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マリウスの編集履歴2012/05/17 18:55:33 版
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CV:阿部敦

概要

吟遊詩人。異母兄に神聖パロ前国王アルド・ナリス。妻はケイロニア皇女オクタヴィアだが、事実上離婚状態にある。娘にケイロニア皇孫マリニア。父はパロ王子・ヤヌス大祭司長アルシス。母はアルシスの愛妾エリサ。

栗色の巻き毛と黒褐色の瞳の、愛嬌あふれる美青年。自由と平和、音楽と旅をこよなく愛し、戦いを忌み嫌っている。この上ない美声の持ち主で、またキタラの名手でもあり、旅先のあちらこちらで歌や音楽を披露しては、たちまち喝采を集め、人々に褒め称えられる「カルラア(音楽の神)の申し子」である。その声の美しさは人間以外のものも魅了するほどで、北方の国ヨツンヘイムを守る怪物ガルムを、その歌声で眠らせたこともある(外伝『氷雪の女王』)。

吟遊詩人らしく性格は夢見がちで、何かを思いつくや否や行動に移してしまう無鉄砲なところもある。反面、他から責任を課せられることを極端に嫌い、何かというと理由を見つけては責任を放棄して旅に出てしまうため、憎めない性格ながらも周囲にとっては悩みの種となることも多い。

今でこそ止まらぬおしゃべりと朗らかさが代名詞のようなマリウスであるが、その影には、幼少時に抱いていた異母兄アルド・ナリスへの憧憬とコンプレックスのないまぜになった葛藤があった。5歳の時、母とともに父のもとに引き取られたディーンは、それからというもの、兄とは異なり、2人の愛情を存分に注がれて暮らしていた。だが、彼が8歳の時に父が事故死し、母もその後を追って自殺してしまったため、彼は孤児となり、ナリスのもとに引き取られてマルガで暮らすようになる。

幸いナリスとの仲はよく、守り役ルナンの娘リギアと3人で、実の姉弟のように穏やかに成長していくこととなる。だが、流浪の一族ヨウィスの民の血を引くともいわれる母の血がなせる業なのか、王族としての義務を伴った生活にはなかなか馴染むことができず、また優秀な兄に対するコンプレックスもあって、次第に彼は無口でおどおどとした少年になっていった。

ディーンが16歳になったとき、兄ナリスがクリスタル公に任ぜられる。それを機に、ナリスはディーンに、今後はより一層の勉学を重ね、いずれはナリスのもとで一軍を率いて補佐して欲しい、と告げる。だが、それはディーンにとって、心が欲してやまない音楽と、そして自由な生活からの完全な決別を意味していた。その未来図に絶望した彼は、ついに兄と決別してパロを出奔し、吟遊詩人マリウスとしての生活をはじめることとなる。

やがて黒竜戦役が勃発し、パロが滅亡の危機を迎えると、マリウスは魔道士を通じてナリスと接触し、間諜をつとめるようになる。パロに潜入しようとしていたアストリアスを眠らせてヴァレリウスに引き渡した後、敵であるモンゴールの首都トーラスへもぐり込んだ彼は、ひょんなことからモンゴールの公子ミアイルの側付として雇われる。姉アムネリスへの憧憬とコンプレックスを持つ、心優しいミアイルに、かつての自分の姿を見たマリウスは、ミアイルに対して強い愛情を注ぐようになる。

だがそこへ、ミアイルを暗殺せよとのナリスからの非情な命令が届く。マリウスはそれを拒否するが、ミアイルはナリスが派遣した魔道士ロルカによって暗殺され、マリウスはその犯人に仕立て上げられてしまい、逆上して襲い掛かってきたユナスを心ならずもその手にかけてしまう。魔道士ロルカの力によりその場は逃れたマリウスだったが、ミアイルを失ったことと咄嗟とはいえユナスを殺害してしまった衝撃は大きく、ナリスとの永遠の決別を決意して、トーラスを旅立っていく。

