Caladrius
からどりうす
Caladrius(カラドリウス)とは、MOSSが発表した縦スクロール型シューティングゲームである。
対応ハードはXbox360、後にRINGEDGE2基板によりアーケード移植版「Caladrius AC」(カラドリウス エル・シエル)が発表。さらにPlayStation3移植版「Caladrius BLAZE」(カラドリウス・ブレイズ)が発表となった。
キャラクターデザインはヤスダスズヒトが担当。
本作はXbox360版(以下「オリジナル」)、AC版(以下「AC」)、「ブレイズ」で収録要素に差異があるため、差異がある部分については随時注記する。
バックストーリー
放浪の天才錬金術師パラケルススによって元素(エーテル)制御技術がもたらされ、それを用いた文化が飛躍的に発展していたサザラ共和国。長く続いた繁栄はその中の若き国・パラダン王国の王、グラハムによって突如として終わりを告げた。力の狂気に取り憑かれた彼はパラケルススの子孫が住まう村から禁呪を得、国民の魂を生贄にして禁呪の兵器による軍を構成したのである。
地獄と化したパラダン王国に対し、事態の打開に動くものが現れる。任務のため国外に出ていた騎士団長、パラケルススの子孫達の生き残り、事態を重く見た教会からの派遣者…。それぞれの思いを胸に、彼等はパラケルススの遺産たる「銀の翼」で空を駆ける。
概要
横画面・縦スクロール型のシューティングゲームである。プレイヤーは性能の異なる自機を1機または2機(SynchroモードまたはDualモード=2Pプレイ時)選択し、ステージを進攻していく。
機体には通常ショットの他、エレメントシュートと呼ばれる各機体の属性を反映した3種類の特殊ショットが装備されている。これらは使用することで対応するエレメントゲージを一定量消費する。エレメントゲージはエレメントシュートの使用を中止することで徐々に回復する他、ステージ内に隠されているエレメントコア(攻撃を当てることで出現する)を取得することで即座に一定量が回復する。
エレメントシュートで敵を撃破することでスコア倍率が上昇する他「エーテルゲージ」が蓄積し、一杯になると「エーテルチップ」が1つ取得できる。ステージ終了後、このエーテルチップを使用することで、エレメントシュートを最大7段階にパワーアップすることが出来る。
本作においてはある例外を除いて通常ショットは一切パワーアップせず、画面の広さに対して機体の移動速度もやや遅いため、エレメントシュートをいかに上手く回して強化するかが攻略の鍵になっている。
全ショットのエレメントゲージが50%以上蓄積されている状態で全エレメントシュートボタンを押すことで、エレメントバースト・フュージョン・エヴォリューションが発動する。
エレメントバースト
オリジナル及びAC以降の「オリジナルモード」で使用可能。画面全体に機体毎に性能が異なる強力なショットを連射する。連射開始と同時に全エレメントゲージが減少を開始し、いずれかが0になった時点で終了する。エレメントバーストはエレメントシュートでの攻撃扱い。
フュージョン
AC以降の「ACモード」で使用可能。エレメントゲージが横長のゲージに切り替わり、時間経過でゲージがなくなるまで全種エレメントシュートが無制限に使用可能になる。発動中にエレメントコアを取得するとゲージは最大まで回復する。
エヴォリューション
ブレイズの「エヴォリューションモード」で使用可能。一定時間エレメントシュートがLv7の状態をさらに上回る最大強化状態に強化される。
発動終了後エレメントゲージは灰色になり、一定時間エレメントシュートが使用出来なくなる。
羞恥ブレイク
本作におけるブレイクシステム(ボス戦で一定ダメージを与えることによる形態変化)の呼称。ボス体力ゲージの一定値までを素早く(概ね30秒程度)減らすことで、「Shame Break!」(オリジナルでは「Cutin Break!」)と表示されてボーナス点が入り、同時に画面脇に表示されているパイロットの姿がボロボロの状態になって行く。
なお、メダル(得点アイテム)を30個以上集めた状態で撃墜されることで、プレイヤー側もブレイクされる。オリジナルでは条件を満たす度に段階が切り替わっていたが、AC以降では残機0時以外は最終段階にはならないようになった。
主な登場人物
プレイヤーキャラクター
アレックス・マーティン / ソード・イフリータ 全作登場
17歳、女。パラダン王国守護騎士団団長。平民の出身だが幼少時の事件から守護騎士団に憧れるようになり、努力の結果史上最年少での入隊を果たし、その後の努力と功績から団長にまで抜擢された若き騎士。任務のため国外に赴いており、帰国した際に王国の異変に直面、事態を収めるため封印が解かれたソード・イフリータに乗って空を駆ける。
