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TS030の編集履歴

2022-06-12 15:02:42 バージョン

TS030

てぃーえすぜろさんぜろ

トヨタTS030とは、トヨタ自動車が2012~13年の世界耐久選手権に参戦する為に作った、プロトタイプレースカーである。

概要

この車は、トヨタが2012年~13年に、今も開催されている「FIA世界耐久選手権」に参戦する為に作った、国産車初のハイブリッドプロトタイプレースカーである。


復帰までの道のり

トヨタは1999年のル・マンを最後(エンジン供給を除く)に耐久レースから遠ざかっていた。そして、2010年頃に復帰を表明して、産まれたのがこのマシンである。ちなみに、このマシンが産まれる前にも童夢の「S101」と言うマシンを用いて色々やっていた模様。


苦難の道のり

いざマシンが完成すると、かなりの「想定外」とも言える出来事が起きまくった。まずは、規則で「4輪回生を行う場合は、時速120km/h以上でなければいけない」と付け加えられ、急遽フロントのモーターをぶっこ抜いたりしていた。そして、テスト走行でも、問題は頻発していた。まず、想定していた距離で止まれないと言う問題から始まり、「耐久レースを走る」という事で無くせない「ヘッドライト」を消費電力が少ないからという理由でLEDにしたら、思った以上に暗かったりと、この世界が「一筋縄」で行かないことを物語っている。そして極めつけは、ハイブリッドシステムの特性があまりにも過激過ぎて、ドライバーからは、「このマシンは俺をぶち殺す気か!!」と言われたりと色々あったが、何とか2012年に復活した、世界耐久選手権への参戦に漕ぎ着けたが…


思わぬ事態

そして迎えた、2012年FIA世界耐久選手権第2戦、スパ6時間レース。本来ならここに「トヨタレーシング」のマシンはエントリーしていたはずだった。実はこのレースの前のテスト走行で大クラッシュをしてしまい、モノコックにダメージを受けて急遽エントリーを撤回する事態になってしまったのだ。幸い、この時のドライバーだった中嶋一貴選手は無事である。


カムバック・ル・マン

そんな緊急事態から、迎えたル・マン24時間レース。トヨタにとっては、これが本当の「デビュー戦」である。予選でもアウディのすぐ後ろと念願の初優勝が狙える位置に居た。が、結果は夜明けを迎えることなく、リタイアしている。1台は下位クラスとの接触で宙を舞ってからタイヤバリアに激突、1台は夜中に電気系のトラブルでピットアウト直後に息絶えたという感じである。


ル・マン後

ル・マンの後は、快進撃の始まりであった。まずは日本で行われる久しぶりのプロトタイプレースカーによる耐久レース、「富士6時間」での勝利から始まり、そこから表彰台を取りまくって、年間2位と言う成績を残して、復帰初年度を終えた。


更なる進化

翌年もトヨタは、このレースに参戦した。マシンも更に熟成され、特にエンジンは、圧縮比が「18.0~20.0」と言うディーゼルエンジン級の圧縮比に。そしてトルクも上がり、主に中低速域の加速を向上させる狙いがあった。車両の方も、昨年問題になった「デッドスペース」を無くして、完全に後ろでの工藤となった。


バック・トゥ・ザ・ポディウム

そして迎えた、2013年のル・マン。トヨタは、何とか1台が総合3位を獲得している。


この車の特徴

この車は、「電気二十層キャパシタ」またの名を「スーパーキャパシタ」という、充電、放電効率に非常に優れたバッテリーを採用してる為、少々特殊な乗り方を要求される。それは「一度でも完全放電すると、再始動不可能」というとんでもマシンの為、ドライバーは、「スピンしたら、クラッチを切る」という操作の特訓をしまくったとか。ん?編成見たら皆F1経験者だから、この操作慣れてるはずでは…何でもない俺の独り言だ。


この車の逸話

実はこの車、テスト仕様と実戦仕様では、カラーリングが変わっている。元々はTS020の後継ということもあって、赤に白と言う日本を連想する色だったが、実戦仕様ではこの車の「おじいちゃん」にあたるTS010がル・マンでトヨタに初めての表彰台をプレゼントしてから20年経ったという記念で、元ネタになった「33号車」のオマージュカラーになっている。


短き命

然る事乍ら、この車はたった2年で御役御免になっている。理由としては、2014年の「規則改定」が絡んでいる。そう、レギュレーションで7速までOKになったのだ。それと4輪回生に関する規則もかなり緩和された為、後継マシンのTS040を投入する事になったのだ。その為、この車は運用年数僅か2年という先代のTS020と同じ感じに。でもこのマシンが今の「トヨタGR010」へと繋がる礎になったのだ。

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