概説
より正確には「船頭多くして船山に上る」と書くが、現在はどちらでも問題ない。
「船頭多くして船動かず」ともいう。
【指揮者が多すぎて、見当違いな方向に向かったり、何も決まらない状態】を指す。それぞれの意見がバラバラなことを意味することわざではなく「指揮者は一人で十分」という教訓を意味している。
船頭とは平たくいえば日本の古語で船長のことであり、船頭の支持の元、船の補修や舵取り、航海計画の立案を為し、船の運航を取り仕切っていた。
この船頭は時として複数人いる場合もあるが、ほとんど1人か2人が限度である。
例えば、船頭が3人乗る船があった場合、それぞれの船頭がバラバラな方向に船を進めようとすると、船員はどの船頭の指示に従えば良いかわからず、現場は混乱するばかりとなる。
船頭それぞれが自らの指示を正当と推し進めてしまえば、それこそ船員は益々混乱して船の操縦を誤り、終いには船で行けるはずもない山にたどり着いてしまう。指揮者というものは一人で十分。たくさんいてもかえって困るという比喩である。
一方で、「みんなで力を合わせればすごいことができる」と誤解している人もいる。確かに船が山を登ったら便利だが。