「少しでも多くの善人が平等を享受できる様に 俺は不平等に人を助ける」
概要
呪術高専東京校の1年生。2級呪術師として入学した天才で、現状1年の中で唯一単独での任務が許可されている。
呪術界御三家・禪院家の血を引いており、本家本流の子女達には発現していない禪院家相伝の術式を受け継いでいる事から、才能ある呪術師として将来を見込まれている。
特級呪物「両面宿儺の指」の回収の為に、呪術高専教師・五条悟の指示で宮城県仙台市にある杉沢第三高校に潜入した際に、その調査の過程で虎杖悠仁と出会う。
プロフィール
年齢 | 15歳 |
---|---|
誕生日 | 12月22日 |
身長 | 175cmくらい(成長中) |
体重 | 60kg(ナレーションによる仮定) |
所属 | 東京都立呪術専門高等学校1年 |
高専入学方法 | 家系 |
等級 | 2級呪術師 |
出身地 | 埼玉県 |
趣味 | 実話系の本を読むこと |
好きな食べ物 | 生姜に合うもの |
嫌いな食べ物 | パプリカ(甘いおかず全般) |
ストレス | 人間(9割) |
イメージソング |
|
CV | 内田雄馬/藤原夏海(幼少期) |
演(舞台) | 泰江和明 |
生得術式 | 十種影法術 |
領域展開 | 嵌合暗翳庭 |
人物
無愛想な表情をしたツンツン頭の少年。ウニ頭などとも言われている。原作では特に容姿についての言及はないが、アニメ版ではまつ毛が長く、顔のアップになると男だが美人顔に見えると監督から言われている。
基本的に冷静かつ生真面目なタイプで、他人には素っ気なく見える態度を示す事が多い。
しかし、カバー裏のおまけコーナーや公式ノベライズでは、虎杖や釘崎野薔薇のカラオケや買い物に文句を言いながらも何だかんだで同行する事が多く、意外と付き合いは良いのかもしれない。
中学生時代は荒れていて、地元周辺の不良・半グレを全てボコった伝説を持っており、地元では有名人で長年勤めている用務員からも「そうそういないレベルの不良だった」と言われて記憶されていた。
女性の好みのタイプを東堂葵に訊かれた際には「揺るがない人間性があれば、それ以上に何も求めません」と回答しており、釘崎と禪院真依には好印象を与えていた(なお、東堂には悪印象を与えたらしく、半殺しにされている)。ちなみにこの時に姉の伏黒津美紀を連想していた。
父親である伏黒甚爾は禪院家を出奔して恵を作ったが、恵の実母が死去すると津美紀の母親と付き合った後に蒸発した。当時小学校に上がったばかりの恵は、甚爾の資金源として多額の金銭と引き換えに、才能ある呪術師を求める禪院家に売られる筈だったが、五条の介入によってその計画は阻止され、恵が将来呪術師として働く事を担保に高専からの金銭援助を通した。
恵本人は中学時代当時は、己が将来呪術師となる既定路線に反発していたのだが、津美紀が呪いに倒れた事で「幸せになるべき善人が報われない事」に疑問を抱き、呪術師となって少しでも多くの善人が平等に幸せを享受できる世界を作る事を決意する。
以後、己が幸せとなって欲しいと思う「善人」をできるだけ救う為に動いており、現状では本人の中では津美紀と虎杖がその最たる存在となっている様で、この2人を救う事への執着は強い。
その一方で、逆に「悪人」だと思った相手に対しては救おうという意思自体が希薄である(本人曰く「俺は不平等に人を助ける」)。また、自分が救いたいと思った者を救う為であれば殺人も一切厭わず、敵対者に対する容赦は一切ない。この辺りは乙骨憂太にも通じるところがあり、非常に呪術師向きのイカれた性格であると言える。さらに意外に短気でキレた時やハイになった時はかなり好戦的な性格になり、この時の恵はファンからは「ヒャハ黒」と呼ばれている。
対人関係
最初に出会った際に己の窮地を救ってくれた事や、その際の彼の言動などから、彼が処刑対象となった際には「死なせたくありません」「私情です、なんとかしてください」と五条に助命を嘆願しており、姉の津美紀と並んで「幸せになって欲しい善人」としてかなり肩入れをしている。
その後、同級生となった虎杖・釘崎が何かと己を娯楽に巻き込んでくる事を煙たがっているものの、内心はそれほど悪く思ってはいない様子で、何だかんだで3人で纏まって行動する事が多い。
