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ワンダラー(サガ3)

わんだらー

スクウェア・エニックスのコンピュータRPG『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』のキャラクター。
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概要編集

GB版のサガ3のリメイクである『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』にて、今回新たに追加されたキャラ。


ソール神が造った世界(デューンたちの住む世界)とラグナ神が造った世界(異次元世界)の間には「時空の狭間」が存在しており、ステスロスで時間·空間移動を行う際には常にここを通る事になるのだが、この空間は彼の居住地でもある。時空間移動が自在にできる彼は、当然ながら過去も未来も見通せる。そして、全てを知っているような口調で、時空移動の際にデューンの前にたびたび姿を見せる。彼の助力により、デューンの持つ「タイムズ·ギア」に次々と機能が追加され、戦いの助けとなる。


異次元へと渡ったデューンたちに、異次元の神々を倒す必要があることを最初に教えたのも彼である。また、巷ではソール神が造ったといわれているステスロスも実際は彼の手によって造られたもの(※)であり、まあなんというか見た目どおり、彼のかぶっている仮面が証拠(笑)。通称「ステスロスマン」とも言われているこの姿は、ストーリー上のどこかで「ステスロスとワンダラーの関連性を、どうせプレイヤーに気づかれるかもしれないなら、思い切って最初から全全部ネタバラシしよう」という発想から生まれたものである。


(※···GB版では本当にソール神が造ったという設定。)


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ネタバレ編集

かつてデューンたちを過去に送り、そして旅の終盤で仲間になった男ボラージュ。ワンダラーとは、そんな彼の正体であった。


ワンダラーの目的は、ズバリ「生き延びるための戦い」。その原因は、彼の居住地「時空の狭間」がデリケートであることに起因する。時空の狭間を構成する2つの世界、「異次元世界」と「サガ世界」。しかし、異次元世界を支配するラグナと、サガ世界を支配するソールは、元々1体の神であり、融合した時には完全な1つの世界を造りなおすことになっている。また、融合せずにどちらか一方のみが生き残ったとしても、敗北した側の世界は不要となり滅ぼされる。2つの世界があるからこそ時空の狭間は存在していられるのであり、世界が1つになってしまえば消滅してしまう。


ワンダラーは自分のことを「増えることも減ることも、変わることも消えることもない存在」と例えたが、時空の狭間を命の拠り所にしているという致命的なウィークポイントがあった。そのため、ラグナとソールのどちらかが生き残る事態を回避する必要に迫られていた。


そこで、ラグナとソールが融合する頃合を見計らって、まとめて倒すシナリオを考え出す。そのために、関わる人物の元に現れては、あるときは助言をして、あるときは役立つアイテムを渡して、巧みに自分の想定どおりに事を運ばせた。タイムズ·ギアも、ボラージュとしてデューンたちと再会したのも、彼の計画の一環だった。


しかし、時空移動を可能とする彼であっても、神ではないため、未来予測も100%確実なものではない。実際、デューンがフレイヤを助けた時、彼の予測した未来では過去の時代でそのままステスロスのパーツの手がかりを探すはずが、実際はフレイヤの安全のためだけに現在の時代へと戻った。この一件により未来予測が狂ってしまい、軌道修正するためにステスロス研究家のクロノスを自分の計画に引き入れる。

だが、幼少期よりステスロス大好きのクロノスを計画に引き入れた事で、クロノスは彼の予想以上にステスロス研究を進めてしまい、ついには反目していたはずのパルサー博士と手を組んで、「ステスロス2号機」を作り上げてしまう。それは本来、彼の未来予測には存在するはずの無い機体。先発隊がそれに乗り込み、彼の予測よりずっと早く異次元へと到着し、彼の予定より遥かに早く異次元の神々を討伐を開始。ついに先発隊は異次元最初の神であるフェンリルと戦いを始めてしまう。

しかも先発隊は、ソール神を正義と信じていた為、このままではソール神がまだ余裕あるうちに、ラグナ神だけが倒されてしまう。この状況では説得などできるはずがない。そうなれば彼を待っているのは、時空の狭間の消滅による確実なる死だった。軌道修正すればするほど未来予想とはかけ離れてしまった。もはや先発隊の足を順調に進ませるわけにはいかなかった。

異次元世界はサザエさん時空になっており、時間の流れが存在しないため、計画が失敗に終わった時に過去へ遡って歴史を変えることができない。失敗は許されなかった。

そこで、言葉通りの意味で「大鉈を振るう」ことを決意する。フェンリルとの戦いのさなか、先発隊のリーダーであるジュピターを不意打ちで斬り殺した。さらに「ボラージュ↔ワンダラー」と姿を変えられる利点を活かし、姿を変えて別人を装い、フェンリルにエクスカリバーの情報を教える。これは、異次元の神々同士でも下克上があることを知った上で、フェンリルの出世欲をくすぐることで、エクスカリバー入手に必要な人物であるネメシスを攫わせる、という計画である。ネメシスが攫われれば、先発隊の有力なメンバーは誰もいなくなり、進軍は難しくなるため、ラグナ神だけが先に倒される可能性を消すことができる。

そして、デューンたちが本来のステスロスで異次元に到着し、彼の未来予測の計画通りにソール神とラグナ神は同時に倒され、時空の狭間消滅という彼にとって最大の危機を乗り切った。


