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概要

集団ストーカーテロなど、その他複数名(2名以上)による一定の団体・組織が、その構成員の全員・大部分が協力し、一体となって行う犯罪のことである。

こうした犯罪行為を働く団体は、俗に「犯罪組織」「犯罪集団」「組織犯罪グループ」もしくは「テログループ」「テロ組織」「テロ集団」と呼称される。


日本においては組織犯罪処罰法において規定、処罰される組織的な犯罪を言う。基本的に想定されている対象はいわゆる暴力団であり、条文を読めば分かるように彼らが犯罪で得た収益を没収することに重点を置いている。個別の犯罪の共犯としてではなく組織犯罪処罰法でカバーすることによりピラミッド構造を取る暴力団の資金源へ打撃を与えることができる。


しかし、2017年6月において、他国における共謀罪に相当する『テロ等準備罪』が盛り込まれた改正組織犯罪処罰法が15日に成立し7月11日に施行、その翌日には国際条約である『国際組織犯罪防止条約』が締結され、8月10日より効力が発揮される。


後述の内容の通り、三人以上の者から成る、物質的利益を得るため重大な犯罪又は条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として組織された、一体として行動する集団が「組織的な犯罪集団」と定義されており、これは暴力団に限られたものではなく、他の犯罪組織も対象となるため、犯罪組織の定義が厳格化されることとなった。


暴力団以外の例としては、電話を用いて恐喝を行っていた半グレ集団(2002年)、自転車操業で資金を集めていた投資詐欺グループ(2014年)、汚職事件について組織的な証拠隠滅を図ろうとした自民党の国会議員とその秘書(2020年)などがこの法律の適用対象とされている。


テロ等準備罪は、対象となる犯罪については準備段階で処罰できるようにするもので、例を挙げれば、


  1. 犯罪組織が爆弾テロや毒ガステロを計画
  2. 計画書を作成したり、現場の下見や爆弾や毒ガスを作るための資金を集めたり、必要となる材料や道具の調達を行う等の準備を行う
  3. 実際に爆弾や毒ガスを入手(爆発物取締罰則違反、毒物及び劇物取締法違反等の犯罪が成立)
  4. 現場において使用し、人が死ぬ、建物が破壊される等の被害が発生する

という犯罪が行われたとして、殺人罪等の凶悪犯罪が成立するのは4の段階(3でも犯罪は成立するが、殺人罪等よりは格段に軽い罪となってしまう)であるが、これを2の段階で取り締まり、未然に処罰できるようになったのである。


犯罪を実行していなくても処罰できるというのは濫用されれば非常に強力な権限となるため、処罰対象となる構成要件は非常に厳格に定められており、


  • 組織的犯罪集団に所属しその活動に参加
  • 二人以上で対象の罪を計画
  • その計画した者らが計画に基づき「資金の準備」「現場の下見」等の犯罪実行のための準備行為を行われた時

が条件となっている。


ニコニコ大百科より参照→リンク


対象犯罪

組織犯罪処罰法第3条で定められているのは以下の通り

  1. 刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十六条 (封印等破棄)の罪 五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科
  2. 刑法第九十六条の二 (強制執行妨害目的財産損壊等)の罪 五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科
  3. 刑法第九十六条の三 (強制執行行為妨害等)の罪 五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科
  4. 刑法第九十六条の四 (強制執行関係売却妨害)の罪 五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科
  5. 刑法第百八十六条第一項 (常習賭博)の罪 五年以下の懲役
  6. 刑法第百八十六条第二項 (賭博場開張等図利)の罪 三月以上七年以下の懲役
  7. 刑法第百九十九条 (殺人)の罪 死刑又は無期若しくは六年以上の懲役
  8. 刑法第二百二十条 (逮捕及び監禁)の罪 三月以上十年以下の懲役
  9. 刑法第二百二十三条第一項 又は第二項 (強要)の罪 五年以下の懲役
  10. 刑法第二百二十五条の二 (身の代金目的略取等)の罪 無期又は五年以上の懲役
  11. 刑法第二百三十三条 (信用毀損及び業務妨害)の罪 五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
  12. 刑法第二百三十四条 (威力業務妨害)の罪 五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
  13. 刑法第二百四十六条 (詐欺)の罪 一年以上の有期懲役
  14. 刑法第二百四十九条 (恐喝)の罪 一年以上の有期懲役
  15. 刑法第二百六十条 前段(建造物等損壊)の罪 七年以下の懲役

