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概要

 『金田一少年の事件簿』File:6。単行本では6~7巻に収録。

 長野県軽井沢を舞台に、映画『13日の金曜日』を思わせる殺人鬼ジェイソンの戦慄の殺人劇を描いた物語。Fileシリーズの中でも指折りの凄惨な描写が目立つ。

 リゾート会員権の投資など、掲載された1990年代前半期の世相を反映した舞台設定となっている。また、ネット社会となった現在では一発でばれるトリックが仕込まれていることも有名。

 後に準レギュラーキャラとなるいつき陽介の初登場エピソードでもある。


 原作では秋口が舞台となっているが、アニメでは4月から5月に放送されたことにあわせ、春の話になっている。ドラマ版では「悲恋湖殺人事件」のタイトルで第1シーズンの第2話として放送。


 小説版第2巻『幽霊客船殺人事件』において、この『悲恋湖伝説殺人事件』の犯人が凶行に及ぶきっかけとなった「ある悲劇」の真相が語られている。その悲劇の当人も、本作の事件の「法則」に該当している。


あらすじ

 美雪から悲恋湖バスツアーに呼ばれた一は、童貞卒業という野望を秘め、フケることになった本来の招待客・橘川茂の名を騙り美雪のペアとしてこれに参加。しかしすぐに主催者の観月観光にバレてしまい、特例ということで悲恋湖に足を踏み入れる。

 女子高生に逆ナンされたり、腹黒いブン屋に嗅ぎ廻られたり、美雪が前生徒会長・遠野と親しくしたりと一はてんてこ舞いするもそれなりにツアーを満喫していたが、その夜突如として和やかな雰囲気は一変する。夜のラジオ放送で、死刑囚・刀丸猛人_通称「殺人鬼ジェイソン」_が近隣の刑務所から脱走したという一報が流されたのだ。

 そして翌朝、一同の不安は的中した。朝食会場のすぐ近くの樹上より、ジェイソンに襲われ顔を潰された遺体が落下・発見されたのである…。


登場人物

観月観光


招待客

  • 橘川茂(CV:蓮透):22歳、大学生。たまたま追試と重なりツアーをフケることになったため、従妹である美雪にチケットを渡した。その理由は善意からではなくある目的があったため、彼の名前を騙って一が旅行に参加、美雪が同行という形となる。なお、ドラマ版では不動高校の生徒という設定になり、美雪との血縁関係も無くなっている。
  • いつき陽介(CV:平田広明):フリーのルポライター。ヘビースモーカーで露悪的な所がある。好奇心がやたら強い。ロリコン疑惑がある。
  • 香山三郎(CV:松尾銀三):不動産会社の社長。白髪のおっさん。スケベ。
  • 香山聖子(CV:折笠愛):三郎の妻でだいぶ年下。少しケバい。夫の好色振りにイヤケが差しているらしい。
  • 河西さゆり(CV:熊谷ニーナ):17歳。関西弁で福耳の女の子。一が気に入っている。ドラマでは登場せず。
  • 倉田壮一(CV:沖田蒼樹):20歳の大学生。軽薄。ドラマでは登場せず。
  • 甲田征作(CV:梁田清之):医者。過去に犯した罪を償うため、無医村で治療活動に専念している紳士。
  • 小林星二(CV:島田敏):怪しい画家。もともとは画伯として知られていたが、ある時を境に死体しか描けなくなった。手先が器用。

悲恋湖伝説

 この地にに伝わる古い伝説。

 かつて近くの村に愛し合うもある理由から決して結ばれなかった男女がいた。思い詰めた2人は来世の約束をかわして身を投げ、散って行ったとされる。

 それ以来湖は、2人が身を投げたその時刻に、2人の気持ちを思いやってまるで焼けるように赤く輝くという。その伝説から悲恋湖と呼ばれるようになった。


怪人「ジェイソン

 かつて銀幕を賑わせた怪物…ではなく、その姿に魅入られた哀れな男。

 本名は刀丸猛人といい、極度の対人恐怖症だったため学校にも行けず就職も出来ず、家に引きこもっては映画を一日中見ている内気な男だった。映画の中の俳優たちに憧れるあまり整形を繰り返していたが、過剰な整形により顔は崩れ、いつしか自らを映画の中の怪物と思い込むようになり、ジェイソンに扮し一夜で13人を殺し警察に捕まった。

 勿論情状酌量の余地は一切なく裁判で死刑が確定したのだが、ニュースで脱走したとの報が入る。

 凶器はで、自らの醜い顔へのコンプレックスなのか、相手の顔を執拗に攻撃し完全に潰さないと気が済まない残虐無比な怪人(ドラマやアニメでは流石にそこまでひどくはない)。


ドラマ版

 映画マニアではなく孤独な男性。恋人や友人を作れない原因は「自分の顔のせいだ」と思い込み、自分の顔にガソリンをかけて火を着けるという自殺未遂を起こした。

 一命は取り留めるも、醜く焼けただれた顔になってしまった彼は完全に発狂。薪割り用の斧を手に取るや村にいた人間を襲撃。醜くなった顔をホッケーマスクで隠し、怒りや絶望の雄叫びをあげて顔をズタズタにする狂気性から、ホラー映画の怪物「ジェイソン」の異名で恐れられた。


余談

  1. 犯人、トリック当てが難易度A(話が進むと、犯人の殺人の動機まで推察できる)のため、別の事件(『幽霊客船』、『黒死蝶殺人事件』)では思いっきり犯人がバラされている、というか知ってることを前提に話が進む事実上の後日談。
  2. 謎解き自体よりもロマンス描写、グロテスクな世界観に力が入っている。特に七瀬美雪のヤキモチ描写は秀逸。
  3. 事件が終わるまで美雪がある重要人物に瓜二つという事実が判明しない為、事件が終わってから遠野と甲田が美雪にする行動の仕組みが分かるようになっている(遠野はアニメ版では最初から行動要因が分かる)。ちなみに、昔の恋人や救えなかった人物に瓜二つの人物が出てきて、トラウマがフラッシュバックするという設定は恋愛ものホラーの王道。
  4. アニメ版では、犯人・被害者候補の顔パネルの大きさがバラバラという珍しい設定(犯人当てよりも各メンバー紹介に力が入っている)。
  5. 話の中に出る慣用句「木の葉を隠すなら森の中」が様々な意味で使われている(『黒死蝶』では木の葉が重要なアイテムとなった)。
  6. いつき陽介のロマンスが描かれる『天草財宝伝説殺人事件』で、本作でいつきが活躍するシーンのリスペクトが使われた(遠野がカラスが集まる木を蹴るのを手伝うシーン)。

関連項目

金田一少年の事件簿 金田一少年の事件簿外伝犯人たちの事件簿

悲恋 心中

niceboat. 37564 いや、そのりくつはおかしい

13日の金曜日


秘宝島殺人事件 → 悲恋湖伝説殺人事件 → 異人館ホテル殺人事件

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