ばじふゆ
ばじふゆ
「ペヤング食いてぇな」
「……買ってきますよ」
「半分コ な?」
概要
漫画『東京卍リベンジャーズ』の場地圭介×松野千冬のBLカップリング。
場地は東京卍會の壱番隊隊長、千冬は壱番隊の副隊長である。
また中学校が同じであり、場地が一年留年していることから同学年、さらに住んでいる団地も同じ為共通点が多い二人だ。
※以下原作ネタバレ注意
・出会い
二人の出会いは千冬が中学1年生の春である。当時自分が一番でなければ気が済まなかった千冬が友人から中学で留年したという場地の噂を聞き、「デケぇ顔する前にシメ行くか!」と場地の教室を訪れたことがきっかけだ。
超ヤベェ不良を想像していた千冬の前に現れたのは、国語辞典を読みながら机に向かう髪ぺったりのメガネだった。
ガリ勉姿であるにも関わらず、「虎」という字が書けなかったり口が悪い場地のことが気になる千冬。
その帰り道で千冬は"男打羅"という暴走族に囲まれ、敵の多さと武器を持ち出されたことで苦戦する。
そこを通りかかった場地が手紙のお礼と喧嘩に加勢し、一人で全員倒してしまう。さらに千冬のことを「コイツはオレの仲間だ」と宣言し、その場を収める。
千冬の全部場地圭介だった、という言葉の通り、千冬が敬語を使ったのもカッケェと思ったのも付いて行こうと思った人も全て場地が最初である。
・ペヤング
二人の中でカップ焼きそばのペヤングは思い入れのある食べ物である。"男打羅"との喧嘩後、場地は千冬に「ペヤング好き?」と問い掛け家に招く。その際に同じ団地だということが判明、しかし買い置きのペヤングが残り一コしか無かったことから場地が半分コを提案する。
血のハロウィンでの抗争の際にも最期、場地が千冬に「ペヤング食いてぇな」「半分コ な?」と語りかけていることから、二人にとって出会いの思い出と繋がるペヤングは大事なものである。
また、原作の公式Twitterでは「あの日のペヤング」という題名で二人がペヤングを食べている和久井先生のらくがきが2021年9月5日にあがっている。
・『血のハロウィン編』での二人(5~8巻)
二人が初めて並んで原作に登場したのは5巻第41話『Double cross』である。武道が羽宮一虎に連れられて来た芭流覇羅のアジトで場地が千冬に馬乗りになって殴っている衝撃的な姿を目撃したのが始まりであり、これは「踏み絵」と呼ばれる儀式だった。踏み絵の最中にも一虎や芭流覇羅メンバーから「場地の一番の腹心」「ソイツ ずっと傍にいた奴だろ?」と言われていることから二人が日頃から東京卍會の壱番隊隊長・副隊長として行動を多く共にしていたことが窺える。
その後千冬が初めて武道と会話するシーンでは踏み絵で場地にボコボコにされたにも関わらず、「場地さん カッケーだろ?」と熱い信頼を見せる。さらに場地に何か考えがあるということをいち早く見抜き、場地の力になりたいと自ら動き出した。
「ずっとそばで見てたからな!」
そして東京卍會の総長である佐野万次郎が「場地を東卍に連れ戻す」と言った際には、目に涙を浮かべている姿が描かれている。
血のハロウィン抗争時にも千冬は恩人であり、尊敬する人物である場地のことをどうしても殴ることができなかったり場地の様子がおかしいことに気づいたりという場地への揺るぎない忠誠を見せていた。
場地の命の灯火が尽きる瞬間まで千冬は場地のことを抱き抱えていた為、場地が最期に見たのは千冬の顔である。
場地を失ってから二週間後、千冬が場地の墓に手を合わせ語り掛ける姿が描かれているがこの時約束していた半分コのペヤングを添えている。箸も場地が食べられるように持ち手を場地側にして添えていた。
一度は東卍を抜けようとしていたが佐野万次郎に引き止められる。その後行われた集会では場地の遺志だと壱番隊隊長を武道に任命した。
・『血のハロウィン編』後の二人(9巻~)
幹部軸
血のハロウィンを終え、武道が戻った現代にいた千冬は武道と共に東京卍會の幹部になっていた。
その際稀咲鉄太の口車に乗せられ、睡眠薬を盛られる。稀咲に「場地圭介の復讐(リベンジ)か?」
「いつまで場地の幻影追っかけてんだよ」
と言われ、武道は千冬が12年経った今も一人で場地の仇を打とうとしていたことに気づく。また自身が殺される直前まで東卍のことを気に掛け、武道に自身の想いと場地の遺志を託した。
聖夜決戦(9巻〜)
黒龍と一人でモメることを決意した武道を「ちょっと付き合え」と外へ連れ出す千冬。
その際に「場地さんの形見なんだ」と場地のバイクを譲り受けたことを武道へ明かす。そしてここでも場地ならおそらくこう言っていたであろう言葉を引用し、武道を奮い立たせた。
余談だが第82話にて千冬と武道がカップラーメンを半分コするシーンがある。この時に武道が残りのカップラーメンを全て食べてしまい千冬が「一口食ったら普通返すだろ!!?」とツッコむ描写があるが、これは場地由来である。
