来歴・人物について
極めておっとりとした天然タイプの少女。
プラント評議会議長シーゲル・クラインの一人娘として生誕し、
プロパガンダ的意味合いも含め、プラントの歌姫として各地で活動を行っていた。
自身もある程度利用されていることを理解した上で父親に協力していたようである。
後の議長であるパトリック・ザラの息子、アスラン・ザラとは婚約者同士だった。
劇中後半では、戦艦エターナルの指揮官として自ら戦場に赴くなどの意思の強さも持つ。
活躍
序盤に登場し、その不思議全開キャラで視聴者を驚かせるが、
同時にラウ・ル・クルーゼを一喝、戦闘を停止させるという一面も見せた。
物語中盤、アスランとの決戦で負傷したキラを自宅へと招き、
完治するまで彼を付きっ切りで看病する。
この頃より恋心を抱いていたのかもしれない。
その後後述するパトリック・ザラの手により戦争が激化。
仲間を、友人守るため、再び立ち上がろうとするキラに、
新たな剣としてフリーダムガンダムを託す。
しかし、その事が軍上層部とパトリック・ザラに露見。
反逆者として父シーゲルは殺害され、
自身も追われる身として身を隠すかに見えた。
しかし彼女は亡き父の意思を受け継ぎ
ナチュラルとの共存を掲げる穏健派「クライン派」一派と合流しており、
砂漠の虎アンドリュー・バルトフェルドを艦長に据え、新造戦艦エターナルを奪取。
そのまま「戦争を止める為」の第三勢力として蜂起するのだった。
その後は指揮官として気丈な振る舞いを見せ、
合流したアークエンジェル・クサナギらのトップとして戦い続ける。
しかしやはり課せられた重荷は彼女を苦しめ続けていたようで、
キラの前では父を失った悲しみに暮れるか弱い姿を見せている。
終戦後はキラ達と共にマルキオ導師の孤児院へ身を寄せ、
若いながらも子供達の良き母親役として振舞う姿を見せた。
続編であるDESTINYでも、
キラと共に世界を見守っている姿を見せる。
しかし、新議長であるギルバート・デュランダルは、
彼女の求心力を利用すべく赤の他人であるミーア・キャンベルに整形手術を施し、
ラクス・クラインとして利用していた。
その為、本物のラクス・クラインである彼女が邪魔になったのか、
彼女の暗殺計画が実行されてしまう。
キラ達の奮闘でなんとか追撃を振り切るも、
暗殺部隊はモビルスーツを投入。シェルターに追い詰められる。
決心したキラは再びフリーダムに乗ろうとするが、
前大戦でフリーダムを与えた事でキラに辛い思いをさせてしまったと思っているのか、
ラクスはそれを良しとせず渋る。
しかし、結局は熱意に押し切られ、キラは戦地へ赴く。
アークエンジェルのCICを担当したり、
時にはザフトの動向を探るため危険を承知でプラントに渡るなど、
戦う道を選んだキラのサポートに徹する。
物語終盤、隠密として行動しデュランダルの野望と計画の書類の入手に成功するも、
とうとうザフト軍に発見されてしまう。
自分達を犠牲にしてでも書類と新たな力をキラ達に届けようとするが、
軍の猛攻に晒され撃沈寸前まで追い詰められる。
その時、間一髪かけつけたキラに救われ、
完成していたストライクフリーダムガンダムの前に導く。
この時も彼女は再びフリーダムに搭乗させる事を躊躇うのだが、
自身の考えを完全に転換させ戦う事を良しとしていたキラは、
彼女と仲間を守るためにフリーダムを受領。敵を殲滅する。
そのまま第二次オーブ防衛戦に突入したキラ達。
キラの提案でインフィニットジャスティスガンダムに乗せられ地上に降下し、
アスランに同機を渡し、キラの伝言を伝える。
「何かしたいと思った時、何もできなかったらきっとそれが一番つらくない?」
怪我を心配しつつも、進む道を選ぶのは自分自身である、と説くラクス。
二年前と同じく、きっかけを与えアスランの心を立ち直らせる。
オーブ攻防戦が終了し、
攻撃に失敗しながらもミーアを利用しオーブを糾弾するデュランダルに対し、
とうとう世界に姿を見せ、自身の意思を示す。
入手していた議長のデスティニープランの内容について彼女と仲間は、
未来を全て決定し、個人の努力や自由を全て殺す事で世界を平和にしようとする彼の思想を
「それでは人はただ生きるだけの存在になってしまう。それでは人類を殺してしまうのと同じ」
と捉え、彼を止めるべく宇宙に上がる。
宇宙で彼女を待っていたのは彼女の偽者である、ミーア・キャンベルからのヘルプ。
ラクスを暗殺する為の舞台におびき寄せる見え見えの罠だったが、
彼女はあえてそれを受け、ミーアと対面。
自分の名前も姿も欲するならいくらでも譲渡する。
しかし、それでも自分になることは出来ない。
自身は自身にしかなれないと諭し、ミーアと和解する。
しかし、暗殺者の最後の一発に狙われたラクスを助けるべく、ミーアは犠牲になってしまう。
自分が表舞台から姿を消したがために、
最後まで利用され続け、殺されたミーア。
彼女の亡骸を悼む彼女は、悲しみと怒りの表情を見せる。
敵対勢力は有無を言わさず巨大レーザー砲で消し去るデュランダルに、
もはや軍門に下るか、戦って彼を止めるしか道が残されていないオーブ軍。
キラ達は全戦力を結集し、デュランダル達との決戦に臨む。
ラクスもその一員として再びエターナルに搭乗。
エターナルと自身を囮にして味方を送り出すなど、最後まで最前線で指揮を取り続けた。
終戦後はミーアの例を鑑み、とうとうプラントへ帰省。
オーブ軍中将とザフト軍白副を兼任する恋人キラをサポートすべく、
自らも評議会の一員として世界を平和に導く戦いを続けていく姿が見られた。
ファンからの評価
彼女こそ戦争の元凶、
キラやアスランを裏から操っている、
などと的外れな指摘をする意見が多いが、
明らかな誇張とネタでしかないので真に受けないよう注意が必要。
しかしそれを差し引いても、DESTINYの脚本の不備の煽りを受け
古い世代からのシリーズファンからの評価は極めて低い。
ガンダムシリーズ離れしたデザインを持つのも原因かもしれない。
彼女の実際の行動原理と内容は上記の通りだが、
ご存知の通りDESTINYは見る人間によって評価が極端に分かれる完成度の低い作品な為、
彼女に限らない事だが、行動を正しく解釈するのは難しいかもしれない。