風見台高校2年A組に転校してきたミステリアスで無愛想な高校2年生。本作のヒロインであり、「謎の彼女」本人である。毛先が不揃いのショートカットで、前髪が鼻までかかっておりいつもは表情が伺えないが、印象的なシーンでは前髪から目(主に左目)をのぞかせた表情が描かれる。
私生活、家族構成、生い立ちなど、全てが謎に包まれている。内面には普通の女の子としての一面もある様子だが、普通や一般的なことをそのまま単純には受け入れない理詰めの頑固さもある。恋愛関係に関しては極めて古風な一面を見せる。
明からの告白シーンで「処女」と告げている。
転校初日の授業中に明をふと見たときに誰かの声により「椿明が生まれて初めてSEXする相手である」と告げられた。その時、美琴は突然、教室で授業中に転げまわるほど大笑いした上、「極めて個人的なことで説明ができない」と断りながらも笑い続け、クラスメイトから「ヘンな奴」とレッテルを貼られている。
美琴は、よだれによって自らの心情を他人に伝達することができる。伝達できる相手は個人差があるようで、まったく伝わらない人もいる一方で肉体的な痛みや傷などまで伝わる相手もいる。美琴のよだれは、明によると「甘い」味がするらしい。本作中では、明や歩子に対しては感情に加えて肉体的な損傷までも伝わってしまうようで、歩子とは互いの男女交際についてよだれを通じて情報交換している。椿明に対しては心象風景や細かな感情まで伝達されるようであり、さらに、汗を介して自己の水着姿が明に伝達されている。
趣味はハサミであり、常に先の丸まった安全ハサミをパンツに挟んで身につけている。明の求めに応じて初めてのパンツ・ハサミでツバキをモチーフにした切絵を作った際、明から男性の前でハサミを取り出す際にパンツが見えるとの指摘を受けるが、明には見られても大丈夫だからと答えている。冬にはストッキングではなく、ハサミをパンツに挟むためにガーターベルトとタイツを着用している。
明が意味もなく接触してくると、強い攻撃力を備えたパンツ・ハサミが発動する。なぜ、ハサミ捌きが上手いのかについては「私はそういう人だから」と答えている。
運動神経は良く、父方の田舎が海に近いことから水泳が得意であり、さらに脚力は陸上部でインターハイにも通用しそうな素質を持つが、そうしたことにはまったく興味はなく、明との帰宅部生活を楽しんでいる。
学校において休み時間は寝て過ごすなどクラスメイトと距離を置いている。美琴は涎を通して感情を共有できる明以外との関係はいらないと思っているが、丘歩子とは友達になったようである。幸い、この作品世界では「いじめ」の要素は今のところ存在しておらず、マイペースの高校生ライフを送っているようである。
単行本の最終ページに「居眠りしながらよだれ垂らしてる女の子ってかわいいと思いませんか。まあ、そんな女の子が主人公のマンガです。」というキャッチコピーとともに描かれている。