改正組織犯罪処罰法により、第3条は新たに加えられた第6条の2第2項と繋がりを持つ用になり、該当する罪はこれも新たに加えられた別表第3及び第4に記載されており、かなり膨大な数が記載されている。


(テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)

第6条の2

  • 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
  1. -別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの 五年以下の懲役又は禁錮
  2. -別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの 二年以下の懲役又は禁錮

  • 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。

国際組織犯罪防止条約

第2条:用語 第3条:適用範囲

  1. 本条約において「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、物質的利益を得るため重大な犯罪又は条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。
  2. 本条約において「重大な犯罪」とは、長期四年以上の自由を剥奪する刑又はこれより重大な刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。
  3. 本条約において「組織された集団」とは、犯罪の即時の実行のために偶然に形成されたものではない集団をいい、その構成員について正式に定められた役割、その構成員の継続性又は発達した構造を有しなくてもよい。
  4. 本条約は、別段の定めがある場合を除くほか、第5条、第6条、第8条及び第23条の規定に従って定められる犯罪並びに重大な犯罪であって、性質上国際的なものであり、かつ、組織的な犯罪集団が関与するものの防止、捜査及び訴追について適用する。

第5条:組織的な犯罪集団への参加の犯罪化

  1. 締約国は、次の一方又は双方の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
  2. 物質的利益を得ることに関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって、国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
  3. 組織的な犯罪集団の目的等を認識しながら、組織的な犯罪集団の犯罪活動等に積極的に参加する個人の行為
  4. 締約国は、組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し、若しくは援助し又はこれについて相談することを犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。

第6条:犯罪収益の洗浄の犯罪化

  1. 締約国は、自国の国内法の基本原則に従い、次の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
  2. 犯罪収益の不正な起源を隠匿すること等の目的で犯罪収益である財産を転換し又は移転すること及び犯罪収益である財産の真の性質等を隠匿し又は偽装すること。
  3. 犯罪収益である財産を取得し、所持し又は使用すること。
  4. この条の規定に従って定められる犯罪に参加し、これを共謀し、これに係る未遂の罪を犯し、これをほう助すること等
  5. 締約国は、すべての重大な犯罪並びに第五条、第八条及び第二十三条の規定に従って定められる犯罪を前提犯罪に含める。自国の法律が特定の前提犯罪を列記している締約国の場合には、その列記には、少なくとも、組織的な犯罪集団が関連する犯罪を包括的に含める。

第8条:腐敗行為の犯罪化

  1. 締約国は、次の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
  2. 公務員に対し、当該公務員が公務の遂行に当たって行動し又は行動を差し控えることを目的として、当該公務員等のために不当な利益を約束し、申し出又は供与すること。
  3. 公務員が、自己の公務の遂行に当たって行動し又は行動を差し控えることを目的として、当該公務員等のために不当な利益を要求し又は受領すること。

第23条:司法妨害の犯罪化

  • 締約国は、この条約の対象となる犯罪に関する手続において虚偽の証言をさせること等の目的のために暴行を加え又は不当な利益を約束すること等の行為及び裁判官又は法執行の職員によるこの条約の対象となる犯罪に関する公務の遂行を妨害するために暴行を加える等の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。

条約の内容を補足する3つの議定書

「人身取引」に関する議定書

  • 人身取引を防止し、これに対処するための協力を促進する国際的な法的枠組みの構築を目的とした議定書。

「密入国」に関する議定書

  • 移民を密入国させることを防止し、これに対処するための国際的な法的枠組みを構築することを目的とした議定書。

「銃器」に関する議定書

  • 銃器等の不正な製造及び取引を防止し、これに対処するための協力を促進するための国際的な法的枠組みを構築することを目的とした議定書。

関連タグ

犯罪 組織 集団 団体


暴対法

破防法破壊活動防止法

共謀罪(テロ等準備罪)

国際組織犯罪防止条約

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