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アナグリフの編集履歴

2022-09-25 08:20:44 バージョン

アナグリフ

あなぐりふ

映像技術の一つ。比較的安価で容易に立体視が可能になる。

概要

特定の色の光を適切に透過・遮蔽することで左右の目に異なる画像を見せて比較的安価かつ容易に立体視を実現する技術のひとつ。


良くあるのが雑誌の付録などについてくるの眼鏡を使用して画像や映像が立体的に見える(立体視できる)ようになるもの。


肉眼で見すぎるとどういう訳か目が痛くなったりする。

また眼鏡も決して高価ではないが、利益にならないためか故にそこまで出回っていない事から観覧数などが伸びにくい。

高い技術であるのに…


原理

色眼鏡の透過・遮蔽特性を利用している。

一般的な赤青メガネの場合


  • 赤レンズは赤以外の光を殆ど遮蔽して暗くし、赤を明るく透過する。
  • 青レンズは赤い光だけを殆ど遮蔽して暗くし、青と緑を明るく透過する。

という具合に光の三原色を都合よく選り分けることができる。


片目ごとに欠落させられた色情報は、逆の目の方で取り込まれた情報で補われてうまい具合に復元される。

この時に赤レンズ側像を赤く発色するインクで、青レンズ側像を青と緑で発色するインクで画像を重ねて印刷しておけば、脳で再構成すると視差情報として立体で再構成される。


印刷物の場合RGBではなくCMYKであるが、インクに反射した後の光のRGBで議論する話なのでRGBだけで考えればよい。


要するに色を適切に分離が出来さえすればメガネも色分離も赤青緑でなくて良いのである。

ただメガネとパブリッシャーの両方の都合で整合しないといけないので、ありふれた安価な上

市品を使うとメガネは赤青、コンテンツは赤と青・緑で分離するのが合理的である。


印刷されたアナグリフは見ての通り見当ズレを起こしたような見た目だが、大体同じだが完全一致しない画像を重ねている or 完全に一致する画像をわざと水平移動して印刷している。

この水平移動量が両眼視差を錯覚させるキモであり、お手持ちの画像をアナグリフにしたければ、とりあえず色分離してどっちかを数ピクセル横にずらせば引っ込むか出っ張るかの変化が起きる。


他の立体視との優位性

最も安価な立体視の方法は裸眼でできる交差法平行法であり、当然無料であるが、実際に立体視するためには少々の訓練が必要である。

殊に平行法に至っては身体的な理由からできない人が存在する。


アナグリフは立体視に道具が必要という制約があるが、大して高価でも入手困難でもない素材を用いてほぼ訓練不要で立体視を楽しむことができ、ある種の子供向け雑誌の定番コンテンツである。


と、いうのが良く言われる内容である。が…


アナグリフは交差法平行法を同時に実行でき、絵の大きさの制限が緩い


という点である。


具体的にどういうことかというと、


平行法の場合

  • 画面の向こう側に引っ込む形で立体視する。
    • 像の焦点は常に無限遠方から画面までだからである。
    • どう頑張っても平行法で画面から飛び出す演出は不可能である。

  • 元画像の幅が両目の距離未満でなければ結像できない。
    • 結像できないのを無理して結像しようと繰り返すと外斜視という日常生活の障害になる疾患を誘発する。両眼視が完成していない児童の場合は尚更である。
      • この危険を逆用すると、内斜視を罹患している人が無理矢理平行法に結像を繰り返すことで外眼筋の筋トレになり内斜視を軽減できる云々…というのがよくある胡散臭い目が良くなるコンテンツの根拠で真っ赤な嘘ではない。が、適切な医学知識が無いと碌な結果にならないことを付記しておく。

交差法の場合

  • 画面の手前側に飛び出す形で立体視する。
    • 2つの像が交差するのは画面の手前側しかないからである。
    • どう頑張っても交差法で画面より引っ込む演出は不可能である。

  • サイズの制約は特にないが拡大倍率は取れない。
    • 絵を大きくするほど目に負担をかけるか距離を取らねばならない。

アナグリフの場合

これらに対して、

  • 画面を基準に奥に引っ込ませることも手前に飛び出させることも同時に可能である。
    • 画面の縁も含めた、像が画面をすり抜ける演出が可能である。

  • ステレオペア方式と比較して一つのコンテンツに消費する紙面や画面の占有が半分以下で済む。
    • 子供向け雑誌にコストで優位なステレオペアではなく追加費用の掛かるアナグリフが多用された大人の都合は大体この辺ではなかろうか。見栄え命の出版業界的に絶対的な優位である。メガネも広義の印刷物だし。

  • 平行法の絶対的弱点である絵の大きさ制約がだいぶ緩い。
    • 拡大しても観賞に耐える。視差画像の最大横ずれ量が両眼距離未満なら絵の大きさそのものには特に制約が無い。

なお、これは視差バリア法などの類似の方式でも同様であるが、システム価格が数万倍に膨れ上がり、とても安易にできるものとは言い難い。


余談:そういえばTVの3D機能どうなった?

2010年頃にTVに付与されていた3D機能は非ステレオペアの視差バリア方式で実装されていたものが多かったが、現在さっぱり見かけない。


最近はフェイスマウントディスプレイが隆盛しているが対応機能品は決して安くは無い。

どこぞの百均がスマホアクセサリの高付加価値商品枠で出してはいるが、数百円で実現はなかなか困難なようであるし、そもそも平行法である。


関連イラスト


肉眼でみると目が疲れる可能性があるので注意してください。


要赤青メガネmelody_c22_02_anaglyph_LR.jpg紅符 不夜城レッド 3Dアナグリフ 35フランカー


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