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「立派なものだな。悲しみの涙の上に立つスカイランドの城」


CV:本田貴子/内田真礼(少女期)


概要編集

この記事は多大なネタバレを含みます。未試聴の方は注意。

アンダーグ帝国を統べる女帝。

カバトンバッタモンダーを始めとする刺客を使役し、プリンセス・エルの誘拐を目論んでいた。


第5話にて「謎の声」として初登場。

以降も数回登場しているが、いずれもアンダーグ・エナジーで形成されたと思わしき闇の空間内に留まっている状態で声以外での登場は一切なく、第31話でこの声の主が「カイゼリン・アンダーグ」と判明。


プリキュアの過去作品では敵組織の首領がシルエット等かりそめの姿で描写される事が多く、ここまで姿が描かれなかったのは珍しい。


第44話にて本格的に登場。

スカイランド王城を眺めながら上記の意味深な台詞を発し、エルに対して何らかの憎悪を抱いている描写が見られるが…?


外見編集

第44話にて全身像が明らかになり、髪色は赤にベージュのメッシュ、紫色の口紅、薄紫色のアイシャドウを付け、へそ周りに青いハート型のタトゥーを入れている。


初登場時は黒・白・赤を基調としたドレスを着ていたが、戦闘時にパンクロック風の奇抜な服装と幹部達と同じく刺々しい腕輪を付けた姿に変わる。


能力編集

雷を操る力を持ち、敵への攻撃や部下への粛清に振るう。


使役できるアンダーグ・エナジーの量も桁外れであり、古傷によって本調子でないにもかかわらずプリキュア・マジェスティックハレーションを正面から押し破ってのけ、指パッチンひとつで大量のランボーグを召喚可能だと豪語する。


人物像編集

スキアヘッド曰く「気紛れなお方」

失敗続きなカバトンへの叱責の場に何故か巻き込まれたおでん屋親父には会社のパワハラ上司と思われていた。


また「役立たずに価値は無い!」(第11話より)という台詞からスキアヘッド以外の部下を「消耗品」程度に認識している節がある。

だが、次話でカバトンを粛清し損ねたのは後の展開を考えればせめてもの救いであった。


その後、バッタモンダーの歪んだプライドによる任務放棄、武人のプライドからプリキュア打倒のため鍛錬にばかりかまけているミノトンに痺れを切らし、側近・スキアヘッドを派遣。


エルをアンダーグ帝国へ拉致してプリキュア達がスキアヘッドに蹂躙される姿をリアルタイム映像で見せつけており、加虐嗜好めいた言動を露にした(この時は声だけで姿を表さず)。


が、彼女を過小評価していたのか、その行為は逆にエルを覚醒させる結果となった。


続く第32話ではスキアヘッドから「キュアマジェスティ」の降臨を聞かされ、苛立ちを募らせていた。


過去編集

カイゼリンちゃん


現在のカイゼリンは冷酷無情な首領であるが、300年前は現在の彼女とは異なり「戦いが生むのは涙だけ」という持論を持つ争いを好まない優しい少女だった(第44話より)。


父・カイザー・アンダーグがスカイランドを襲う光景を目の当たりに悲しむ様子を見せ「力こそが全て」という考えに疑問を抱いていた。


とはいえ、この時点でも身体能力はそれなりに高くある程度アンダーグ・エナジーを行使する事も可能だった。


第45話、不良トリに絡まれていた所を当時のスカイランドを治めていた王女・エルレインに助け出され、彼女も自分と同じく争いを望んでいない事を知り、カイゼリンは「必ずお父様を説得する」、エルレインは「カイザーを許して戦争を終わらせる」約束を交わす。


しかし、カイザーはその言葉に耳を貸すどころか娘をアンダーグ・エナジーの空間に隔離した上、一度はエルレインとの話し合いに応じたと思わせて大量のランボーグを城下町に放つ暴挙に出る。


その非道な行為にとうとうエルレインも激しい怒りを露にキュアノーブルVSカイザーの争いが勃発した。


カイゼリンは戦いを止めようと非力ながらもアンダーグ・エナジーを振るって強引に空間を破り、キュアノーブルがプリキュア・マジックアワーズエンドでカイザーを斬りつけようとした瞬間、カイザーを庇って胸に傷を負い瀕死の重傷を負ってしまう…。


優しい少女

「よかった……私みたいな弱い者でもお父様を守れた。これって力が全てじゃないって事になりませんか……?」


娘の自己犠牲にカイザーは落涙し、ふと我に返ったキュアノーブルも罪悪感に苛まれてしまう。

幸い、カイゼリンはキュアノーブルの懇願でカイザーによるアンダーグ・エナジーの「特殊な使い方」により一命を取り止めた。


カイザーは娘の決死の行動によって「戦いが産むのは涙だけ」と知り停戦を決意、スカイランドとアンダーグ帝国との間に和平をもたらした。


その後、カイゼリン父娘はエルレインの誕生日にスカイランドを訪れてエルレインの人形をプレゼントに贈るなど、彼女との交流は続いていた事が明かされた(エルレインの回想より)。


しかし、300年後の現代では和平の鍵となった当のカイゼリンの性格はがらりと変わってしまい、父・カイザーのような暴君として和平などなかったかのように現スカイランドのプリンセス・エルを狙って刺客を送り込むようになった。


300年もの間、カイゼリンにどのような心変わりがあったかについてこの時点では語られなかったが、第47話にて「和平を結んだ後にキュアノーブルがアンダーグ帝国を裏切りカイザーを手にかけた」と、これまでエルをつけ狙っていたのは父の仇を討つためだったと考えられる(一方、同47話で一番星/エルレインは和平を結ぶも突然アンダーグ帝国が一方的に交流を断絶したと語っており、両者の証言が完全に食い違っている)。


なお、キュアノーブルがカイゼリンに与えた傷は300年経った今でも完全に治っておらず、現代にて再度マジェスティックハレーションを打ち破ろうとした際には無理に力を行使した影響か傷口が開いてしまい、あわや直撃しそうになった所をスキアヘッドに救われ何とか窮地を脱している。


また、傷をアンダーグ・エナジーで塞いでいるという状況は奇しくもシャララボーグと同じであり、もし浄化すれば命に係わる可能性もあるが…?


