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藤田和日郎短編集夜の歌

ふじたかずひろたんぺんしゅうよるのうた

「藤田和日郎短編集 夜の歌」とは、1995年に出版された藤田和日郎による1冊目の短編集
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概要

藤田和日郎による初の短編集で、デビュー作「連絡船奇譚」や、後の「からくりサーカス」の原型となる「からくりの君」など5編を収録している。


収録作品

からくりの君

 -人形では、ありませぬ。-

藤田作品つめ26

週刊少年サンデー 平成6年47号」初出。からくり人形を操る姫・文渡蘭菊と彼女に力を貸す忍者・睚弥三郎が文渡の城を落とした暴君・狩又貞義にからくり人形の力をもって復讐を挑む。



掌の歌

 -にぎったまんんまの手でも柳の綿毛ぐらいなら…のるよなァ…それで…十分なんじゃないかねえ…-

「週刊少年サンデー 平成6年6月増刊号」初出。形意拳の達人・郭雲深の入獄の逸話を原型とした短編。

時は清朝末期、中国・河北省深県での事、「半歩進んで拳を突くだけ」でどんな敵も倒すと言われた崩拳の達人・峪生(よくせい)はある日、試合のさなかに相手を撲殺してしまい三年間の入獄生活を送る事になる。

しかし獄中での手枷・足枷を着けられた暮らしの中でも、少年時代にひたすら崩拳の修行のみを三年間続けた時と同じように拳法の鍛錬を欠かさず己の技を磨き続け、出獄の日にかつて殺した男の弟子に試合を挑まれるも獄中での鍛錬で編み出した新たな技にて打ち倒した。

作中での峪生は「崩拳のみをひたすら練習し、必殺の一撃となるまで練り上げ昇華させた」というエピソードから分かるように、「からくりサーカス」の加藤鳴海の原型となった人物でもある。



連絡船奇譚

 - 痛エヨウ 痛エヨウトナキナガラ、客人来タリテ骨ヲ食ム。ゴツリ ゴツリト恐ロシク ワガ一族ノ骨ヲ食ム -

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「週刊少年サンデー 昭和63年8月増刊号」初出。藤田和日郎のデビュー作品。

青函連絡船に乗って北海道に行こうとしていたツッパリ学生の日野信行は、船の中で日本刀を持った青年・忽那草介とその妹・笙の兄妹に出会う。何故刀を持っているのかと聞くと、彼の一族に取り憑いた妖怪「ころび」を切るためだと言い、その荒唐無稽さに始めは信行も草介を変人だと思っていたが、突然目に見えない何かに草介が切られるのを見て「ころび」の存在を認めざるを得なくなる。

そしてそんな恐ろしい存在に逃げる事なく立ち向かう草介の姿に昔先生に言われた言葉を重ねた信行も共に戦う事を決め、ついには「ころび」を打ち滅ぼした。



メリーゴーランドへ!

 -メリーゴーランドまでつれていってくれませんか!-

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「週刊少年サンデー 昭和63年45号」初出

ある日、街をぶらついていた高校生・愛賀平吉はメリーゴーランドを見たいという少女・国見亜矢と出会う。メリーゴーランドが見たくて入院していた病院を抜け出してきたという話を聞いて平吉は亜矢を遊園地へ連れて行こうとするが、警察官である亜矢の兄に誘拐犯と勘違いされて追い回され、ついにたどり着いた遊園地もすでに閉館しておりメリーゴーランドは動いていなかった。

動いているメリーゴーランドが見られず落ち込む亜矢。そして平吉が逮捕されそうになる中、平吉が亜矢に子供らしくワガママを言っていいんだと声をかけると、亜矢は動いているメリーゴーランドが見たいと言い平吉はそれに応えて電源を入れる。

きらびやかに回るメリーゴーランドを見て、亜矢は溢れんばかりの笑顔を見せるのだった。



夜に散歩しないかね

 -文化の花々は開いたが、まだまだ庶民の夜は真っ暗だった大正のお話。-

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「週刊少年サンデー 平成5年18号〜19号」初出。前編・後編からなる全2話の短編。

時は大正時代、貿易商・那引の養女である沙夜子はいつからか見る悪夢に悩まされ、夜の闇を窓から覗くことも出来なかった。ある夜、恐怖を克服しようと家から出たところで、最近家の周囲で起きた連続殺人事件を調査していた探偵・削夜秋平と出会い、夜の闇に潜む血染めの物語の幕が開ける。

藤田和日郎の作品としては珍しく、横溝正史調のミステリー風味の入った作品となっている。



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藤田和日郎短編集暁の歌…2冊目の短編集。


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