意志を放棄した人間は人間にあらず
いしをほうきしたにんげんはにんげんにあらず
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コミックスでは第12巻に掲載(テレビアニメ版の74話に該当)。
混迷の時代において覇を唱え突き進むラオウが率いる拳王軍がある村を訪れた際、村の住民は無抵抗主義を主張して仲間が殺されても抵抗せず笑顔で応対し、食料も好きなだけもっていかせて相手の慈悲を引き出し、被害を最小限にとどめようとしており、兵士達は疑心暗鬼に陥っていた。
ラオウに何故抵抗をしないのか問われた村長は「抵抗は相手の力を生みます。力は我われ弱い者からすべてを奪うでしょう。無抵抗は我われ弱者の自分を守るべき唯一の武器なのです」との主張をしたが、村長の叛意と村人達の作り笑いに気づいたラオウはこれに憤りを覚えて近くにいた少年を掴み上げ「ならばうぬらの武器でこの子供を守ってみよ!!」と村長や村人達に命令した。
少年は恐怖に震えているにもかかわらず懸命に笑おうとしているのを見たラオウは「何故笑う、死ぬのは怖くないのか?」と問うが少年は「こ、怖いです。でも、笑っていろと・・・・自分の心を捨てろと・・・・。」と答え、村長に自らの意志を放棄して笑顔で媚びる事を強要された事を示唆した。
ラオウは「怖くば俺の手を食いちぎってでも抗え!戦わねばその振るえは止まらぬ!!」と一喝して少年を放り出すと村長を殴り飛ばし(テレビアニメ版では強烈な平手打ちを食らわせている)、「意思を放棄した人間は人間にあらず!!ただ笑いと媚びに生きてなにが人間だ」と激昂。
無垢な少年にまで自分の意志を放棄して他者に笑いで媚びる事を強要した村長に「笑え!笑ってみろ!!」と笑う事を強要したが村長は笑うどころか恐怖に顔をひきつらせ命乞いをしたためこれを惨殺し(テレビアニメ版では蹴り倒しただけで殺していない)、無抵抗が弱者にとって無力であることを表明した。
この出来事は天狼星のリュウガがラオウに乱世を平定する巨木の資質を見出し臣従を誓うきっかけとなった。