マカロニウェスタン
セルジオ・レオーネ監督の出世作「荒野の用心棒」の世界的大ヒットを皮切りに1960~70年代前半にかけて制作されたイタリア資本製作の映画ジャンルである。
マカロニウェスタンという呼称は映画評論家の淀川長治が作った和製英語であり、本場ではスパゲッティ・ウェスタンとかイタロ・ウェスタンと呼ばれている。
一大ブームを築いたものの、似たような作品が大量に作られたため観客から飽きられてしまい、今となっては廃れたジャンルの映画群である。
特徴
マカロニウェスタンの特徴としては、アメリカの西部劇に対するアンチテーゼともとれる内容にある。
アメリカ西部劇は西部開拓の誇りから、正義然とした主人公と見ていてすがすがしくなるようなストーリーを採用したものが大半である。ネイティブ・アメリカンが”インディアン”という悪役として扱われているのも特徴であろう。西部開拓時代の暗部を無視する内容のものが多いと言っていい。
それに対しマカロニウェスタンは真っ向逆を行っている。泥臭くダーティーな主人公が血みどろの戦いを繰り広げる凄惨なストーリーの作品が多く、真に迫った暴力シーンや残酷な場面が多い。”インディアン”が悪役になることも殆ど無く、たいてい白人同士の内輪もめやゴロツキと賞金稼ぎとの戦いがメインとなっている。