フラーハウス
ふらーはうす
概要
約20年ぶり(初シーズン製作から数えると約30年ぶり)のフルハウスの続編。リアルタイムで当時の最終回後の内容となっている。
フルハウスと言えば、以前から続編製作の話が出ては消え……といった状態で、事実上のおまけ続編であるショートコメディをTV番組で細々とやってきてはいた。しかし、本作は初の正統続編となる。
プロデューサーはジェシーおいたん役のジョン・ステイモスで、スタッフの多くもかつてと同様。
現在はシーズン1が全て公開されている。
シーズン2以降は未定だったが、配信後一週間と経たずに製作が決定。なお、シーズン1で使ったセットは一部パーツを残して撮影後解体したため、本当に急転直下で決まった様子。
消防士の夫トミー・フラーと結婚したDJが、夫の死により未亡人となり、3人の子供とともにあのタナー家に戻るというストーリーとなっている。
メインとなるのはかつてダニー達が育てたDJ、ステファニー姉妹と、DJの友人であるキミーの3名。彼女達三人がDJの三人息子とキミーの子供が共同生活を送る。それ以外のかつてのレギュラーはゲストという形になっている。
吹き替えは、ジェシー・レベッカ夫婦の息子であるニッキー&アレックス役が声変わりのため変更したこおろぎさとみ(大人版は阿部敦)と、作品に不参加であるミシェル役の川田妙子以外は全て当時からほぼ続投している。
また、吹き替え版はかつての要素を全て踏襲しており、ジェシー一家のファミリーネームが「カツォポリス」ではなく「コクラン」のままだったり、ステファニーやミシェルの口癖などは全て原語基準ではなく吹き替え基準で翻訳されている。
ミシェル役・オルセン姉妹の不参加についてのあれこれ
当時のレギュラーは引退した人物を含めてほぼ総出演している。
が、ミシェル役のオルセン姉妹だけは女優を引退していることに加え、本業のファッション業界での仕事が多忙であること(本人曰く「引退してカメラから長らく離れているため、カメラの前に立つことに違和感を覚える」といったコメントもある、特に姉のアシュレーはブランクの長さから特に否定的)などから出演を断っている。
当初オルセン姉妹は「この企画の話すら聞いていない」と表明し、「デタラメだ」とジェシー役のジョン・ステイモスが返すなど伝達上の混乱からすれ違いはあった。が、その中でもステイモスは確執を否定し、本人とも電話で確認の連絡をとったとのこと。
この確執説が消えないのは、フルハウス開始当初「とにかく泣くことが多かったオルセン姉妹を降板させるべきとジョンが主張した経験がある」ためである。これは事実だが、後にステイモスはシーズンを重ねるうちにオルセン姉妹の顔の違いが明確になり、どちらか片方を降板させようという意見が出た時に猛反対しており、番組に馴染んだ後はオルセン姉妹を特に可愛がっており、少なくともステイモスはオルセン姉妹に悪い印象は抱いていない。
オルセン姉妹に似ている下の妹「エリザベス」を代役にという代案もあったが、本人でなければ意味はないという考えから結局実現しなかったという。
ただしメンバーはいつでも途中参加を歓迎するとも語っており「(不参加の)理由は理解出来るし無理強いは出来ない。恨めしくも思わないが、いつの日か考えが変わることを願っている」と関係者もコメントしている。さらにジョーイ役のデイブは「当時赤ちゃんだった彼女達(=物心がついていない)と自分達とでは、思い出の感じ方に差があるのは仕方ない」と別の意味で理解を示している。
終始関係者はオルセン姉妹の出演を望んでいるためか、劇中ではしばしばミシェルについて触れられたりする。
ドラマ外、すなわちプライベートでのオルセン姉妹は、頻度こそ少ないもののかつての出演者達としばしば交流自体は行っている。なお、出演辞退の際にインタビューに答えており、姉のアシュレーは「17歳から女優業をしていないので演じることを心地よく思えない」と語り、妹のメアリー=ケイトは「アシュリーがやりたくないというから、やるとなると自分になるが、今はタイミングが悪い」と説明していたとのこと。
シーズン2が本格始動となった場合、あわよくばどちらかが(コメント的にはメアリー=ケイト)出演を考えなおしてくれる可能性はゼロではない。ステイモスもシーズン2決定後、オルセン姉妹に出演を望むラブコールを発信している。
出演者(演者 / 吹き替え)
フラー家
- ドナ・ジョー・マーガレット・タナー・フラー(キャンディス・キャメロン・ブレ / 坂本千夏)
通称DJ。タナー家長女。本作におけるダニーポジション。消防士の夫が一年前に殉職して未亡人となり、三人の息子を母一人で育てることとなり、かつてのタナー家に戻ってきた。生活が安定し、一人で子供三人を育てることに関して表向きでは強がっていたが本音では不安を感じており、これを知った妹のステフとキミーが同居を決意したところから物語が始まる。獣医の仕事をしている。
