概要
生誕:不明(1530年代半ばとする説が一般的。織田信長あたりと同世代くらい)
死没:1582年9月12日
井伊直盛の一人娘で、元の名は『次郎法師』(ただし、これには異説もある)。
直盛には息子がおらず、父の従兄弟である井伊直親と婚約して婿に迎え入れる予定だったが、直親の父:直満が謀反の疑いで殺され、直親自身も信濃に逃亡。
直親は成人後に帰参するが、この時彼は既に結婚していため、婚約は流れてしまった。
やがて桶狭間の戦いが発生して父直盛が戦死。後を継いだ直親も讒言によって殺されたため、次郎法師は直虎と名乗り、急遽井伊家の当主となる。
当主となった直虎は徳川に加担して実権の回復に成功するが、武田信玄率いる軍勢に対して敗れ、浜松に逃亡。
その後養子として育てていた直親の遺児:虎松(後の井伊直政)を徳川家康に出仕させ、井伊家の跡継ぎとし、自身は母と共にひっそりと余生を過ごしたという。
なお、直虎は形式上は井伊家の当主であったが、正確な代数には含まれない。
また、直虎の記録については不明瞭な点も多く、その生涯についてはよくわかっていない部分も多い。
性別の謎
近年の研究では、今川家家臣・関口氏経の息子が養子に入り家督を相続しており、直虎は次郎法師とは別人の男性であるという説が提示されたが、唯一の証拠とされる書物の信ぴょう性を疑問視する声があるためはっきりとした結論は出ていない。
ただし井伊家の菩提寺である龍潭寺に残る墓や文書記録等から、直盛に尼僧となった娘(祐圓尼)がいたのは事実であると考えられている。したがって本来の直虎の事績が後に祐圓尼によるものとして記録が改竄された、もしくは直虎が何らかの形で当主の座から退いた後一時的に当主の座を代行したのが後に混同されたとする説もある。
また、「屈強な男性たちが鎬を削り合う戦国の舞台に華麗に斬りこむ女性」というシチュエーションはやはり非常に創作意欲を刺激する物があるからなのか、現在でも直虎を女性として扱う傾向は根強い。
創作
『戦国無双』シリーズ
声優:斉藤佑圭
外伝作品『戦国無双chronicle 2nd』にて参戦が決定。
当初はシルエットだけだったが、ニンテンドーダイレクトでその姿が初公開された。
遠江の豪族・井伊家に生まれたが男兄弟がいなかったため、直虎という男名をつけられ当主にされる。
詳しくは井伊直虎(戦国無双)を参照。
『戦国大戦』
稼働当初のVer1.0からSR仕様で登場。
Ver1.2には「戦国数奇」としてSS井伊直虎が追加された。
さらに、Ver2.1でSR仕様で追加された3枚目の井伊直虎が存在する。
Ver1.0のSR仕様解説
絵師:masaki
声優:古川小百合
今川家の武将として参戦。
通り名は『女地頭』。
今川家特有のフェイスペイントは、目の周りの隈取り。
カードテキストや、計略使用時の「男には負けん!」という台詞から男勝りな性格が垣間見られる。
スペックはコスト1.5 武力4/統率7の騎馬隊で、特技は「魅力」。
今川家のお家芸「精鋭」計略抜きでも十分戦えるスペックをもち、統率に関しては今川家の騎馬隊中2位に位置する。(1位はEX仕様の太原雪斎)
持ち計略「不屈の采配」は、発動時に範囲内に居る「今川家の武将」を対象とした、「武力を底上げし、兵力を2割ほど回復する効果」を付与する。
なお、範囲は直虎を中心にしているため、自身にも効果が及ぶ。
「軟弱な男に、用はないぞ!」
SS仕様解説
2012年2月23日のアップデートで追加された仕様で、モデルはSS仕様の綾姫と出自が同じ「げんしけん」の大野加奈子。
二つ名は「仮装女当主」。
声優:土谷麻貴
スペックはSR仕様と同様の、コスト1.5 武力4/統率7の騎馬隊で、特技は「魅力」。
SR仕様のものと全く同じ能力だが、持ち計略が非常にユニークになった。
その持ち計略「変身の宴」(読みは「コスプレパーティー」)は、範囲内の最も武力の低い敵を参照して、「自分を含む、範囲内の味方」に、「参照した敵の武力・統率・移動速度」を等しくするという効果。
要約するとコピー効果で、対象に取った敵武将のコスプレをしようというもので、ある意味原作再現ともいえる。
また、こちらの直虎の勝利台詞『衆道が嫌いな女子なんかいません!』は、原作の名(迷)言「ホモが嫌いな女子なんていません!!!!」のパロディである。
「自分が着て楽しむのが一番です!」