その後のカイゼリン編集

第48話で唯一心の支えだったスキアヘッドが消滅し激しい怒りと憎悪に駆られたカイゼリンは膨大なアンダーグ・エナジーを取り込みモンスターカイゼリンと化して暴走。

スカイランドのバリアを破壊し、プリズムシャインをも無効化してしまう。


しかし、キュアウィングキュアバタフライ、三幹部の奮闘によりスカイランドのバリアが修復された事で300年前に身を挺して争いを止めた過去を思い出し、キュアプリズムが再び放ったプリズムシャインとプリキュア・アップドラフト・シャイニングにより浄化された。


愛するもの


………だが、その直後死んだはずのスキアヘッドに背後から槍で刺突されてしまう。


そして第49話では「全ては最強たる己の力を存分に振るう為の『器』を求めて暗躍していた」と語るスキアヘッドは遂に本性を現し、アンダーグエナジーの化身・ダークヘッドとなった。


実は、カイゼリンはカイザーを謀殺した張本人であるスキアヘッド(ダークヘッド)から都合の良い記憶を植え付けられ騙され続けていたのだ。


ダークヘッドに今までの自身への忠誠心を唾棄され、「信じていたものが全て噓だった」と絶望に暮れ泣き崩れるカイゼリン。


ダークヘッドはそれでも果敢に攻め入るプリキュア達をよそに瀕死のカイゼリンを連れてアンダーグ帝国へと退却。


そして、紆余曲折あってダークヘッドは斃され、同時にカイゼリンの胸の傷も完治した。


カイゼリンは癒やしの光のメカニズムを訝しむが、スカイとプリズム曰く「みんな生まれや世界が違っても、同じ空の下で生きているから」 「どんな困難が立ち塞がっても、自分が正しいと思った事を信じ抜くのが全て」


今まで敵に洗脳されていた過去を悔やむ彼女に対し、スカイは「『力が全てではないのだとしたら、何を信じればいい?』…その答えは『友』である」と語った。


こうしてキュアスカイとの和睦を果たし、300年に渡った苦痛からようやく解放されたカイゼリンはプリキュアという新たな戦友を得て本来の優しさを取り戻した。


それから程なくしてアンダーグ・エナジーの海とダークヘッドの残留思念が融合した怪物・ダイジャーグが出現。


プリキュアに追い詰められたダイジャーグは再びカイゼリンに憑依し、スキアヘッドの幻影で「愛している。あなたが必要だ。そして、あなたも私が…」と唆すも、今まで途方もない裏切りを受け続けていたカイゼリンは「いや、それは違う!!私には新たな友がいる…お前はもう…必要な無い!!」と拒絶しダイジャーグを追い払う。


カイゼリンに「アンダーグ帝国の優しい少女」を肯定してくれた者達がいるからこそ、闇の力を克服することができたのだ。


進退窮まったダイジャーグはソラシド市へ逃避・侵攻して次の新たな『器』を探そうとするが、カバトンらの手助けでやって来たプリキュア達と再び激突する。


カイゼリンはソラシド市の人々と共にプリキュア達へエールを送り、3つの世界を股にかけた最終決戦を見届けた。


その後、プリキュア達の活躍によって世界に平和が戻った。

カイゼリンはスカイランドとの交流を再開し、戻ってきた部下達と共に帝国を建て直す事になる。


彼女は、新しくエルレインの人形を作っていた(更にはキュアマジェスティの人形の製作も依頼されたとのこと)。

おそらくプリキュア達もカイゼリンの人形を作り、当人に送る日も近いだろう。



余談編集

  • ファーストネームである「カイゼリン Kaiserin」はドイツ語で「女帝」の意。よって日本語訳すれば「女帝アンダーグ」となる。
    • 現代パートでの立場はその名の通り帝国の女帝だが、300年前の時点では父カイザーが皇帝の地位にあったため、彼女自身は女帝ではなく皇女だった。
  • 担当声優の本田貴子氏、内田真礼氏は共に本作がプリキュアシリーズ初出演。また、後者の前作にて品田拓海/ブラックペッパー役で出演しており、姉弟揃ってプリキュアシリーズに出演を果たした。
  • 最終決戦でプリキュアと和解した敵首領は沢山いたが、本編開始前に当時のプリキュアと一度和解した敵首領は彼女(とその父であるカイザー・アンダーグ)がシリーズ初となっている

まさかの再登場?編集

次作第32話では後ろ姿のみだが何故かカバトンやミノトン、バッタモンダーと共に再登場


バッタモンダー以外はモチーフとなった動物の飼育小屋の前にいたのだが、彼女は何故か鶏小屋の前であった。

その理由は上述の不良トリに絡まれた過去があるからかもしれない。



関連イラスト編集

過去ゼリン様カイゼリン・アンダーグ


関連タグ編集

ひろがるスカイ!プリキュア アンダーグ帝国


哀しき悪役 悲劇のヒロイン


アクダイカーンメフィストキングジコチュークイーンミラージュ組織の真の支配者によって操られた傀儡の首領繋がり。


プリキュアシリーズ歴代首領編集

ゴーダッツカイゼリン・アンダーグ/カイザー・アンダーグガオウ

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