エレメントシュートは火属性、攻撃力がやや高めであるがその分移動速度が遅い。
ケイ・パーシヴァル / ヴァルキリー・ランス 全作登場
19歳、男。パラケルススの子孫の生き残り。錬金術の英才教育を受けて育ったため錬金術知識については天才的だが、それ故に扱いを恐れられ秘匿して育てられた経緯を持つ。このため禁呪と始祖パラケルススに対する嫌悪感があり、禁呪を消滅させる機会を伺っていた。
エレメントシュートは風属性、機動力は全機体最高でエレメントの回復速度も速いが、その分攻撃力は低い。
マリア・テレーゼ・ブルームフィールド / ライトニング・ユスティティア 全作登場
16歳、女。王国教会に身を置くシスター。元々とある貴族の令嬢であったが、枯れかけた花を蘇らせるという奇跡を起こしたことで、世界を救う聖女になると信じ込んだ父親によって半ば強制的に教会に預けられることになった。枢機卿からの連絡が途絶えたことで事態を重く見た教会によって、パラダン王国に派遣されることになる。
エレメントシュートは地属性、機体としてのバランスは取れているが突出した能力はなく、移動速度は非常に遅い。
カラドリウス 全作登場
人間換算で12~13歳、男。女神リディアに仕える神鳥カラドリウスの一羽であり、女神リディアの名代として人間界では活動する。他のカラドリウス達に比べると幼いためか感情的な部分がある。地上の惨状を見るに見かねて降臨した。
エレメントシュートは光属性、高いレベルで機体のバランスが取れている。オリジナルではある条件を満たすことで使用可能になった。AC以降では最初から使用できる。
ちなみに個体名は「チドリ」。前出のマリアに奇跡の力を与えた当人でもある。
ソフィア・フルカネルリ / ハウル・ローレライ NPC / PCとしてはオリジナルDLC/AC以降
最終年齢24歳、女。パラケルススの弟子であった錬金術師。禁呪の産物である「銀の翼」を生成した時の助手であり、力を安定させるための楔となる魂の提供者でもある。各機体は彼女の魂がつなぎ止められており、特に最後に生成された機体であるハウル・ローレライは特に影響が強く精神までもがつなぎ止められている。
NPCとしてステージ終了後のエレメントシュート強化画面に登場していたが、オリジナルのDLCにてプレイヤーキャラクターとして解放された。AC以降では最初から使用できる。
エレメントシュートは水属性、見た目では判らないがエレメントゲージの量が非常に多い。ただしその分攻撃力は低い。
リリスの悪夢 / クロウリング・グラッジ オリジナルDLC/AC以降
外見年齢15歳、外見上は女。パラケルススが機体生成のために禁呪を使用した際、その前の禁呪使用時に消滅させた王国の人間達の魂からもたらされる怨念や不純物として隔離された負の要素などが実体化したもの。実体化と同時に生成された機体そのものに封印されており、外に出ることはできない。容姿はその王国の王女リリスのものであるが、これは王国の人々が共通で鮮明に覚えていたイメージであったため。あらゆる怨念や負の感情により半ば狂気に取り憑かれている。
エレメントシュートは闇属性。破壊に特化した性能であり、さらにステージを進むことでメインショットも強化されていくという高性能機体である。
なお、AC及びブレイズのACモードでは露出度が下がっており、具体的にはワンピースがきちんと形を残していて下半身のボーダーショーツのように見える部分が完全に隠れるようになっている。
ノア・トワイニング / エイワズ・ヴァーチェ ブレイズ専用
14歳、女。とある貿易商の息女であり、双子の妹ニーナがいる。国内の異変をいち早く感づいた親によって妹ともども隣国に亡命させられようとしたが、途中で捕らえられ、彼女だけが王都から脱出に成功した。他国へ救援を依頼しようとしたが上手くいかず、自らニーナ救出のために王国に舞い戻ることになった。少年のような格好をしているが、これは跡取りとしての責任を感じて自ら選んでいるもの。
エレメントシュートは木属性。エーテルの供給に長けており、その他の性能も平均的で扱いやすい。
レイズ・ナージェ / シムルグ・ストリッシャー ブレイズ専用
年齢不詳、女。「救国の騎士」を自称するマスクの女騎士。元々はある禁呪兵器の搭乗者であったが、自分がしていることが本当に王を救うことなのかどうかに悩み続けた挙げ句分離して誕生してしまった存在である。
エレメントシュートは鉄属性。攻撃力・移動速度ともに高いが、エレメントシュートはクセが強く慣れが必要。
なお、マスク姿については本人は本気で正体を隠せていて尚且つハイセンスであると思っているらしい。
関連動画
『Caladrius』OP
『Caladrius BLAZE』OP
『Caladrius AC』PV
プレイ動画