Ver2.1のSR仕様解説
絵師:碧風羽
声優:斎藤千和
3枚目となる井伊直虎。
二つ名は「女当主次郎法師」。
コスト2 武力6/統率8の槍兵で、特技は「魅力」。
前の2枚とは違い、総合的にスペックが上昇し前衛として活躍できるようになった。胸は小さくなった。
一見、コスト2としては微妙なスペックに見られがちだが、強みは持ち計略の「精鋭の采配」。
端的に言うと「武力上昇値が控えめだが長時間持続する全体強化」という内容になっている。
同士気帯の全体強化に及ばない武力上昇値になっているため、「長時間持続する」という点を活かし、別な計略で後押しする戦い方が基本。
後押し計略として優秀なVer1.0の自分を採用できないのが惜しい。
上手く運用していくには、局面をしっかり把握なければならず、デッキ構成も含めプレイヤーの腕が問われる1枚に仕上がっている。
「男なら、四の五の言わず戦うんだよ!!」
余談だが、戦国大戦において井伊直虎と同じ勢力であるお田鶴の方とは、井伊直虎の曾祖父である井伊直平を毒茶を呑ませ殺害した関係だが、戦場で轡を並べることもしばしば。
『英傑大戦』
「井伊家の命運が掛かっている。この戦、絶対に負けられない!」
絵師:ひと和
声優:前川涼子
「廻天の五芒星」より今川家や井伊家の所属する紫勢力の武将として参戦。
レアリティは英傑大戦最高のER、通り名は後述大河ドラマを意識したのか『女城主』。
スペックは、コスト2 武力7/知力7の槍足軽で、特技は「昂揚」と戦国大戦Ver2.1に近い。
固有計略『女城主の采配』は紫勢力の味方部隊の武力と兵力を上げるもので戦国大戦Ver1.0の不屈の采配と使い勝手が近い。
武力上昇より兵力回復に重きが置かれた計略のため、別の計略と合わせる事で継戦能力を大幅に上げる事が出来る。
養子・直政と同じく「井伊の赤鬼」と恐れられた後世の井伊家当主、井伊直弼が対戦相手の編成内にいる場合開幕時の台詞が特殊なものに変化する。
英傑大戦の直弼は人というより鬼そのものな風貌をしており・・・
「何だお前は!?本当に井伊の子孫なのか!?」
『戦国BASARA』シリーズ
『戦国BASARA4』からプレイヤーキャラとして初登場。
詳しくは井伊直虎(戦国BASARA)を参照。
大河ドラマ『おんな城主 直虎』
2017年度の大河ドラマである同作にて、初めて主役に抜擢される。
幼少期は、やんちゃながらも、幼いなりに家の存続のために奮闘しようとする健気な性格の少女として描写されていた。その一方で、後先のことを考えずに行動してしまうアホの子な部分があり(こうした傾向は成人後にも大なり小なり見られる)、出家を決断してそれを今川義元に認めさせたまでは良かったが、出家すると結婚ができなくなることを知って愕然としたリ(還俗して僧としての身分を捨てればまた結婚できるようになるのだが、そのこともまったく知らなかった)、修行僧としての厳しい生活に耐えられずに一度は寺から逃げ出してしまったりもしている。
成人後、史実通り井伊家の男子が相次いで亡くなったことで、女性でありながら“直虎”の名を得て当主となり、井伊家の立て直しに向けて動き出す。
政治経験が乏しかったこと、持ち前の衝動的に行動してしまいがちな性格などから、後先考えずに無茶な決断を下すことが多く、それ故墓穴を掘って家臣や領民から反発を買ってしまうことも多いが、領民や領地を思う気持ちは誰よりも強く、そんな彼女の思いが徐々に周囲の家臣や領民を動かしてゆく(盗賊である龍雲丸からは「周りの人々を巻き込んでいく不思議な魅力がある」と評された)。
彼女自身も、数々の失敗に加えて、古代の中国の思想家や政治家たちの書物を読むなどして徐々に政治家としてのスキルを磨いていき、やがては領主である今川家からもその動向を注視される存在にまでなった。
ちなみに、第4話のクライマックスまでは子役の新井美羽が幼少期の直虎(おとわ)を演じているのだが、その可愛らしい容姿と、主演の柴咲コウに引けを取らない熱演ぶりが大きな話題を呼んだ(柴咲もとあるインタビューで新井の演技力の高さを絶賛していた)。
新井自身も、以前から子役として様々なドラマに出演していたのだが、本作で一躍その知名度を上げることとなった。
なお、新井は本作の重要なモチーフである「竜宮小僧」として、第14回に後ろ姿のみの見切れる形で再登場している。