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編集者:バーサル1990
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概要

怪奇大作戦第7話。1968年10月27日放送。

脚本は若槻文三、監督は鈴木俊継。

ひとりでに動いて人間を殺害する人形の恐怖と、肉親に独立されひとりぼっちになった孤独な老人の悲哀を描く。

あらすじ

SRIの三沢は、二年ぶりに出会った友人の鬼島明の家を訪ねていた。

三沢は家の前で、明の父を見たというと明と彼の妻の顔色が変わった。実は明の妻も一昨日父親を見たというが、父親は田園調布の自宅にいるはずという。

三沢が目撃したことを尋ねるために父親の家に電話をすることにした。

田園調布の明の父の家。電話が鳴り響くが、黒い影のようなものが起き上がり電話を切った。

電話が切れてしまったため、明は父は家にいて自分に会いたくないのだという。

三沢が理由を聞くと、明の父はかつて自分をかわいがってくれたが今は憎んでいる。愛情が裏返った結果の憎しみはどうしようもないといった。

明は三沢に今日は泊っていくよう勧める。三人でテレビを見ていたところ、突然画面が乱れ何も映らなくなった。それをきっかけにもう寝ようとした三沢だったが、その瞬間何者かの襲撃を受けた。

部屋に奇怪な音が響き、明かりをつけると三沢の手の甲に傷ができていた。

一方、一人のサラリーマンが夜道に置かれていた人形を目撃する。

サラリーマンが通り過ぎると、あの奇怪な音が響いた。サラリーマンが振り返ったとき、人形の顔が恐ろしい表情へと変わり、手から出した刃でサラリーマンの首を斬りつけた。

頸動脈を切られたサラリーマンが倒れ、人形は歩いてその場を立ち去って行った。

現場の調査に来ていた町田警部に三沢が捜査本部へ呼び出されたという情報が入った。三沢の手の甲がサラリーマンと争ってできたものとみられたためだった。

夜道を歩いている三沢をあの人形が狙っていた。襲われた三沢は額を切られたものの危ないところで助かった。

そのころ明は父親のもとを訪ねていた。やってきた明を父、鬼島竹彦は冷たくあしらう。明は今夜家に来ただろうと言い、三沢が刺されたことを話す。

明は三沢は自分と間違われて襲われたと考えていた。なぜ自分を憎むのかと竹彦を問いただすと、竹彦は明は自分を裏切ったといった。

「裏切った?成長した子供が親から離れていくのをあんたは裏切りだと言うのか?嫉妬だよ、老人の」

と明は言い返すが、竹彦は明を追い返してしまう。

明が去った後、竹彦はある部屋に向かいベッドに向かって優しい言葉をかけた。そこは明の電話を切った黒い影が起き上がった場所だった。

三沢襲撃を聞きつけた町田警部は的矢所長から三沢を疑うのは筋違いだという。三沢は事件以来本部に来ていないらしい。

野村は三沢は何かを知ってしまったことで狙われ、サラリーマンは三沢に間違われたと予想する。凶器となった刃はかなり特殊なもので、町田警部はそこから犯人を割り出すという。

そこへ三沢から電話が入り、鬼島父子は憎みあっていると話す。的矢はいくらなんでも親子と話したが、帰ってきた町田警部の声が入ったため電話を切った。

その夜、竹彦は鞄の中をあさって何かを探していた。

ベッドに横たわる黒い影にどこへやったと問いかけると、人形が部屋の中へ入ってきた。それを見た竹彦は「もうやめよう」と影に話すも、竹彦の「あいつが憎い」という声を聴いた人形の表情がまた変わる。

竹彦の家で張り込みをしていた三沢。そこへタクシーがやってきて二人の男女が下りてきた。

男の方は竹彦で、酒に酔って倒れていた女を保護してきたという。代わりに三沢は家へ連れ帰ることとなり、女は三沢の車で待つこととなった。

女が車に乗り込んだ瞬間、なんと人形が現れた。恐怖のあまり女は車を走らせるが、人形は車にしがみついてくる。なんとか家に駆けこんだ女だったが、人形は窓を突き破って部屋へ飛び込んできた。人形は刃を出して女を追い詰める。悲鳴を聞きつけ、三沢が駆けつけるが時すでに遅し。女は殺されていた。

部屋の中にカギがかかっていなかったことで三沢がまたしても疑われてしまう。しかし決定的な証拠がないとしてすぐに釈放された。

去り際に三沢が最初の事件の時にテレビが乱れたと告げると、今回も犯行時刻にテレビの電波が乱れたことが報告されていた。

犯人が強力な電波を使ったと判断したSRIは、電波の逆探知を行う。

そのころ、竹彦の家では再び人形が動き出していた。それによって電波が発され、竹彦の家にSRIと警官隊が駆けつける。

三沢の姿を見た竹彦は扉を閉めてしまった。警官隊とSRIがあきらめて帰ろうとしたとき、家の中から竹彦の悲鳴が響き渡った。人形の次のターゲットは竹彦だったのだ。

警官隊が突入し、拳銃を発砲し人形は破壊された。竹彦は助かったが、ある部屋の前に立ちふさがり、中へ入らないでくれという。中にはまだ4歳の子供がいると。

しかしSRIと警官隊はそれを振り切り部屋の中へ入る。

部屋のベッドに寝かされていたのは、黒く長い髪を持ち、ピンクのドレスのような服を着た少女……を模した人形だった。

全員が見守る中、オルゴールの音色が鳴り、人形がしゃべりだした。

「老人を捨てた老人の子供たちを殺さなくちゃ……あたしは大人よ。いつまでも子ども扱いされちゃかなわないわ……あたしも老人を捨てて独立するの。だからあたしも殺さなきゃ……」

人形は起き上がり、窓を破って屋根へ上った。

「殺さなきゃ……殺さなきゃ……殺さなきゃ……あーーーーーーーっ……」

人形は悲鳴とともに屋根から落ちた。三沢が駆けつけると人形は青い血を流して動かなくなっていた。

数日後、SRIはあの人形のような「あれ」と呼ばれる物体について話をしていた。

的矢は語る。現代ほど老人にとって孤独な時代はない。だから竹彦は自分を裏切らない「モノ」として「あれ」を作ったのではないか。三沢も竹彦のふとした殺意を老人に代わって実行した。最後まで忠実だったと続く。

だが「あれ」もまた老人を捨てようとし、身を投げて自分を殺したのではないか。

結局「あれ」は何だったのか、それは最後まで分からなかった。しかし野村はこうつぶやく。

「世の中がだんだん奇妙になると、みんな「あれ」になるんですよ……」

関連項目

怪奇大作戦

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