「ディオとかいうヤツ! このダイアーがおまえを地獄の淵に沈めてやる!」
概要
ジョジョの奇妙な冒険の第1部に登場するキャラクターにして、伝説的かませ犬。
名前の元ネタは、イギリスのロックバンド「ダイアー・ストレイツ」。
ウィル・A・ツェペリと同じく波紋使いトンペティに師事して波紋を体得し、ストレイツォともに援軍としてジョナサンのもとに駆け付けた波紋戦士。
稲妻十字空裂刃(サンダークロススプリットアタック)という長ったらしい名前の技と、「かかったなアホが!」のセリフで有名すぎるほど有名。
……以上。
名前がかなり先行して有名になったせいか、実は然程出番がないのは知られていない話。
原作では36〜38話とたった3話での退場であり、しかもその内の37話はジョナサンが初登場のポコの姉を殺そうとした怪人ドゥービーの手から間一髪で救い、深仙脈疾走の力を示すための噛ませ役にドゥービーが倒される展開に丸々使っているため、実質出番は2話のみである。テレビアニメ版での登場は7〜8話と跨いでいるが展開が早いのもあってやはり出番はわずかしかない。
…ついでに言うと劇中で彼をダイアーさんと呼んだのもジョナサンくらいである。
だが、それだけ彼の輝きぶりは素晴らしかったと言えよう。
そうしておこう。(汗)
ダイアーさんの伝説的なかませぶり
では、具体的にダイアーさんが何をやったかというと――
- タルカスとの戦闘後、風の騎士たちの街で市民に擬態した屍生人(ゾンビ)を一体倒したジョナサンの前に突然現れ、ジョナサンの実力を測るべく「稲妻空烈刃(サンダースプリットアタック)」を繰り出す(その際ツェペリからの手紙を飛びかかり様にジョナサンの右肩に挟んで寄越すというこれまた無駄にダイナミックな技を披露している)。
まあ、親友のツェペリさんが薫陶したジョナサンがどれほどの腕前か知る為に、敢えて彼を本気にしようしてそうしたのだろう。多分、きっと……。
- ディオと対峙するジョナサンの前に「奴への恨みならツェペリさんとは共に苦行を乗り越えた20年来の親友である自分が先にはらす権利がある」といきなり出て、影分身のような謎の動き(ディオ曰く「ねむっちまいそうなのろい動き」)をした後ツェペリの仇をとるべく「稲妻十字空裂刃(サンダークロススプリットアタック)」で襲いかかる(この時のセリフが「かかったなアホが!」である。ちなみに動きが遅いのは相手に蹴りをガードさせるため。理由は後述)
- それを「気化冷凍法」で破られ、首以外を粉砕されて戦闘不能(リタイア)
……以上。
このように決して華々しい戦績は残せていない。
今まで破られたことのない『自称』無敵の必殺技「稲妻十字空烈刃」を軽々と攻略され、呆気ない死を遂げるあたり、「魁!男塾」の雑魚キャラなどと大差ないと思うかもしれない。
だが、ダイアーさんは決してネタキャラとして犬死にしたわけではなかった。
彼は死に際に波紋を込めた薔薇をディオの左目に突き刺し、一矢報いたのである。
後述するように戦闘中に頭を真っ二つに斬られても再生できたディオの再生力をもってしても、その戦闘中は治癒できなかったため、かなりの手傷を負わせることに成功したといえるだろう。
そして、このダイアーさんの死に様は、のちにジョナサンがディオへ決定打を与えるためのヒントとして大いに役立つこととなる。
一方で、この薔薇の一撃はディオの左目を一時的に死角とし、それを利用してジョナサンはディオをブラフォードの剣で頭から唐竹割にする事が出来た。そして、それだけでなく、ダイアーさんが死に間際にやった「物体を通して波紋を送り込む」という策をジョナサンは剣を使ってディオの肉体に波紋を送ろうとする事で応用したのだ。
