豊田商事会長刺殺事件
とよたしょうじかいちょうしさつじけん
概要
時は1980年代、大阪市北区を中心に高齢者を標的にした詐欺事件が発生していた。
詐欺を働いていたのは葬式代までふんだくれをモットーに暗躍していた豊田商事(※)と呼ばれる詐欺グループであり、CMまで作って詐欺グループとバレない様にカムフラージュまでしていた為、
騙されてしまう被害が多発し、中には財産をすべて奪われ、自殺にまで追い込まれてしまった被害者もいた。
だがそれも長続きはせず、1985年6月18日、豊田商事の悪事が表沙汰となって
永野の逮捕が決まったその日、凄惨な事件が発生することとなった。
※…豊田商事は大企業であるトヨタとは全く無関係であり、トヨタの関連企業である商社は「豊田通商」である。豊田商事の屋号も詐欺としてトヨタのグループと誤認させる目的だった。
公開処刑
永野の逮捕の瞬間を撮ろうとマスコミ等の報道陣が永野の家に押し寄せる中、
突然二人組の男性が乱入した。
報道陣の中に割り込むように入った二人のうちの一人は
「もう金はええ。永野をぶっ殺してくれと頼まれたんや。」と言ったが
報道陣は戯言だと判断したのか、あまり大事にはとらえていなかった。
椅子を永野宅のドアに向けて叩き付ける行為を皮切りに報道陣も慌て始め、
二人組のうちの一人が鉄格子に覆われた大きな窓の存在に気付くと
「そんなもん取ってまえ!」と叫び蹴りで力づくに破壊し、周囲の制止も聞かずに部屋へ押し入った。
部屋の中では物が散乱する音が響き渡り、永野は「助けてくれ!」と叫ぶも
周囲は助けようとせず、「今大変なことが起きております!」と撮影を続け、
二人組のうちの一人が「お前は死刑や」と永野の頭を切り付け、寝室まで追いつめると
「死ね!」と叫び腹部を一突き、永野は「ギャッ」と断末魔の叫びをあげると遂に沈黙した。
暫くして返り血で血まみれとなった二人が割った窓から出てくると
「コイツを撮ったれ!」と叫び、もう一人が「おーい警察呼べはよ!俺が犯人や!」と叫び、
二人は現行犯で逮捕された。
襲撃された永野は救急車で搬送されたものの、頭部や腹部への刺突が致命傷となり間もなく死亡した。
その後
豊田商事事件の主犯であった永野が殺害されてしまったために金の流れなどが
どうなっていたのかなどを知ることができなくなり、結果事態は迷宮入りしてしまい、
被害者への被害金の返済は絶望視されてしまった。
しかし中坊弁護士による決死の行動によって完全ではないものの、10%ほど返済されたという。
(10%だけと思われるかもしれないが似たような詐欺事件では全額返金そのものが難しく、
10%だけでも十分いい方なのが現状である)
永野を殺害した二人は大阪地裁でそれぞれ懲役10年、懲役8年の刑が言い渡されたが控訴し
1989年、1990年に刑が確定した。
余談
生放送中に発生してしまった殺人という衝撃的な事件であり、
NHKのアナウンサーは「子供には見せないでください!」と慌てて叫んだという。
殺害の瞬間こそ映像にはないが当時発売された雑誌には主犯の二人によって
瀕死となった永野を引き摺りされた様子の写真が掲載されたことがある。
(検索すると出ますが自己責任でお願いします)