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月面ツアーへようこそ

げつめんつあーへようこそ

「月面ツアーへようこそ」とは、上海アリス幻樂団による音楽CDシリーズである「ZUN's_Music_Collection」の第五弾「大空魔術_~_Magical_Astronomy」に収録された楽曲である。
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概要

上海アリス幻樂団による「 音樂CD 」のシリーズである「ZUN's Music Collection」第五弾「大空魔術 ~ Magical Astronomy」に収録された楽曲。

同CDの最初に収録された本作オリジナル曲で、ブックレットで語られる物語ともリンクする楽曲である。

楽曲、作中のストーリーに登場するもののいずれもZUNによるものである。


楽曲

併記された英語タイトルは「Welcome to Lunatic City.」。

タイトルにピリオドが入るタイプのものである。

規則正しく刻まれる静かなリズムに始まり、フレーズを追うごとに展開が広がっていく曲で、リピートを抜けた最終フレーズではさらなる展開が待っている。


「大空魔術」は本曲に始まり「向こう側の月」で終わる作品であり、CDとしてのタイトルにも天文学を意味する「 Astronomy 」が含まれるなど、宇宙という無限の広がりに心を寄せる事が出来る作品となっている。

同時に、秘封倶楽部の二人を通して語られる「宇宙」ということはそれは時に「 Magical 」な世界にも臨むということであり、本作では「」への道筋を通して「 Lunatic City 」を垣間見る体験ともつながるのである。


「月面ツアー」

本作における「 月面ツアー 」とは、宇佐見蓮子マエリベリー・ハーンメリー)の二人の住まう世界で「 一般人 」にも解禁される予定の、月への旅行ツアーを語るものとしてはじまる。

この月面ツアー解禁の報は号外が「 私鉄の駅前 」でも配られていたようで、人々はこの報に関心を抱いていた様子である。特に号外に掲載された「 宇宙の写真 」に、それぞれの想いから惹かれていたようである。


蓮子とメリーのの住まう世界では「 あらゆる情報 」が手に入るようになったが、宇宙は未だ未知の世界であり、そこには「 永遠のロマン 」があった。

本作に続く「鳥船遺跡」では人間が実際に宇宙へと手を伸ばし、そこからテラフォーミングという形も兼ねて地球へと触れようとした姿やさらに続く「伊弉諾物質」ではそれとは対照的に人間が地上で互いと自然とを人間の理解の範疇で管理する世界が語られるなどしているが、宇宙の広大さに人はその心を「 癒される 」という素朴な心の姿は変わっていない。


「大空魔術」で語られた物語において、蓮子とメリーの二人もまた、新たに開かれた「 月旅行 」の情報に触れ、「 大学構内のカフェテラス 」でその話に華を咲かせるのである。


蓮子もメリーも月へのロマンに心を躍らせ、月旅行のプランにも想像を寄せるが、しかし実際の「 月面ツアー 」には二人の前に立ちふさがる大きな障害があったのである。


「衛星カフェテラス」

具体的な場所や様子は語られていないものの、蓮子とメリーの住まう世界には宇宙旅行者に向けた「 カフェ 」が設置された人工衛星もあり、ここでは地上とは異なる、宇宙空間ならではの方法で抽出されたコーヒーが売りとなっているようである(「大空魔術」、衛星カフェテラス、G Free)。この抽出方法にはかつて廃れたというサイフォン式の抽出方法が現地の環境に対応した改良を加えられた上で使用されている。


人は無重力という新しい環境を得てそこに対応した「 新しい文化 」を生み出し始めているが、それは同時にこれまでの人間の歩みが地球という1G下環境をいかに前提としていたかを痛感する事ともなったようである。


「大空魔術」では月面ツアーを皮切りに物理学やサイフォン式ドリップコーヒーなどの多面的な要素を通じて地上での人々の歩みと天空高い永遠のロマンが交錯して語られてゆく。


月面の結界


だからこそ、メリーの眼が羨ましいのよ。

  不思議な世界がいっぱい見えて。

  ついでに言うと月面の結界の切れ目も見て貰いたかったわ。」(蓮子、「大空魔術」、大空魔術※)


「月旅行」に想いを馳せた二人であったが、二人は普段は秘封倶楽部として地上の「 張り巡らされた結界を暴くサークル 」(「蓮台野夜行」、魔術師メリー)として活動している。結界の「向こう側」には異なる世界があり、二人はその向こう側へと様々に臨もうとしているのである。