呪術高専東京校1年の担任教師。彼との付き合いは高専時代以前からのものであり、エキセントリックで無神経な言動や行動に長年振り回されている事もあって、腸が煮えくり返る事も多いが、半ばその状況を諦めているところがある。さらに虎杖と五条の両方を相手取る事が増えてよりストレスも増えた。
しかし、幼い頃から自分達を援助してくれた存在であり、また呪術の手ほどきを時折受けたり、いざという時は頼れる師匠のような存在でもある事から「一応、恩人です」としている。
呪術高専東京校2年の先輩で「唯一手放しで尊敬できる相手」との事。
前述通り、呪術師としての本質的な考え方やスタンスが近く、そういったところも尊敬に繋がっていると思われる。
彼の親戚筋に当たり、入学以前からの顔なじみで先輩。
特に真希は伏黒に武具の扱いなどを仕込んだ人物で、伏黒にとっては第2の師匠にも当たる。当初は“禪院先輩”と呼んでいたが、真希からは苗字で呼ばれる事を嫌がられたので後に“真希さん”と呼ぶようになる。
実の父親だが、小1の時に彼が津美紀の母親と蒸発して以来会っておらず「顔も覚えていない」との事であり、「どこかでのうのうと生きている」と思っている様だが特に関心はないらしい。
なお、2人の外見は髪質を除けば瓜二つであり、五条からもそっくりと評されている。
渋谷事変の中、極めてイレギュラーな形で再会したが、今の所それが父だったとは気付いていない。
少年院で戦闘して以降、何故かその術式と潜在能力を気に入られ、宿儺の「唯一の興味対象」と言われるまでになっているが、本人はその事を全く知らない。後に、単純な好奇ではなく宿儺は明確に彼(より正確には彼の影の術式)を使って何かを企んでいる事が明らかとなり、その事を知った虎杖から初めて宿儺が自身で何かを企んでる事を知らされたが、本人は現状では気にしていない。
能力
禪院家相伝の術式「十種影法術」の使い手。
戦闘では自分の影を媒体とした式神を使うのだが、呪術師本人である伏黒本人の身体能力もそこそこ高く、式神との連携を取りながら近接戦でも相手を追い詰めていく戦闘方法をとる。
後に真希から呪具の扱いを仕込まれて以降は、片手剣タイプの呪具を使用するようになる。さらに本人は扱い難いと言いながらも、即興で三節棍の游雲を使うなどかなり器用である。
術式の応用性や潜在能力もあり、宿儺からも高く評価されている一方、彼からは「宝の持ち腐れ」とも評されている。
五条には下記する「奥の手」を出して最悪自分が死ねば全て解決出来ると思っているから、本気の出し方を分かっていないと指摘されている。
しかし、高専1年で既にオリジナルの拡張術式の開発や、影への収納等の術式の発想の拡大を行ったセンスと才能は凄まじく、五条からは「ポテンシャルは悠仁にも引けを取らない」とも評されている。実際に、その後に上記の五条の指摘もあって不完全ながら領域展開を取得した。
ちなみに作中に見える範囲で登場する禪院家の呪術師は「十種影法術」を使える者は登場してない。
術式
十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)
禪院家相伝の術式の一つ。影を媒介とした十種の式神を召喚する術式で、手で影絵を作ってその影を実体化させる形で対応した式神を呼び出す。式神は最大で一度に二種顕現させられる。
通常の式神より強力で、完全に破壊されるとその式神は二度と顕現できないが、破壊された式神の遺した術式と力は他の式神に引き継がれる。他にも拡張術式によって二種類の式神を合体させる事も可能。
最初に術者が使えるのは2匹の玉犬のみで、そこから他の式神を調伏の儀によって召喚し、手持ちの式神を使って倒して手懐ける事で、最終的に10種の式神を操れるようになる。
影を呪力の媒介にする特性を利用して、術式の発想を拡大する事で自身の影に呪具を格納させる、影を落とし穴のように扱う、他者の影の中に自由自在に侵入するなど応用の幅も広い。
ただし、現実の物品を格納する場合はその物品の重量分だけ自身の身体が重くなる為、あまり重い物体を出し入れしたり、多数の物体を同時に収納して持ち運ぶのには向いていない。
調伏の儀
この調伏の儀の終了条件は「儀式参加者が全滅するか、参加者によって式神が倒される事」。