また、武道に壱番隊のタスキを託す際にも「人を嫌い人を傷つけてきた人生 それを変えたのは場地圭介という漢だった」と言っており、千冬にとっての場地の存在の大きさを改めて感じることができる。
関東事変(14巻〜)
関東事変編でも千冬の心は常に場地と共にある。武道が一人で抱え込んでしまった時にもこの戦いは武道個人の問題ではないと諭し、東卍が誕生したルーツやその流れで自分が場地と出会えたということを武道に話している。
また、己が傷ついても大切な人を守る為何度も立ち上がる武道の姿を見て「場地さんの後を継いでくれたのが オマエでよかった」と告げるなど場地と武道、二人の壱番隊隊長に対する強い信頼の姿勢を見せた。
タイムカプセル(22巻~)
東卍解散後、皆で埋めたタイムカプセルで千冬は『月刊エースパイロット』というパイロット雑誌を埋めている。その後、未来の自分に向けて書かれた手紙を読み合う際に佐野万次郎の手紙内には東卍メンバー個々へのメッセージが込められており、佐野から千冬に向けたメッセージでは「千冬は…バジだなー きっとバジの事想ってなんかしてるハズ」と書かれていた。
その言葉通り、漫画22巻にて主人公花垣武道が訪れた現代では、千冬は出所後の羽宮一虎と共にペットショップ「XJランド」を経営している。
しかし千冬の元々の将来の夢はパイロットであり、ペットショップが夢であったのは場地の方である。
このことから、場地の夢を千冬が受け継いだのではないかと推測できる。
三天戦争(24巻〜)
また、漫画25巻第223話『Good old days』では龍宮寺堅の回想内にて会話をする二人が描かれている。
龍宮寺が原宿の暴走族の件について尋ねた際、場地は「あんなザコ共壱番隊だけでぶっ潰してやったよ なあ千冬?」と笑顔で千冬に投げ掛け、それに対し千冬は「場地さんに逆らう奴ぁ裸にひんむいてオレがバチボコにしました」と返している。その後龍宮寺が「オマエは場地の命令ってなるとやりすぎるとこあるから気いつけろや」と返答していることから、過去にも何度か場地に逆らった相手を千冬がバチボコにしたことが窺える。
キャラクターブック
『東京卍リベンジャーズ』キャラクターブック天上天下では場地が千冬のことを留年してできた親友と思っていたことが明かされる。
他にも場地の武勇伝は動物に好かれるということに対し千冬の特技は動物と喋れる(気がする)こと、イメージカラーが濃い青と薄い青であること、千冬のお気に入りの場所が"朝まで場地さんとだべった団地の階段の踊り場"であるなど供給がとにかく多い。
原作外
アニメイラストの描き下ろしグッズでは二人が色々なものを半分コしている姿が見られる。ペヤングはもちろん、イヤホンやクレープ、ドーナツなど種類は様々である。また指輪の裏に二人の台詞が刻印されたペアリングネックレスも発売されている。
また、アニメ公式YouTubeチャンネルの溝中五人衆や東卍メンバーの日常を描いた作品である『ちびりべ』の22話では場地目線の千冬との出会いなどが語られている。
「お前やっぱめんどくせえやつだったわ」
その他
二人の出会いのエピソードを描いた第67話の題名『Man-crush』は男が男に対して抱く『憧れ』や『敬愛』、そして『ときめき』として使われることが多い言葉である。
そして二人が半分コをしていたペヤング
このペヤングの名前の由来として公式サイトには『昔は高価だったカップ麺。若いカップルに二人で一つのものを仲良く食べて欲しいという願いから「ペア」と「ヤング」で「ペヤング」という名前になった』と書かれている。若いカップル……。
ちなみに和久井先生も漫画2巻の巻頭コメントにてペヤングが好きだと判明している。
以下 原作公式Twitterにて先生が二人に関するイラストを投稿してくださった日付と内容↓
2018/07/26 『場地と千冬』 仲睦まじく話す二人
2018/10/23 『受け継ぐ想い』 最強の壱番隊
2019/11/03 『場地誕』壱番隊隊長は場地圭介だけです
2020/11/03 『場地誕』創設メンバーと千冬
2021/09/05 『あの日のペヤング』 ペヤング半分コ
2021/11/13 『80万フォロワー記念』団地に訪れるマイキー
ブックレットネタバレ
アニメ『東京卍リベンジャーズ』DVD・Blu-ray5巻の特製ブックレットの描き下ろし漫画第七話にて、千冬の飼っている黒猫「ペケJ」の名前は元々場地が、千冬の知らない所で勝手に呼んでいた名前だったということが判明した。この時二人はまだお互いの存在を認知しておらず、千冬は黒猫に対しペケJではなくまた別の名前を付けている。母親に「呼びづらい」と反対されても尚その名前を貫き通していることから、本人は中々気に入っていたのだと思うが最終的には場地が呼んでいたペケJという名前で落ち着いている。そこにどういう経緯があったかはまだ判明していないので読者の妄想が捗る部分である。
また二人を間接的に出会わせていたペケJはある意味でキューピッドであり、非常に大切な存在である。