雲母坂まりな
きららざかまりな
「おはよう寄生虫♡」
概要
しずかちゃんのクラスメイト。学校ではグループで彼女をいじめており、会う度に「寄生虫」「アバズレの娘」などと呼んでいる。
外見
カチューシャで額を出した金髪ロングヘアが特徴。肌が弱いのか日焼け対策なのか、夏場でも長袖を着用している。
しずかちゃんに比べると感情表現が豊かで、凄んだ時の表情はなかなか怖い。
性格
見た目は可愛いが性格に難があり、笑顔で毒を吐いてくる。
典型的ないじめっ子であり、グループでしずかちゃんの持ち物を隠したり、破損・落書きをするのは当たり前。単独でも悪口や殴る蹴るなどの暴力に及んでいた。
しずかちゃんに対して異常なほど攻撃的で、「男に寄生して生きてるアバズレの娘」「人間のクズ」と小学生とは思えない罵詈雑言を言い放つなど、心底軽蔑していることが窺える。
ある時にはしずかちゃんの愛犬で心の支えだったチャッピーを保健所送りにするため、夜に待ち伏せして自分を噛ませるという暴挙に出る。
タコピーの対策で散歩道はもちろん時間帯を変えても出くわしており、その際には「探した甲斐があったよね…」という意味深な言葉を残し…。
自分の計画が成功した時にはギプス姿で学校に登校し、しずかちゃんに「クソ犬管理不行届傷害女じゃん!」と言って精神面で圧をかけていた。
なお、第4話ではギプスを外して両方の腕でしずかちゃんに暴行を加えているので、負傷を大袈裟に見せるための演技だったようである。
雲母坂家の裏側
まりなちゃんがしずかちゃんをここまで敵視する理由は、彼女の家庭環境にある。
父親がある女性に入れ込み、家庭を顧みなくなったことで母親が精神を病み、娘に暴力を振るうようになった。第4話から普段の雲母坂家の様子が描かれたが、夫婦喧嘩が絶えず、かなり生々しいものになっている。
その中でも以下のやりとりはいわゆる「タコピー構文」の一つとして広まった。
父親「だからタッセルってなんだよ!!」
母親「カーテン…カーテンにつけるのっ…!」
母親が説明するようにタッセルとはカーテンに付ける飾りだが、机上のチラシには「eco素材で作る」等の言葉があり、見る人によってはアレな趣味に没頭している。
- 父親
黒髪の男性。少なくとも作中では娘に暴力を振るってはいないが、妻に対しては「寄生虫」などモラハラ発言を繰り返す。
ある水商売の女性(おそらくしずかちゃんの母親)に貢いでいる模様。
- 母親
太めの女性。元々は痩せていたが夫のキャバクラ通いやモラハラで情緒不安定になり、今ではヒステリックな言動が増えた。
また、母親は娘が「味方になってくれるいい子」であることを望んでおり、ストレスの捌け口として手を上げることも多い。
このような劣悪な家庭環境から、まりなちゃんは子供らしからぬ言葉を身に付け、それをしずかちゃんにぶつけていたと思われる。
まりピー
第4話以降のネタバレあり!
まりなちゃんをハッピーカメラで撲殺してしまったタコピーが、ハッピー道具「へんしんパレット」で彼女に変身した姿。
本物のまりなちゃんと区別するため、多くの読者には「まりピー」という通称で呼ばれる。
本人を殺した宇宙人がそのまま成り代わるという恐ろしい状況だが、まりピーのお気楽な言動に癒される読者も少なくない。
関連イラスト
関連タグ
前述の通り、第4話で撲殺され死亡が確定したまりなちゃん。このまま再登場はないかと思われたが…。
以下、第11話以降のネタバレあり!
