鳥山石燕著の『百器徒然袋』に記載されている付喪神の一種。
銅盤の付喪神で、銅盤を頭に被ったような人の姿をしており、室町時代に書かれた『百鬼夜行絵巻』にもそれらしき妖怪の姿を観る事ができる。また、一部では摺鉦の付喪神ではないかとしているものもある。
具体的にどのような妖怪なのかは不明だが、一説には大きな音を鳴らして人を驚かせるのではないかとされている。
ただ雅楽・仏教音楽には、鐃鈸(ニョウハチ)というシンバルのような楽器があり、本体と思しき鉢の形状から鐃鈸が゙転訛し、「乳鉢」となった可能性も考えられる。
饒鈸はすり合わせるように鳴らす(打つ)のだが、大きさや厚みによっては非常に大きな音が鳴る。