儀式参加者は儀式中にどんな傷を負っても死亡せず、仮死状態という形で戦闘不能となる。これは術者が死亡して、途中で儀式が中断する形で終了してしまうのを防ぐ為と思われる。
そして儀式中に仮死状態になった者は、終了条件のどちらかが達成された時点で死亡する。
しかし、術者以外の者を巻き込んで儀式を行った場合、式神を倒しても調伏成功とはならず、手懐ける事はできない。また、儀式参加者以外の者が乱入して式神を倒した場合は「参加者によって倒される」という条件も「式神が参加者を全滅させる」という条件も満たせないので「そもそも儀式自体が行われなかった」事になる。
その為に、仮死状態に陥っていた参加者が第三者の介入によって儀式がキャンセルされる前に回復した場合は、儀式自体が無かった事になるので式神が倒された後でも死ぬ事はない。
式神
- 玉犬・白(ぎょくけん しろ)
真っ白な犬の式神。両手で犬(狼)の影絵を作る事で呼び出せる。
額には道返玉(ちかへしのたま)の紋様がある。
犬らしく嗅覚による呪力の探知能力があり、戦闘にも特化している。
虎杖と釘崎に愛でられたが、少年院での特級呪霊との戦闘で破壊された。
- 玉犬・黒(ぎょくけん くろ)
真っ黒な犬の式神。こちらも両手で犬(狼)の影絵を作る事で呼び出せる。
額には足玉(たるたま)の紋様がある。
上の「白」と同じく嗅覚による呪力の探知機能があり、戦闘にも特化している。
玉犬の影絵は白黒同じな為に、二種は同時に呼び出す事もできる。
- 玉犬・渾(ぎょくけん こん)
体の一部が白い巨大な黒犬の式神。こちらも両手で犬(狼)の影絵を作る事で呼び出せる。
破壊された「白」の術式と力を「黒」に引き継ぐ事で生まれた式神であり、額には二種を合わせた紋様がある。
外見は目と牙を剥いた凶暴な顔つきの犬で、背中の毛が荒々しく逆立っている。
二足歩行と四足歩行を使い分けており、後足で立ち上がって前足の爪で攻撃する様は犬というより狼男に近い。
特級呪霊の中でも特に高い耐久力を誇る花御にも傷をつける程の攻撃力と、伏黒を抱えた状態でも高速で動き回れる程のパワーと高い機動力を誇る。伏黒が持つ式神の中でも特に攻撃力・機動力に優れていている為、伏黒は作中でも玉犬・渾を主力として最も積極的に使っている。
- 鵺(ぬえ)
骸骨の目を模したような仮面を付けた大きな怪鳥の式神。両手を交差して親指を重ねた鳥の影絵で呼び出せる。
頭部の仮面の下に大蛇と同じく生玉(いくた)の紋様がある模様。
飛行能力に加え、呪力が電気の性質を持っており、それを利用した体当たりで相手を攻撃する。対象との狭い間に顕現させることで防壁にすることも可能。
- 大蛇(オロチ)
大きな蛇の式神。片手で作れる蛇の影絵で呼び出す事ができる。
頭部に生玉(いくた)の紋様がある。
巨体に見合わず、片手のみの影絵で一瞬で出現する事から奇襲攻撃に向く。
戦闘以外の用途は不明。少年院での宿儺との戦闘により破壊された。
- 蝦蟇(がま)
大きなカエルの式神。両手でカエルの頭の影絵を作る事で呼び出せる。
腹部に沖津鏡(おきつかがみ)の紋様がある。
長い舌は攻撃、遠くの仲間の救助、敵の拘束、伏黒の移動の補助など様々な用途に用いられる。
ただし、下記の不知井底のせいで作中での出番は少ない(それでも大蛇よりはマシだが)。
- 不知井底(せいていしらず)
鵺と蝦蟇を合体させた拡張術式による式神。鵺と蝦蟇の影絵を連続して作る事で呼び出せる。
見た目は羽の生えたカエルで、元の蝦蟇よりかなり小柄。主に敵の撹乱や援護などに使われるが、単体の鵺と蝦蟇より戦闘力は低い。
一方で、同時に複数体を呼び出す事が可能で、加えて破壊されても再顕現できるという強みがあり、その為に伏黒は蝦蟇よりもこちらを積極的に使っている。
ただし、蝦蟇か鵺のどちらかが破壊されると出せなくなる。
- 満象(ばんしょう)
仔象程度の大きさの象の式神。両手で象の影絵を作る事で呼び出せる。
額に辺津鏡(へつかがみ)の紋様がある。
鼻から大量の水を出して敵を押し流すなどの広範囲攻撃ができる他、単純にその巨体を利用して相手を押し潰す事も可能。ただし、他の式神より呪力の消費が激しいという欠点がある。