「…ねぇ、そこに誰かいるの?」
第11話の終盤、高校生になった姿で登場する。
2016年のしずかちゃんのように土管の前でタコピーと出会う。
タコピーが走馬灯のように語っているため、彼が初めて地球に来たのは2022年と考えられる。小学生の時からそのまま成長したような容姿で、頬には痛々しい傷跡がある(理由は後述)。
いじめの加害者によくあることだが、小学校の時にしずかちゃんをいじめていた事に罪悪感は抱いていない様子。特定の誰かをいじめることはなくなった一方で、見た目や言動の荒っぽさから学校内で悪い噂は絶えない。
「将来は幸せなお母さんになりたい」という夢(※1)を持つが、客観的に見るとそれが叶わなそうな少女に成長していた。
※1 「そしたらきっとママだって…」と続けていた事から、その「夢」すらも自分ではなく母親のため(「ママが元通りに」なるため)のものという解釈ができなくもない。
また、この頃には父親は既に家を出て離婚調停に前向き(※2)かつ娘へのメールで別の女性と良い仲であることを伺わせるような描写があることから、今は母親と共に捨てられた様子。
このことが原因なのか、まりなちゃんの母親は2022年には趣味への傾倒が更に進んでおり、2016年よりも見るからに危ない雰囲気を漂わせている。
同時に完全なアルコール中毒患者になり、コンブチャ(※3)(描写からコンブチャを過発酵させたビール並みの度数を持つ飲料、ハード・コンブチャだと思われる)を大量に常備常飲し、残りが少なくなると安酒を飲みながら娘に暴力を振るうなど以前よりも家庭環境は荒れている。
小学生時代との大きな違いである頬の傷跡は、まりなちゃんが母親の機嫌を損ねた際に割れたコップで付けられたもの。それによってまりなちゃんはガラスにトラウマを持つようになり、見ると酷く怯えて言葉もどもってしまう。
※2 まりなへのメールに「離婚調停に応じるように言ってほしい」という記述がある。一方で母親は「パパはそろそろ戻ってくる」と考えているため、両者の認識には大きな齟齬が見られる。
※3 コンブチャは日本では70年代に「紅茶キノコ」の名前で呼ばれていたが、2018年頃には「"海外セレブも愛飲する体にいい飲み物"コンブチャ」として海外からの逆輸入で一部で再ブームとなっていたため、まりなちゃんの母親はこう呼んでいる。
タコピーと出会った当初は「ごみくそ」と呼んで乱暴に扱っていたが、密かに悩みを打ち明ける場面もあった。偶然によって元・同級生の東くんと再会し、なんと付き合うことに。
それを知った母親は荒れた様子から一転してごく普通の主婦のように描かれ、娘とその彼氏が家に来ることを楽しみにしていたが…。
しかしそんな日々も長くは続かず、自殺未遂を経験をしたものの生存し、転校生として現れたしずかちゃんに東くんが一目惚れ。一人で地元に戻ってきて身寄りがいない彼女には「僕しかいない」「再会できたのは奇跡」という見当違い(ある意味ハッピー?)な理由でまりなちゃんと別れることに。
そのことに腹を立てた母親はまりなちゃんに暴力を振るった上に壊れた酒瓶で刺殺しようとする。母娘で揉み合いになった結果、逆にまりなちゃんが母親を殺してしまうという惨劇が発生。
これに彼女は錯乱してしまうが、近寄ってきたタコピーを見ていくらか平静を取り戻す。だが、この直前に彼女がこぼしたある言葉を真に受けたタコピーは、まりなちゃんをハッピーにするため話を聞くこともなくロケットでどこかに飛んで行ってしまった。
タコピーもいなくなったことで周囲に心を許せる存在がいなくなったことに絶望したまりなちゃんは、その後に母親を殺した凶器であり、自身のトラウマにもなった割れたガラス片で自殺を図ったような描写がある。
「やっぱ 名前ぐらいつけてやれば良かった」
「“タコピー”とか」
まだ名前のなかった"ごみくそ"に彼女が付けようとした名前は、奇しくもしずかちゃんが名付けたものと同じ「タコピー」であった。
しかしタコピーがいなくなる時には名前すら付けていなかったため、彼を呼び止めることもできなかった様子。
以下、最終話のネタバレあり!
最終話ではまりなちゃんがまだ生きている頃にタイムリープしたため生存。
タコピーとの記憶のおかげかしずかちゃんとの関係にも変化が起こり、2022年には二人で買い物をする仲に。
タイムリープ後の世界でも高校生の彼女の顔の傷や母親の精神状態などは変わらないようだが、しずかちゃんとお互いの家庭環境に関する軽口を叩けるくらいには精神的余裕が生まれていると言える。