そして「結界」は地上だけのものではなく「 ただの境界だから当然月面にも存在する 」(「大空魔術」、大空魔術※)。蓮子とメリーの住まう世界の月には「 煌びやかな月の都 」が存在するのである。しかしその月の都は「 月面の結界 」に隔てられており、蓮子とメリーが普段見る事が出来る「月」は、「 荒涼とした無生物の星 」である。


蓮子とメリーの二人は「月面ツアー」に触れたことで月への想いを高め、その想像は結界の向こう側にあるであろう「 忘れられた世界 」としての月の都へと至る。

二人の前に立ちふさがる現実的な問題にも頭を悩ませるながらも、しかしその困窮が二人ならではのもう一つの「月面ツアー」へと想いを結ぶことともなるのである。


※本作に収録されたCDタイトルと同名の楽曲としての「大空魔術」


「Lunatic City」

本曲に重ねられた英字タイトルには先述のように「 Lunatic 」の語がある。

Lunatic 」は主に「狂気の」といった意味の語であり、名詞・形容詞的用法のいずれにおいても「狂気」(狂人・変人 / 狂気じみた)の意味として用いられる。

英語圏に至る文化において、かつて人は月に当てられると狂気に陥るとされ、そのことから月は狂気の象徴とされた。

月に影響される(「 Lunatic 」の語源)ことは、人間にとって狂気に至る道筋なのである。


作中においても蓮子の言葉の中には先述の様な「 煌びやかな月の都 」と並んで「 狂気の象徴である月 」との言葉もあり、二人もまた「月」における「Lunatic 」な側面も同時に見つめている。


Lunatic 」の語は「ZUN's Music Collection」と同様に上海アリス幻樂団の作品である東方Projectにおいても登場しており、東方Projectに登場する具体的な場所としての「月の都」においても「 Lunatic 」の語がともに登場する事がある。

例えば『東方紺珠伝』では「 一人の狂人によって狂わされた 」場所となった月の都の物語が語られている(ドレミー・スイート評、『紺珠伝』)。


この他東方ProjectにおいてはSTG作品などにおいて、作中で挑む事が出来る最高難易度を指す語として表記は様々であるが「 Lunatic 」の語が登場する事も多い。


二次創作では

「月面ツアーへようこそ」にも関連した二次創作としては、作中でも言及された蓮子とメリーがともに「月世界」を求める様子が描かれる事がある。実際にそこに至る事があるかどうかは創作によって様々であるが、その過程における様々な冒険譚やミステリーなどが想像される事も多い。


作中で「 結界の向こう側 」にあるとされた「 月の世界 」の描写が象徴的なものと具体的なものの両者があるため、語られた内容をベースにした「月の都」(またはそこに類似した場所)も多様に想像されている。


東方Projectで主に語られている物語とのミックスという視点では、先述のとおり東方Projectでは実際に「 結界の内側 」(『東方儚月抄』)にある「月の都」が複数の作品で描かれており、蓮子とメリーが求める具体的な「月世界」として両者が出会う事という創作もある。また蓮子とメリーが「大空魔術」作中で想像した「月の都」を描写する際は東方Projectに登場する「月の都」が様々な形で参照されることも多い。


加えて「大空魔術」以後の作品である「伊弉諾物質」において蓮子とメリーの日本神話などにも語られた神々の姿を追い求める様子が描かれているが、東方Projectの月の都にはそういった神話世界とも関連すると思われるキャラクターたちが多数登場している。


月という要素を通して東方Projectで語られている世界観と秘封倶楽部が交わるということは、「 永遠のロマン 」の一つである「月」で蓮子とメリーが求めている「 不思議 」に出会うという事でもあるのである。


この他「大空魔術」では月と関連しつつも月そのものとは異なるベクトルから関連性がほのめかされている東方Projectのキャラクターがあり、蓮子の言葉の中に登場した具体的な関連要素と「向こう側の月」のシーンの中の、夜が降りてくる頃合いに月を見るメリーの姿などとが絡み合って、こちらのキャラクターについても特に関連性が見出されるケースもある。


こちらのキャラクターは東方Project作中では複数回にわたって月または月の都と関連しており、時には月に攻め込むという月面戦争という形でも関与している。


関連タグ

上海アリス幻樂団

大空魔術 秘封倶楽部

宇佐見蓮子 マエリベリー・ハーンメリー


東方Project 東方楽曲

東方Project(二次創作)


 月の都

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