※ネタバレ注意
ネタバレ
その正体は蒼き雷霆ガンヴォルトのキャラの一人、アシモフである。
実は「白き鋼鉄のX」の世界は、『無印』にてガンヴォルトとシアンの二人がアシモフに殺されたままで終わってしまった場合の未来(100年後)となっており、当然この世界のアシモフは、復活したガンヴォルトに倒される事は無く、生存している。
つまりXは「爪」のifではあるが、無印とはノーマルエンドから繋がる直接の続編に当たる物語である。
ガンヴォルトとシアンの二人を殺害して、邪魔者全てを排除した(その際に同じフェザーであるジーノとモニカも始末した模様)アシモフはその後、皇神グループを乗っ取り、表向きはあくまでも「能力者と無能力者の共存」を掲げていた組織の方針を、自らの狂信的な理想であった「能力者による無能力者達の撲滅」へと転進。
更には皇神グループが欲していた『電子の謡精(サイヴァー・ディーヴァ)』の第七波動の本来の能力者であるアキュラの双子の妹・神園ミチルを捕らえ、彼女の脳髄を摘出して機械に組み込んで全ての能力者達を操る為の装置「バタフライ・エフェクト」に改造してしまうという非道極まりない所業を行っている。
そして自らもまた、「能力者だけの世界を管理・支配する守護者」となるべく、『蒼き雷霆(アームド・ブルー)』の能力によって自らの身体そのものを電脳化。能力者以前に人間である事すら捨てたアシモフは、「人類進化推進機構スメラギ」と名を変えた皇神グループの管理を担うAI「デマーゼル」として、組織だけでなくバタフライ・エフェクトに改造されたミチルや「セプティマ・ホルダー」と呼ばれるようになった世界中の能力者達を自らの奴隷にする形で、「マイナーズ」と呼ばれる様になった無能力者達の虐殺を行っていたのである。
更に、シアンの代用品とも言える「バタフライ・エフェクト」に改造されたミチルに対し、自らの直轄の部下であるブレイドもまた、ガンヴォルトの代用品として人工的に『蒼き雷霆(アームド・ブルー)』の能力を植えつけた元・マイナーズの女性で、素体となったのはマイナーズの生き残りの少女・コハクの実の姉である。
とどのつまり、本作における世界が、セプティマ・ホルダー達によってマイナーズ達が虐殺される悪夢の様なディストピアとなってしまった諸悪の根源こそが、このアシモフだったのである。
この事からも、本編においてガンヴォルトが恩師であったアシモフを討った行いによって、数多くの無能力者や能力者の未来が守られていた事実が理解できる。
また、本作においても、サイボーグという形で100年以上も姿が変わる事無く生存していたアキュラの活躍によって、アシモフの歪んだ支配体制が徐々に狂いが生じていく事になっている。