自分の世界と自分の命を守る為に、倒すべき存在に立ち向かったという点では、実はデューンと全く同じであり、切り口を変えれば彼もまた主人公としてのポジションだったと言える。デューンと比べて最も違っているのは、彼の境遇があまりにも特殊だったことで、全面的な賛同者など得られるはずがないという点だった。先遣隊に事情を話し説得するにしても、それは自分とソール神の命を秤に掛けさせることとなり、更に時空の狭間が自分の要である事を晒すことになる為、失敗した時のリスクを考えれば話せるはずがない。そのため、大部分は孤独に計画や戦いを進めることになり、目的の都合上から見ても犠牲者を出さざるを得ない状況に追い込まれた。ジュピターを斬らねば、自分が死んでいたのである。


だが、その言動や行動は、デューンに正体を怪しまれるには十分すぎた。ラグナ神撃退後に誘導尋問され、ついに隠し通せなくなった彼は、とうとうデューンの目の前で正体を現す。しかもあろうことか、ジュピターを斬り殺したことを自ら激白する。それは、未来予測により、ジュピターがサイボーグ手術で蘇生する事を知っていたという理由もあった。


これに対し、当然デューンの怒りを買うことになる。「お前のせいで、父さんは機械の身体で生きていくハメになったんだぞ! 人の一生を弄んで、貴様、神にでもなったつもりか!」と。しかし、それに対してもワンダラーは指摘する。


「ハハハハハ! キミ達は言えた義理かね。キミ達も、旅路の中で、他人の人生をもてあそんだではないか。私の与えた、そのタイムズ·ギアを使ってな」


そう、デューンたちもこれまでタイムズ·ギアによって多数のイベントの結末を変えてきた。それは、それらの事件に関わった人々の運命を自分たちの勝手な都合で変える事に等しかった。実際、イベントにおけるタイムズ·ギアの使用は義務ではない。時間を戻さずにイベントを進める選択だって、あったはずなのだ。つまり、ワンダラーの指摘は正しく、「プレイヤーである自分のルートではタイムズ·ギアを使わなかった」という言い訳の余地は無い。


デューンは、「運命は変えたけど命を弄ぶことはしていない」と反論する。だがそんなデューンに、「ラグナを始めとした異世界の神々は命を持っていないとでも?」と指摘する。無論、向こうから襲ってきた相手や、故郷を救う為に倒さなければならない相手がいた事は事実である。だが、フレイヤをとりあえず門番にさせる目的で洗脳したドグラに対して、敵意が無いにもかかわらず解除方法もロクに訊かずに叩き殺す決断をしたり、交渉をしようとしたフェンリルに対して村の人々を石化をしたからという理由で経緯も訊かずに叩き殺す決断をしたのは、他ならぬデューンなのである(前者は騙し討ちの可能性を考えれば間違ってはいないが、後者はそうした余地がまずない)。


「私は、自らの守るべきものを守ろうとしたにすぎんよ。この時空の狭間と、それを拠り所として生きる私の命をな。いや、むしろ誰の命も奪っていない分、私の方がより美しい選択を行ったと言えるのではないかね?」


誰の命も奪っていないと言えば、嘘になる。しかしワンダラーは、自分の命を守るために、最低限の敵の命しか奪っていない。実際、彼がボラージュの姿で仲間になった状態にて待ち受けるメインストーリー部分で倒したボスは、ラグナ城を守るティールと、最上階で待ち受けていたラグナ&ソールだけである。


結局、戦闘突入を避けることはできない。しかも、スタッフクレジット後というエンディングの最終局面でファイナル·バトルを挑んでくるという強烈なトラップである。戦闘自体は、ボラージュの姿で戦う前半戦と、ワンダラー本来の姿で戦う後半戦に分かれている。

  • ボラージュ
    • GB版で装備していたグングニルを振り回してくるほか、魔法攻撃が尋常じゃなく強い。表向きのラスボスだった真ラグナすら2ターンのタメを要した全体攻撃を連発してくるなど朝飯前。中途半端なパーティは一瞬にして消し炭にされる可能性すらあり。

  • ワンダラー
    • ボラージュが「普通に戦って強い相手」なら、ワンダラーは「時空の覇者としての強さ」を披露してくるタイプ。これまでプレイヤー側が使用してきたステスロスの支援やタイムズ·ギアの能力を惜しげもなく使う。特に、プレイヤーなら1回の使用で必要なエネルギーをほとんど使い切ってしまう時間停止技「現在ドライブ」を連発してきたり、プレイヤーなら分身を一時的に攻撃参加させるだけの技「未来ドライブ」を使った時に出てくる分身が以後のターンも居座っていたりと、プレイヤーの時間操作能力をそのまま上位互換にしたような攻撃がメイン。

▼未来の自分をいくらでも呼び出せるわけだが、この能力をむやみに使ったら多分こうなるんだろう。
ボラえもん


彼の真意を知る事が出来るかどうかは、これまでの選択肢と、彼との戦いの直前の選択肢が決め手となる。

また、上記の圧倒的戦闘力はあくまでホームである時空の狭間でこそ発揮できるものであり、本人も「時空の狭間を離れた私にさしたる力は無い」と語っている。

実際どこでもこんなに強ければ自らが世界を渡って神々を屠った方が早いし確実なので、あくまで終盤に仲間になったボラージュの状態が彼の外での本気なのだろう(計画も最後のツメまで来ており、後はラグナ神ごとソール神を葬るだけだが、異次元世界ではタイムワープによるやり直しも効かない為、ここで彼が本気を出さない理由も余裕もない)。


関連動画編集

決意の狭間

対ワンダラー戦

SoL真最終決戦を盛りたてる1曲。

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