、片方の腕で勝者のように握り拳を上げて我がことのように喜んだ。
因みに当時の羽生はクリケットクラブに移ってまだ2、3ヶ月である。
2012年 フィンランディア杯
表彰式の際、羽生の腰の状態を気遣ってかフェルナンデスはずっと傍にいた。
羽生にはハグ、2位のリチャード・ドーンブッシュには握手。
表彰台の上では羽生に肘鉄をくらいながらも、撮影用の笑顔を保ちながら背中をくすぐり続けた。
そして台を降りる羽生を支え、ウイニングランでは3位だが羽生の後ろ(※2位の位置)についていた。
また、他選手の演技をオーサー、フェルナンデス、羽生の3人で見ている時も、仲のいい兄弟のように何かしていた。
2012年 NHK杯
2012年 グランプリファイナル
フェルナンデスの「たとえ僕が表彰台に上がれなくても、ユヅルが上がればすごく嬉しい」というコメントは、この大会のどちらかのバックヤードで行われた2人へのインタビューで出てきた。
2013年 世界選手権
SPで羽生の点数を上回ったことを知ったフェルナンデスが複雑そうな顔をする。
FS後のスモールセレモニーの待ち時間には、羽生がお辞儀をした隙に彼の首からスモールメダルを取ろうとして彼に軽く怒られていた。
(5~7枚目参照)
2014年 ソチオリンピック
公式練習中、笑顔で会話。揃ってお辞儀。
SPは羽生がフェルナンデスの1つ前の滑走だったため、キス&クライから立ち上がってエールを送っている。
エキシビション群舞練習の合間、おもむろに「あっち向いてホイ」を始める。(この遊びは少なくても2013年頃からしているようで、当時のフィギュアスケート専門雑誌にも写真が載っている。)
フェルナンデスはじゃんけんに尽く負けるも指と同じ方は決して向かないという勝負強さ(?)を発揮。
2014年 世界選手権
2014年 NHK杯前後
この大会にフェルナンデスはエントリーしていないが、トロントから羽生に対する応援メッセージをインスタグラムに載せていた。
また、羽生の誕生日には英語、スペイン語、日本語の三連続ツイートをしているが、それは今(2014年12月25日現在)のところ他のスケーター仲間にはしていない。
2014年 グランプリファイナル
先に表彰台に乗っていた羽生が、誰よりも先にリンク中に聞こえる音量で「ハビー!!」と叫び、かつフェルナンデス登場時に流れていた「セビリアの理髪師」に合わせて彼への歓声を煽る一幕があった。
ウイニングランでも羽生は地元の「ハビコール」と一緒になって声を上げるなど、2人で表彰台に上がれたことを心から喜んでいた。
またフェルナンデスの母国スペイン開催、かつかねてからクラブメイト兼親友だったこともあってか、エキシビションではこの2人のみ独特の演出がなされた。
それはお互い、相手の母国語を交えながら紹介・祝福、スペイン語で名前をコールしてリンクに送り出すというスタイル。
フェルナンデスの演技前、羽生は衣装を着替え、胸元に「Espana(スペイン)」と書かれた赤と黄色(恐らくスペイン国旗の色)のTシャツでリンク外に登場。フェルナンデスはリンク壁に腕をかけ、うっかり英語交じりになりながらアナウンスする羽生を優しげな目で見つめていた。
大トリとなった羽生の演技前には、暗がりから2人揃ってリンクの真ん中に飛び出してきて挨拶。
フェルナンデスは羽生を抱擁し、軽く首根っこを掴んでから引き上げた。
出演者全員での群舞の際も、終始隣同士で踊っていた。
更にエンディング後にはフェルナンデスに寄り添い、リンクを回るよう促して彼を送り出し、ファンとの交流の機会を作った。
大会成績など
(2014年12月31日現在)
これまでに2011年ロステレコム杯、2012年フィンランディア杯、2014年世界選手権、グランプリファイナルの計4大会で、共に表彰台に上がっている。
羽生がシニアに移行した2010-11シーズン以降、一方が出場権を取得できない(地域枠のため)・できなかった(獲得ポイント上位制、国内選考の結果のため)ものを除いて、
12試合同じ大会に出ているが、そのうち6回片方が表彰台、片方が4位となっている。
因みにダブル表彰台ニアミスは以下の大会。
2011年ネーベルホルン杯………1位羽生、4位フェルナンデス
2011年グランプリファイナル………3位フェルナンデス、4位羽生
2012年NHK杯……………………1位羽生、4位フェルナンデス
2012年グランプリファイナル………2位羽生、4位フェルナンデス
2013年世界選手権………………3位フェルナンデス、4位羽生
2014年ソチ五輪…………………1位羽生、4位フェルナンデス
また、大会によるものの滑走順は原則くじ引きで決めているにも拘らず、順番が前後になることも。
そのため、これまで2012年NHK杯SP(これは世界ランキング順による)、ソチ五輪SP、2014年世界選手権FSで、先に演技した方のキス&クライにコーチのオーサーがいない、あるいは本人のみという場面があった。