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概要

クモガタ類(クモ型類、英語名:Arachnid、学名:Arachnida)とは、鋏角類に所属する節足動物のグループの一つ。


英語名や学名は古代ギリシャ語クモを意味する「Aráchnē」(アラクネ)に由来。

分類学上はクモガタ綱という。古くは蛛形綱(ちゅけいこう)、近年ではクモ綱とも呼ばれるが、誤解を招きやすい。なぜなら本グループはクモだけでなくサソリダニザトウムシなどクモでないグループ(目)をも数多く含まれる(「クモ」という名はその中の「クモ目」のみに当たる)。


クモガタ類の共通点は、前体・後体(一般に「頭胸部・腹部」と呼ばれるが、体制的には「頭部・胴部」である)という2パーツのみからなる体と、1対の鋏角・1対の触肢・4対のを前体に持つこと。昆虫甲殻類などに見当たる触角はない。も0、1対から数対の単眼であり、複眼はない(古生物の原始的なサソリのみ複眼を持つ)。


ほぼ全てが陸棲で、昆虫と似た気管、もしくは書から進化したとされる書で空気呼吸する。ほとんどが肉食性で、液体状の餌しか摂れない。例外としてダニの生息環境と食性は非常に多様で、ザトウムシは固形物の餌を咀嚼できる。また、それぞれ1種しかないが、水中生活するクモ植物成分を主食とするクモも存在する。


少なくとも4億年以上の古生代シルル紀まで遡るほど長い進化史を持つ。現生のものは、進化史から遺存したような小規模(数百種か百種未満)なグループが多い。

しかしその中で、クモとダニが飛び抜けて数万種に多岐して様々な環境に栄えたおかげで、クモガタ類は総勢10万種以上の大グループとなり、節足動物の中では昆虫の次に陸上で最も多様化した系統となっている。


誤解されがち

いわゆる「」と呼ばれるグループで、同じ陸生節足動物である昆虫と誤解されることが多い。ただしクモガタ類は鋏角類である一方、昆虫は六脚類という別系統に属しており、以下の相違点で区別できる。

グループ昆虫クモガタ類
所属系統六脚類鋏角類
胴体のパーツ3部(頭部・胸部・腹部)2部(前体・後体)
胸部由来の3対6本前体由来の4対8本
口元の構造鋏角
触角ありなし

また、毒グモサソリといった毒虫や、病気を媒介する一部のダニ、果ては単に見慣れない姿など、様々な原因と誤解で恐怖の対象とされやすい動物でもある。様々な神話伝承フィクション創作の中でも、クモガタ類は禍々しい悪役とされがちである。


しかし実際、我々と関わらずに自由生活するダニの方が多数派であり、クモとサソリは自発的に人を襲わず、人の健康に影響を与えるほどの猛毒を持つ種も僅かでしかなく、ほとんどのクモガタ類は人間に無害である。


それどころか特にクモは人や人の育てる作物に対して害をなす昆虫を好んで食べるために益虫と呼ばれることも多い。見た目こそ巨体で怖がられるが、衛生害虫である室内のゴキブリ等を好んで襲い、食するアシダカグモは主にネット上でアシダカ軍曹と呼ばれて親しまれており、好まれているクモガタ類の代表格と言えよう。


分類

鋏角類の中では一般にウミグモカブトガニウミサソリより派生的であると考えられる。サソリクモウデムシサソリモドキ辺りの系統関係は遺伝子解析で解明されてきたが、それ以外のグループは遺伝子解析でもよく分からず、前述のグループたちとは別の祖先から上陸した可能性もある。


節足動物

┗┳━多足類ムカデヤスデなど)、甲殻類昆虫など

鋏角類

 ┗┳━ウミグモ

  ┗┳━カブトガニ

   ┣━ウミサソリ

 クモガタ類

   ┃?━他のクモガタ類

   ┗┳━サソリ

    ┣━ワレイタムシ

    ┗┳┳━クモ

     ┃┗━ウララネイダ類

     ┗┳━コスリイムシ

      ┗┳━ウデムシ

       ┗┳━サソリモドキ

        ┗━ヤイトムシ


クモガタ類は概ね次のグループ(目、ダニの場合は亜綱とも)に分かれている。


クモ

クモ

本群において最も広く知られる代表格。鋏角がに特化、後体にを出す器官がある。風評被害されがち。


サソリ

サソリ(ヨーロッパサソリ)

クモの次に有名なグループ。触肢はハサミで、後半の体節がのように細長く、先端の短い尾がフック状の毒針に特化。


ダニ

ササラダニ

丸っこい体の微小動物。あらゆる場所に生息し、捕食から草食や寄生まで非常に生態が多様。


ウデムシ

ウデムシ

腕のように張り出した鎌状の触肢を持つ。第1脚が触角のように長く伸びる。


サソリモドキ

サソリモドキ

爪3本の丈夫な触肢と、のような尾を持つ。身を守るためお尻から性液体を噴射する。


ヤイトムシ

サソリモドキを微小化したような姿の土壌生物。パワフルな後脚でジャンプする。


ザトウムシ

ざとうむし

多くの種類は豆のような体を細長い脚で支える。身を守るために自切した脚はしばらく動く。


ヒヨケムシ

センシティブな作品

くちばしのような巨大な鋏角を持つ。主に砂漠などに生息。こっちも風評被害されがち。


カニムシ

旅立つ

土壌や樹皮裏に住む微小動物。サソリから尾を取り除いたような姿。


クツコムシ

謎の多いグループ。全身が硬い外骨格に覆われ、口元が蓋のような構造に覆われる。現生種より化石の方が先に発見された。


コヨリムシ

謎の多いグループ。体は白くて半透明、紙縒(こより)のような尾を持つ微小動物。


ワレイタムシ

古生物。後体の甲羅が横で3パーツに分かれている。


コスリイムシ

古生物。脚先が数多くの節に分れている。


短腹類/ムカシザトウムシ

古生物。ザトウムシではない。魚雷状の体を持ち、真ん中の体節が圧迫されたように短い。


ウララネイダ類

古生物。断片的な化石のみ知られ全貌は不明。クモとよく似ているが出糸器官は不完全で、鞭のような尾を持つ。


関連タグ

節足動物 鋏角類

カブトガニ ウミサソリ ウミグモ

 益虫 害虫 毒虫 風評被害

昆虫:混同。

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