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概要

GB版のサガ3のリメイクである『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』にて、今回新たに追加されたキャラ。

ソール神が造った世界(デューンたちの住む世界)とラグナ神が造った世界(異次元世界)の間には「時空の狭間」が存在しており、ステスロスで時間·空間移動を行う際には常にここを通る事になるのだが、この空間は彼の居住地でもある。時空間移動が自在にできる彼は、当然ながら過去も未来も見通せる。そして、全てを知っているような口調で、時空移動の際にデューンの前にたびたび姿を見せる。彼の助力により、デューンの持つ「タイムズ·ギア」に次々と機能が追加され、戦いの助けとなる。

異次元へと渡ったデューンたちに、異次元の神々を倒す必要があることを最初に教えたのも彼である。

ネタバレ

かつてデューンたちを過去に送り、そして旅の終盤で仲間になった男ボラージュ。ワンダラーとは、そんな彼の正体であった。

ワンダラーの目的は、ズバリ「生き延びるための戦い」。その原因は、彼の居住地「時空の狭間」がデリケートであることに起因する。時空の狭間を構成する2つの世界、「異次元世界」と「サガ世界」。しかし、異次元世界を支配するラグナと、サガ世界を支配するソールは、元々1体の神であり、融合した時には完全な1つの世界を造りなおすことになっている。また、融合せずにどちらか一方のみが生き残ったとしても、敗北した側の世界は不要となり滅ぼされる。2つの世界があるからこそ時空の狭間は存在していられるのであり、世界が1つになってしまえば消滅してしまう。

ワンダラーは自分のことを「増えることも減ることも、変わることも消えることもない存在」と例えたが、時空の狭間を命の拠り所にしているという致命的なウィークポイントがあった。そのため、ラグナとソールのどちらかが生き残る事態を回避する必要に迫られていた。

そこで、ラグナとソールが融合する頃合を見計らって、まとめて倒すシナリオを考え出す。そのために、関わる人物の元に現れては、あるときは助言をして、あるときは役立つアイテムを渡して、巧みに自分の想定どおりに事を運ばせた。タイムズ·ギアも、ボラージュとしてデューンたちと再会したのも、彼の計画の一環だった。

しかし、彼自身は自分の中でうまくやっているつもりだったが、ボラージュとしての言動や行動は、デューンに怪しまれるには十分すぎるほど不完全だった。ラグナ神撃退後に誘導尋問され、ついに隠し通せなくなった彼は、とうとう正体を現す。しかもあろうことか、計画に邪魔だったジュピターを斬り殺したという衝撃の事実を自ら激白する。未来を見通せる彼は、その後にジュピターがサイボーグ手術で蘇生する事を知っていたのである。つまり、最終的にジュピターの命が助かることを知っており、しかもジュピターはソールが正しくてラグナは邪悪だと信じきっていた為、自分が生き残るためにラグナとソールを倒さなければならない状況では、説得など不可能だった。彼は、生き延びる為にこのような凶行という手段に出たのである。

当然デューンの怒りを買うことになる。「お前のせいで、父さんは機械の身体で生きていくハメになったんだぞ! 人の一生を弄んで、貴様、神にでもなったつもりか!」と。しかし、それに対してもワンダラーは指摘する。

「ハハハハハ! キミ達は言えた義理かね。キミ達も、旅路の中で、他人の人生をもてあそんだではないか。私の与えた、そのタイムズ·ギアを使ってな」

そう、デューンたちもこれまでタイムズ·ギアによって多数のイベントの結末を変えてきた。それは、それらの事件に関わった人々の運命を自分たちの勝手な都合で変える事に等しかった。実際、イベントにおけるタイムズ·ギアの使用は義務ではない。時間を戻さずにイベントを進める選択だって、あったはずなのだ。つまり、ワンダラーの指摘は正しく、「プレイヤーである自分のルートではタイムズ·ギアを使わなかった」という言い訳の余地は無い。

デューンは、「運命は変えたけど命を弄ぶことはしていない」と反論する。だがそんなデューンに、「ラグナを始めとした異世界の神々は命を持っていないとでも?」と指摘する。無論、向こうから襲ってきた相手や、故郷を救う為に倒さなければならない相手がいた事は事実である。だが、山間の洞窟にて、フレイヤを洗脳したドグラに対して解除方法もロクに訊かずに叩き殺す決断をしたり、交渉をしようとしたフェンリルに対して村の人々を石化をしたからという理由で経緯も訊かずに叩き殺す決断をしたのは、他ならぬデューンなのである。

「私は、自らの守るべきものを守ろうとしたにすぎんよ。この時空の狭間と、それを拠り所として生きる私の命をな。いや、むしろ誰の命も奪っていない分、私の方がより美しい選択を行ったと言えるのではないかね?」

誰の命も奪っていないと言えば、嘘になる。しかしワンダラーは、自分の命を守るために、最低限の敵の命しか奪っていない。実際、彼がボラージュの姿で仲間になった状態にて待ち受けるメインストーリー部分で倒したボスは、ラグナ城を守るティールと、最上階で待ち受けていたラグナ&ソールだけである。

結局、戦闘突入を避けることはできない。ゲーム的には要注意の展開だ。なぜなら、スタッフクレジット後というエンディングの最終局面でファイナル·バトルを挑んでくるという強烈なトラップだからである。

彼の真意を知る事が出来るかどうかは、これまでの選択肢と、彼との戦いの直前の選択肢が決め手となる。

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