斗牛
とぎゅう
中国の伝承に伝わる龍の一種。
概要
中国の伝承に伝わる嘉靖年間(1522~1566年)に中国西内海の水中に棲んでいたとされる龍の一種。
鱗に覆われた体に牛の様に湾曲している鋭く尖った角を持つ龍で、指の数は三本。風雨を操り、雲や霧を発生させる事ができ、時には発生させた霧の中から突然現れて人々を驚かせる事もあったとされる。また消火、除厄の力を持ったともいわれてる。
また斗牛は金や玉などといった宝物を好み、集めた金銀財宝で作られた宝柱にとく巻きついていたとされている事から、中国の寺院において彫像のモチーフとして採用される事が多く、柱に巻きついた形で彫られている龍の大半は、この斗牛であるという。
斗牛は、しばしば地上に現れては帝に仕える宮女たちを驚かしていた為、困り果てた人々は世皇という徳の高い帝に、斗牛を山中へと戻してくれるように嘆願すると、その夜に湖が泡立ったかと思うと真っ二つに湖面が割れ、湖中に潜んでいた斗牛はその割れ目に飲み込まれて消え去ったという。