その後グインやイシュトヴァーンと出会い、いくつかの冒険をともにした後、ケイロニアの首都サイロンに入る。そこでもキタラと歌と美貌と愛嬌で瞬く間に人気者となった彼は、美青年イリスと出会う。折しも起こっていたアキレウス帝の後継者を巡る陰謀に、知らず知らずのうちに関わることとなったマリウスは、その陰謀の鍵を握る人物であったイリスと何度か言葉を交わす内に、次第に彼に魅かれていくものを感じ始める。実はイリスは、アキレウス帝の愛妾ユリア・ユーフェミアの娘オクタヴィアが男装した姿だったのだ。やがて恋に落ちたマリウスとオクタヴィアは結ばれ、ともにサイロンを旅立っていく。

間もなく、旅の途中でオクタヴィアが妊娠する。当面の落ち着き先をトーラスに決めたマリウスは、滞在先の〈煙とパイプ亭〉で厄介な相談を受ける。亭の若主人ダンの友人が、モンゴールの英雄となったイシュトヴァーンによるものと思しき非道を目撃したというのだ。そのことをどこに訴えるべきか、という相談にマリウスは悩んだあげく、グインの助力を求めることを思い立ち、サイロンへと旅立つ。だが、その中途、魔道師グラチウスの罠にかかり、彼はキタイへと拉致されてしまう。

やがて、同様にグラチウスに拉致されていたケイロニア皇女シルヴィア共々グインによって救出されたマリウスは、トーラスへと戻り、オクタヴィアと、生まれていた娘マリニアとの対面を果たす。その際、2人の素性を知るグインの「このままトーラスにいては危険だ」という助言に従い、一家はケイロニア皇帝アキレウスのもとで暮らすことを決意する。だがそれは、自由を奪われ、義務を課されることを忌み嫌うマリウスにとっては耐えようもない日々だった。鬱屈する日々を送っていたマリウスは、パロの内乱でナリスが死亡したという報(実は佯死)に対する動揺もあって、サイロンを飛び出してパロへと向かう。魔道師イェライシャの助けもあって、ナリスの死の直前にマルガへ到着したマリウスだったが、ほんのわずかなためらいによって、ナリスと再び会う機会を永遠に失ってしまった。

内乱が終結した後、疲弊した祖国パロの様子を目の当たりにして、マリウスも一旦はパロに留まり、リンダを助けていこうと決意を固める。だが、その決意もやはり長くは続かなかった。再び宮廷での生活に倦み、自由を欲しはじめた彼は、行方不明となったグインの捜索隊が派遣されるのを機にパロを出て、捜索隊に同行してサイロンへと向かう。そこで再会した妻オクタヴィアとの話し合いの結果、もはや宮廷での生活には戻れないとして離婚を決めた彼は、そのまま捜索隊とともにゴーラの辺境へと向かう。そしてマリウスは、イェライシャの助けを借りてユラ山中でグインと再会し、自らの記憶を求めて密かにパロへと向かうというグインに同行する。

グインたちと共にタイスに立ち寄った際、タイス伯爵タイ・ソンに気に入られて愛人にされる。やがて、タイ・ソンの残虐さが自分たちに及ぶのを恐れて、武闘大会の会場に詰めかけた大衆の前でマーロールがタイ・ソンを告発した際に、タイ・ソンの残忍さを示す証人として名乗り出た。この証言が決定打となり、タイ・ソンはタイス伯爵位を剥奪された。その後、マーロールによって救出され、グインたちと合流した後にパロへと向かう。

パロに到着した後、しばらくはリンダたちを助けるためにクリスタルに滞在していたが、イシュトヴァーンが一千のゴーラ兵を率いてクリスタルへの入城を求めていると聞き、イシュトヴァーンと顔を合わせたくないマリウスはリンダやヴァレリウスとの協議の末に、イシュトヴァーンがクリスタルに滞在している間は、マルガのベック公の別邸へと避難することになった。しかしイシュトヴァーンがナリスの墓標のあるマルガに参拝しに来た時には、いち早くマール公爵領の中心都市マリアへと避難し、マール公の許に滞在している。

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