ストーリーテラーであるタモリが最も好きな作品でもある。
「主人公は、優秀なエリートサラリーマンの三上。主に仕事の場を中心に自分の知識の広さ・深さを披露し、日々、難解な言葉を頻繁に駆使・活用して周りから畏怖・尊敬されていた。ある日、身の回りで「ズンドコベロンチョ」なる言葉を耳にする。その言葉は知っていて当然だと語っているため、部下から急に話を振られた三上はつい知ったかぶりをする。その後すぐにどういうものなのか調べようとするが、全く意味を知ることができない。
気が付くと、「ズンドコベロンチョ」は流行の中心となっていて、常に周囲の会話の中に「ズンドコベロンチョが…」「やっぱズンベロだよ…」と出てくる程。三上は度々その会話に聞き耳を立てるものの、その内容を得るには至らない。当然三上も周囲の人間に話を振られるが、今更聞くに聞けない状況になってしまい、適当に相槌を打つしかない。
意味を推測してもことごとく外れる上、周囲や家族のズンドコベロンチョに関する会話の内容に共通性が無く、三上をますます混乱させる。また、度々核心に迫るチャンスがありながら、それを逃し続ける。
どう画策してもその言葉の意味を知ることが出来ず、半ば錯乱状態になってしまう。そんな三上を尻目に、ついに会社でも「ズンドコベロンチョ・プロジェクト」が発動。しかも自分がその責任者に大抜擢されてしまう。進退窮まった三上は、ついに半泣きで皆に「教えて…、ズンドコベロンチョって、何?」と尋ねる。そんな彼に、周囲は驚愕と失望の声を一斉に上げるのだった。」
という内容のもので、結局最後まで「ズンドコベロンチョ」の意味が明らかにされないという謎の残る話だった。
この為か、当時、放送終了後に「ズンドコベロンチョ」に関する問い合わせがフジテレビに殺到したらしい(北川氏本人によると約650件)。
作者の北川悦吏子氏によると、知り合いのサラリーマンと懐石料理を食べている最中に「友人から電話が来ても結婚の話ばかりだ」と言い、「もし結婚と言う言葉が解らなかったらどうなるだろう。自分の知らない言葉が在るってのは怖い」と続けた。ならその解らない言葉は何がいいだろうと言うとそのサラリーマンは「ズンドコベロンチョはどうだろ」と言った事からこの作品が誕生したとのこと。
なお、「ズンドコベロンチョ」の意味は未だに不明である。
ストーリーの中でも、ズンドコベロンチョの話は何度も出てくるが、話のカテゴリなどに共通性が無く、意味の推測は極めて困難(ほぼ不可能)である。
一説では「最初から意味など存在せず、「ズンドコベロンチョ」という単語だけが一人歩きをしたもので、実際には誰も「ズンドコベロンチョ」の意味を知らず、知ったかぶりをしているだけ」とも言われている。
太田出版発行の「世にも奇妙な物語7」に収録されているノベライズでも、都市伝説の牛の首の様に「誰もが皆知ったふりをしているだけで存在しない物」と言う事になっているが、この作品はノベライズを担当した作家による独自の展開であり、「ズンドコベロンチョ」の意味も本来とは異なる可能性がある。
もし、何かしらの意味が存在すると仮定して、本当の意味を知っている可能性がある人が存在しうるとすれば、それは作者の北川悦吏子氏くらいだろう。
ちなみにVOWの投稿に同名の飲食店が存在している。