反出生主義
はんしゅっせいしゅぎ
人間は生まれてくるべきではないという考え方。
概要
人間は生まれてくるべきではないという考え方。
出生自体が親のエゴイズムによるもので、生まれた側が望んだものではない。
生まれた側にはなし崩し的に生きる義務が生じ、そこには様々な困難や苦痛が伴うため、本人にとって幸せな人生が待っている保証はない。
であれば、積極的に生命を誕生させるべきではない。
おおまかにはこのような思想であるが、人によって定義は異なる。
他には、性悪説に則り、人間は本質的に悪という前提で出生を否定する者もいる。
父親は電話でもかけるやうに母親の生殖器に口をつけ、「お前はこの世界へ生れて来るかどうか、よく考へた上で返事をしろ。」と大きな声で尋ねるのです。(略)「僕は生れたくはありません。第一僕のお父さんの遺伝は精神病だけでも大へんです。その上僕は河童的存在を悪いと信じてゐますから。」―芥川龍之介『河童』 |