P34
ぴーさんよん
タイレルが開発したF1カー。
概要
イギリスのタイレル(発音によってはティレル)が開発したF1カー。
最大の特徴はフロントを左右2輪ずつ配置した6輪構成のタイヤである。
これは、フロントタイヤを小径化して空気抵抗を減らすことと、コーナリングの安定を目的としている。
6輪のF1カーは、2020年現在このP34のみである。
実戦投入されたのは1976年。
空気抵抗に関してはさほど効果はなかったが、4輪のフロントタイヤがもたらすブレーキ性能と踏ん張りはライバルより抜きんでており、登場直後から優勝を含め好成績を収めた。
結果、タイレルは同年でシリーズランキング3位、翌1977年で4位を獲得している。
ただし、ステアリング周りの構成部品が増えたことや、特殊なサスペンション構造が災いし、足回りのセッティングには手を焼いたという。
前代未聞の構成ゆえに熟成不足で信頼性や安定性も低く、成績とは裏腹にドライバーからの評価も悪かったとされる。
P34は2年間のみ参戦して撤退したが、当時のF1界に与えた衝撃は大きく、他チームも類似のマシンを試作・テストしたとされる。
尚、1983年に「タイヤは4輪まで」と規定されたため、現在ではこのようなマシンは出走できない。
海外に走行可能な保存車が複数台現存する他、日本では田宮模型が静岡市の本社に実車を保存しており、時折イベントで姿を見せる。