- ステファニー・ジュディス・タナー(ジョディ・スウィーティン / 大谷育江)
通称ステフ。タナー家次女。本作におけるジェシーポジション。ジェシーのように自由奔放に育った。ミュージシャンとして旅をしていたが、DJの心情を知って真っ先に同居を申し出る。明らかに姉より背が高くなっている。作中ではある意味かつてのジェシーを越えるツッコミ役・常識人ポジションとなっている。
- キンバリー・ルイーズ・ギブラー(アンドリア・バーバー / 伊藤美紀)
D.の親友キミー。本作におけるジョーイポジション。女癖の悪い夫とは別居中。親友DJの不安を知って同居を申し出るが、姉妹からは即座に断られた。しかし結局住むことになり、娘とともにやってきた。昔からタナー家で暮らしたかったらしく、一番乗り気。相変わらず足が臭いようだ。演者のアンドリア・バーバーはフルハウス以外出演しておらず、実質女優廃業状態だったが、視聴者からいろんな意味でブランクを感じさせない、強烈なはっちゃけっぷりを見せる。
- ジャクソン・フラー(マイケル・チャンピオン / 山本和臣)
長男、13歳。かつてのDJポジションで、現在はクラスメイトにお熱で、異性への関心が強い点は母のDJの血を受け継いでいると言える。
- マックス・フラー(エライアス・ハーガー / 小林由美子)
次男。かつてのステファニーポジションだが、性格は祖父のダニーに似て潔癖症。
三男。演者はかつてのミシェルと同じく双子の子供を起用しつつ、一人の役を演じている。まだ生後間もない。名前の通り父の名を受け継いでいる。
- ラモーナ・ギブラー(ソニー・ニコル・ブリンガス / 佐藤美由希)
キミーの一人娘。母のようなはっちゃけた部分は薄く、常識人的な性格。DJの三人息子と暮らすことに否定的だったが、少しずつ馴染んでいく。
かつてのタナー家の人々
かつての主要人物。現在はロサンゼルスで音楽活動を続けている。パパ三人の中で最もビジュアルが当時そのままで、話題になっている。概要に記した通り、原語版でのラストネームはカツォポリスで、番組のプロデューサーも務めるなど、番組上ではゲスト出演者だが裏方としては重要人物である。
通称ダニー。タナー家の大黒柱。現在もテレビ番組の司会者として活躍している。新番組「おはようUSA」という番組が決まり、タナー家の売却しようと考えていたが、新たな暮らしを始めるD.J達に家を譲る。相変わらずの潔癖症+ハグ大好きお父さん。劇中では床に落ちたパンをこっそりジョーイに食べさせようとしたりしている。現在は再婚している。
通称ジョーイ。現在はラスベガスで人気コメディアンとして活躍を続けている。実は愛用の人形キャラクター「ミスター・ウッドチャック」はかつての番組終了後に演者のデイブが持ち帰ったが、リアルで愛犬に噛まれてズタズタにされてしまっているが、本作以前に新調しており、本作でも綺麗な状態で登場している(ズタボロな初代もまだ処分せず残っている)。
通称ベッキー。ダニーと同じく司会者を続けており、劇中では共に「おはようUSA」の出演が決まっている。DJに男児を持つ母の苦労をさりげなく示した。
- ニコラス・コクラン(ブレイク・トゥオミー=ウィルホイット / 阿部敦)
- アレクサンダー・コクラン(ディラン・トゥオミー=ウィルホイット / 阿部敦)
かつての双子の赤ん坊、ニッキーとアレックス。大学で留年しまくって現在6年目であり、両親を悩ませている。演者の双子は既に俳優を引退(ブレイクは消防士、ディランはミュージシャンになったとのこと)しているが、本作にはゲストとして駆けつけ、特別参加している。
- ミシェル・エリザベス・タナー
名前だけは度々登場するタナー家三女。現実のオルセン姉妹同様ニューヨークで暮らし、ファッション業界で成功を収めたとされている。仕事で忙しいためタナー家の集まりには参加出来ないというところも現実の状況を反映している。キャスト達は本作の不参加を残念に思っているせいか、劇中ではミシェルに思いを馳せるシーンが挿入されたりしている。また、早朝なのにも関わらず、携帯の留守電にかつての口癖である「オッケーベイビー!」とイタズラ電話されている。
その他の人々
- スティーヴン・ヘイル(スコット・ウェインガー / 高木渉)
前作におけるDJの元彼。あんなキャラだったが、現在は医師となった。未亡人となったDJに好意を寄せている。相変わらず食い意地が張っており、何段も重ねたサンドイッチを軽々と食べていた。頭髪が薄くなったことをネタにされる。
- フェルナンド・ヘルナンデス・ゲレロ・フェルナンデス・ゲレロ(フアン・パブロ・ディ・パチェ / 伊藤健太郎)
キミーの夫。女癖の悪さでキミーに愛想を尽かされ、離婚間近の別居状態。しかし未練があるのか復縁を考えている。
- マット・ハーモン(ジョン・ブラザートン / 小松史法)
DJの勤務する動物病院の同僚。スティーヴンとDJを巡って争っている。