概要
インディーゲームスタジオ「SCKR Games」が手掛ける高難度アクションゲーム。
2023年5月25日~9月7日まで、Steamにて販売されていた。
地上から宇宙まで続くオブジェクトを次々と登っていくことが目的のシンプルな3Dアクションゲーム。
「壺おじ」こと『Getting Over It with Bennett Foddy』のように、ひとたび“落ちる”と苦労して登った道のりが水泡に帰するスリルと絶望感が“配信向き”であり、SHAKAや大手VTuberなど、多くのストリーマーが配信でプレイしたことで6月中旬頃に大きなブームが発生。一時は最大同時接続プレイヤー数9000人を数えるヒット作品となった。
一方で3Dオブジェクトのバグや、作中で使われているアセットの権利問題などといった問題点も指摘された。Steamのインディーズ作品には珍しいことではないものの、注目の集まった作品だけに対応のアップデートも度々行われており、オブジェクトが削除・差し替えされたことでのルート変更なども発生している。
こういった経緯から開発者も「数多くの失敗があった」「ストレスに苛まれてきた」と述べており、結果的に配信開始からわずか3ヶ月半後、同年9月7日をもって販売終了となった。
ゲームシステム
3Dアクションゲームで、操作はほぼ横移動とダッシュ、ジャンプ、後述のスロー化のみ。
一応ローリング(前転)も存在するが、落下する際の軌道調整等に使えなくもないぐらいで基本使わない。
ジャンプ、または距離の長いダッシュジャンプを繰り返してひたすら上に登っていく。
プレイヤーは少年となり、地上からスタートして天空の向こうのゴールまで到達することが目的。
この世界には車、机、ビル、本、道路、お菓子、国旗、ゲーム機、…などといったあらゆるものが無秩序に空中に浮いており、それをジャンプで伝って少しずつ上に登ることになる。
ジャンプにミスがあるなどして落ちてしまうと当然そのまま垂直落下し、これまで登って来たどこかに引っ掛かればそこからやり直し、最悪地上=最初からやり直しということもあり得る。
ワンミスで最低でも10~20分、場合によっては数時間分のプレイが飛ぶことも珍しくないため、『Getting_Over_It』など以上に落下のリスクは高い。
同系統のゲームと同様、セーブポイントやチェックポイントなどといったものは存在しない。
ただし、ほぼ全てのオブジェクトは端に掴まれるようになっており、落ちそうになった場合もオブジェクトに身体を擦っていれば自動で掴んでくれることが多い。
また、ボタンを押している間はスローになり、着地や掴みのための制御がやりやすくなる。当然ゲームテンポは遅くなるものの、慎重に進むことができる。
建物や道路といった開けた場所に出た場合は辺りを走り回るスペースがあり、わざと落ちなければ落ちることはほぼ無いため安心できる。
乗ると少し上まで運んでくれるエレベーターやトロッコなども少数あり、こちらも少しホッとする地点である。
だが、空中にバラバラに置かれたオブジェクトを1つずつ飛んでいくような場所も多く、本1冊や棚1つといった狭いスペースを順々に飛び移らなければならないような機会も定期的に訪れ、大きな緊張を走らせる。
途中にはいくつかショートカット用の「ベッド」や「トランポリン」等も置いてある。
ジャンプで乗ると非常に高く飛び、一気に途中をすっ飛ばすことができるが、どれだけ飛んでどこに飛び移るためのショートカットかということはわからないため、不用意に乗ると思ったところに飛び移れず逆に戻る足場がなくなって落下、ということもあり得る。
終盤にはショートカット用ではない低く飛ぶトランポリンも少数ある。
ゲームの攻略
操作自体は3Dではあるが類型のゲームと比べると単純であり、その分複雑なプレイは求められない。
また、足場が落ちるなどの時間制限要素は殆どなく、大多数の場所は落ち着いて1つずつ飛んでいくことが可能である。
順路が分かりにくい場所など初見殺し要素はいくらかあるものの、アクションゲームが特に苦手でなければ「飛ぶ距離を見誤った」などの軽微なミス以外で落ちることは少ないだろう。
小さい足場が連続するような場所では、スローも多用してミスの防止に努めたい。
そのため、本作に「技術性」の要素は低く、一番求められるのは「集中力」である。
もっとも、一定の技術を要する『Getting_Over_It』のような作品と対極にあるゲームという訳でもなく、一度行った場所は進み方を覚えることで楽になるという進行については共通している。
攻略情報を見ない場合でも、ベッド等のショートカット類は試行錯誤してルートをある程度掴んでおきたい。
使えば軽く10分以上は短縮できるようなショートカットも多く、これを利用できるとできないとでは戻し作業の負担が大きく違ってくる。
プレイ時間を短く抑えることで集中力を保持する意味でも積極的に利用することを推奨。
ごく少数だが、足を踏み入れてしまうと落ちるようになっている完全な初見殺しトラップも少数あるので注意。
特に、後半のある場所にある踏むと強制的に地上=スタートに戻されるギミックはある意味本作の名物となっている。