細谷十太夫

ほそやじゅうだゆう

幕末期の仙台藩士「細谷直英」の通称。

「細谷十太夫」とは戊辰戦争で活躍した「鴉組」のリーダーとして名高い「細谷直英」の通称である。

鴉組とは

仙台藩の隠密として行商人、土工職人、旅籠屋の下男、料理屋番頭など様々な姿に変装しながら諸藩の情報収集に当たっていた細谷直英が、白河城の戦いを切っ掛けに隠密の仕事を放り出して「仙台藩細谷十太夫本陣」を名を貼り出し兵を募集。

結果、隠密時代のコネをフル活用する形となり、猟師や馬方といった士分以外の者、果ては侠客や博徒といったスジ者まで集合、東北地方の大親分を含むヤクザを束ねる形となった。

こうして結成されたゲリラ集団「衝撃隊」は全員が黒装束に身を包んで、新政府軍への夜襲を敢行した。

潜伏と銃器の扱いに長けた猟師と接近戦の斬り込み役となったヤクザの連携により、三十余戦全勝という快進撃を果たす。

当時の新政府軍は「衝撃隊」の黒い軍装と「一羽のカラス」が描かれた隊旗、それを背中に背負う細谷の姿から「鴉組」と呼んで大いに恐れたという。