しかしディオの力はすさまじく、それを「剣を通して腕を凍らされる」という形で反撃を許してしまい、敗北寸前まで追い詰められる形になった。だがディオがジョナサンを殺さず屍生人にしようとしたことで反撃に成功。剣先を松明の火であぶり、熱伝導で冷凍法から逃れることに成功する。
それがヒントになって今度こそ気化冷凍法を破るに至った。ダイアーから得たヒントで一時窮地に陥ったジョナサンだが、これがなければ攻略法すら見い出せなかった可能性が高い。
虎は死して皮を残す、かませ犬とてボスキャラ攻略の力となり得るのだ。
そもそも大半のかませ犬キャラはボスの真の力を引き出せなかったり、ましてや攻略のヒントになることもなく登場して相手の強さを示すためだけにすぐやられて退場するだけに終わるという展開が多いので、敵の強大な能力を攻略するヒントや敵の死角を作るという形で勝利に貢献したという意味ではかませ犬というよりもDIO戦に対する花京院のような存在であると考える方が自然かもしれない。
また、一方でディオとの一騎打ちに入ったダイアーを師のトンペティも兄弟弟子のストレイツォもジョナサンのように止めようとも、或いは援護しようともしておらず、ストレイツォに至っては「稲妻十字空裂刃(サンダークロススプリットアタック)」がディオに決まろうとした時に「これを破った格闘者はいない」と述べている事などから二人から絶大な信頼を受けていたとも思われる。恐らく波紋使い最強戦士のランクにダイアーさんはいたと思われる。
うん。きっと、そうだよ……。
余談だが、読者からは「ジョナサンが気化冷凍法を教えていればダイアーさんは死なずに済んだんじゃアーないか」とよく言われる(ダイアーさんが戦う直前に「ディオにはあなたの知らない力がある」と止めてはいたが、そもそもダイア―さんとジョナサンが出会ってからディオと戦うまでにはそれなりの時間があったので、その間に教えることはできたと思われる)。
そう、ジョナサンが言っていたら最強の波紋戦士ダイアーさんは死なず、ディオを倒していたんだよ、きっと……。
またストレイツォが後に魔道に踏み入った原因に長年波紋の修行を収めた最強クラスの波紋戦士ダイアーが、つい最近まで一般人であった石仮面を被っただけのディオに手も足も出せないままに敗れた事も一因という考察もあるようである。
その華麗なる必殺技
いずれも原作では不発に終わっている。
稲妻空烈刃(サンダースプリットアタック)
ゆっくりした速度の飛び蹴りを放ち、相手が油断して受け止めようとした瞬間、おもむろに開脚して相手の腕を弾き飛ばし、無防備になったところに手刀を振りおろす必殺技。
相手の意表を突く奇抜な技のため、大抵は後ろに下がって逃れようとするという。だが正面からカウンターに弱いという弱点を見抜かれ、ジョナサンに冷静に処理されて撃沈した。
PS2ゲーム版『ファントムブラッド』では、覚醒技として使用が可能。開脚して相手の腕を封じた後、頭部に連続で手刀を打ち込み最後に稲妻十字空烈刃でトドメを刺す。
稲妻十字空烈刃(サンダークロススプリットアタック)
「稲妻空烈刃」の発展型であり、ダイアーさんの切り札。
基本は稲妻空烈刃と同じだが、腕を十字に組んで十字手刀を放つことで正面からのカウンターに対応可能となった、まさに無敵の必殺技!
……しかし、気化冷凍法を編み出したディオに冷静に処理さr(ry。
波紋使い達の最終目標は気化冷却法に頼らない柱の男達の打倒なので、腕を使って攻撃する事が多い彼らならトドメとまではいかなくても一矢を報いる事はできるかもしれない。
声優
堀之紀 (PS2版)
武虎 (TV版)
関連タグ
ウェカピポ:似たようなポジション・結末のキャラクター
花京院典明:ディオ=DIOの能力を破るためのヒントをジョジョに与えつつ死んだ仲間繋がり(彼の場合は攻略法というよりもDIOの能力がどんな能力なのかをはっきりと理解したという意味でのヒントだが)