初登場となる姉妹校交流戦時は、調伏したばかりで上記の欠点がさらに激しかった為に、単体でしか顕現できなかった。渋谷事変後は他の式神との併用も可能になっているが、消耗が激しいという欠点はそのままで長期戦には不利となっている他、機動力のある相手とも相性が悪い。
- 脱兎(だっと)
白い兎の式神。両手で兎の影絵を作る事で呼び出せる。
大量の兎の中に1体だけ腹部に品々物之比礼(くさぐさのもののひれ)の紋様を持つ個体がおり、この個体が破壊されると全ての兎が破壊される。
攻撃力は高くないが、一度に大量に呼び出す事ができ、その物量で敵の陽動や撹乱を行う。
他の式神と比べ破壊されるリスクが低いという強みがあるので、伏黒も積極的に使っている。
- 八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎ いかいしんしょう まこら)
歴代十種影法術師の中で、誰一人調伏できた者はいない最強の式神。伏黒の「奥の手」。両手を前に出し、布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)と唱えることで呼び出すことができる。
式神自体の詳細は該当記事を参照。
領域展開
嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)
伏黒が起首雷同編で習得。掌印は、大乗仏教における如来の一尊で、夜叉の武将集団「十二神将」を従える薬師如来の印。
巨大な腰椎が浮かぶ液状化した影で埋め尽くされた領域を展開する。
影から次々と無尽蔵に式神を召喚して対象を攻撃する。
また、伏黒が自身の術式について解釈を広げた結果、影で自身の分身を作り出したり、影の中を自在に移動して相手の影の中から不意打ちをするなど、さらに応用が利くようになった。
初使用時は現実空間に疑似空間を重ねる感覚が掴めず、沼のように液状化した巨大な影が地面に広がっているだけの相手を閉じ込める事ができない不完全な領域だった。
その後は、レジィとの戦いで「体育館というある程度の広さがある閉鎖空間をそのまま領域の外壁として転用する」という方法で領域を閉じる事に成功した。ただし、現時点では未完成の為に必中効果は付与出来ておらず、術式を拡張し潜在能力を引き出すだけのものになっている。
領域内は、上下左右360度全ての『影の壁』から式神召喚ができるようになっている上に、領域内では術式精度が向上して顕現した式神の質量がリアルに再現される。
さらに領域内の影は底なし沼のように常時物体を飲み込む性質を持っており、呪力で足場を作らなければ影に引きずり込まれてしまう。影の中は酸素も浮力も抗力もなく、引きずり込まれれば自力で浮かび上がるのはほぼ不可能である。
一方で、前述した影の中にある物の重量を自分が引き受けるという性質はそのままなので、それを逆手に取られ大質量の物体を影に飲み込まされると、自重で潰されてしまう危険がある。
余談
- 名字のフシグロはイタドリと同じナデシコ科の植物である。
- 初期段階では虎杖とのW主人公の構想もあった。実際の本編は見ての通り虎杖単独の主人公だが、本編での主人公並みの出番の多さやその活躍ぶりなど、所々にその名残が見える。
- 作者の芥見下々は、伏黒に一億の資金洗浄を一月で終わらせたという謎設定を盛ろうとして結局やめた。自分より頭の良いキャラを描く事ができないので本当にやめてよかったとのこと。
- 作者の連載デビュー前の読み切り作品「No.9」において、同じ名前のヒロインが登場する(但し、こちらは愛と書いてめぐみと読む)この作品の主人公が宿儺の術式と同名の技を使用していたり、後のプロトタイプと思われるものが登場している。
- 同時期に「週刊少年ジャンプ」で連載していた『チェンソーマン』の登場人物である早川アキとは、作中の立ち位置や技が似ている為によく比較されるが、実は伏黒の玉犬「渾(こん)」の初披露回と早川アキの狐の悪魔「コン」の初登場回が同じ号で被るというミラクルも起きており、作者の芥見氏自身もファンブックでその事について触れている(芥見氏自身はアキのコンの方が格好良いとコメントしているが)。
- 2021年の呪術廻戦第2回キャラクター人気投票では1位になった。
- 誕生日になぜかMicrosoftの公式アカウントに祝われた。