UH-60
ゆーえいちしっくすてぃ
アメリカの中型多目的ヘリコプター。アメリカ陸軍ではUH-1の後継として採用され、他にも多くの国が同様に採用している。UH-1よりも搭載力にすぐれており、機材を追加して改造すれば救難機として使うこともできる。通称は「ブラックホーク」だが、他にもさまざまな名前で呼ばれている。
ベトナムの戦訓
UH-1はベトナム戦争ではじめて実戦投入され、非常に多くの実績をあげてヘリコプターの有効性を世界に知らしめた傑作機である。だが、
・高温多湿な環境、とくに熱帯でのパワー不足
・被弾に弱く、場合によってはマシンガンの一連射でも致命的な損傷に繋がる
・ドアに機銃手を配置(「ドアガナー」とも)すると乗降の邪魔になる。しかし居ないと乗降時に敵を制圧できず、危険になる(これはUH-1Dである程度解決されたが、根本的にはまだ不足だった)
といった改善点も多く寄せられた。
そこでアメリカ陸軍は、これらの戦訓を取り入れた、まったくの新型ヘリコプター開発を要求する。
時は1972年。さしものアメリカも戦争に疲れ果て、翌年にはベトナムから完全に撤退するという年である。