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※本誌を未読の方は閲覧する際、ご注意ください。重大なネタバレを含んだ記事となっています。


概要

呪いの王・両面宿儺の生前の姿、および完全体の状態。


現在の宿儺は、器となった主人公・虎杖悠仁と同じ顔と体となっているが、受肉する前……生前は厳つい顔つきに筋骨隆々な巨漢の姿であった。

特筆すべきなのはその異形さで、顔の右側は歪に変形しており、まるで仮面が張りついているようにも見える。さらに四本の腕腹の口を持ち、まるで伝説の両面宿儺を現した存在となっている。


この姿は渋谷事変編真っ最中のセンターカラーで初めてお披露目され、後に死滅回游編における仙台結界の戦いが終結した直後の烏鷺亨子の回想で改めて登場した。


※記事では「生前宿儺」だが、pixivやSNSでは「御形宿儺」または「御形様」と一部の読者から呼ばれている。











活躍





ここから先、単行本未収録のネタバレ注意!!









「贅沢者め」

「来い 亡霊」



人外魔境新宿決戦にて、現代最強の術師・五条悟との決闘を制した宿儺だったが、呪いの王である彼もまた大きなダメージを負っていた。

無量空処」で脳に負荷が掛かった事で領域展開は使用不可能となる。さらに傷を癒す反転術式も出力が落ち、失った左目と左手の修復すら困難に。

しかしこれは、虎杖ら平定チームには絶好の機会であった。


五条に続く二番手は雷神・鹿紫雲一

同時に、あくまでも宿儺との1対1を望む鹿紫雲の邪魔をさせないため、秤金次裏梅と交戦を開始する。

宿儺はが最期に構築した雷の呪具「神武解」を裏梅から受け取るも、呪力特性による電撃耐性を持つ鹿紫雲には効果が薄く、さらに命を代償に超人的な力を得る術式「幻獣琥珀」を解放された事で、ほぼ一方的に攻撃を叩き込まれる。

五条が命懸けで残した傷に、鹿紫雲が死力を尽くして繰り出す怒濤の連撃。

かの呪いの王も、徐々に追い詰められていき……













宿儺には反転術式以外に一度きりのみ

肉体を修復する術がある















それは意図的に中断していた




















受肉による変身の

再開である


呪いの王


顕現する 真の御形。





鹿紫雲の猛攻で、遂に受肉時に止めていた変身を完遂させて生前の姿を取り戻す。

変身直後に彼を体術と斬撃で倒し、続けざまに現れた日車と虎杖の二人組の作戦で領域に捕われる。

領域内にて「有罪」ならば必ず力を没収される日車の術式効果で裁判は始まるが





「俺がいつ何したかなど どうでもいい」


「さっさと終わらせろ」



弁明などすること無く、死刑判決が下る。

有罪となった者に当たれば必ず死なせる「処刑人の剣」が日車の手には握られ、援護する虎杖を筆頭にした高専術師によって包囲されながら戦闘を再開。

本来なら術式を没収した上で臨む策だったが、没収対象にされたのは宿儺が所持していた「神武解」だった。


宿儺は呪具を失うが、五条戦での後遺症により出力は落ちたものの凶悪な攻撃力を有する術式と凄まじい身体能力で多勢相手に立ち回る。


術師として覚醒して二ヶ月弱ながらも、自身の斬撃を展延で中和しつつ宿儺に近いレベルでの術式の運用を見せる日車。果敢に立ち向かうその才能の原石に喜び、これを遊びながら最後は胴体を深く切り刻んで倒す。

日車から消滅寸前の「処刑人の剣」を受け取った虎杖の一刀を受けるも、術式は終了しており効果は無かった。



胴体を切り刻んだ筈なのに回復して再び向かってくる虎杖を前に宿儺は自問自答し、虎杖が気に入らない自身の気持ちの正体を知り、成り行きの遊戯はなく今一度その希望を打ち砕くと方針を定める。




その時、羂索の保険が発動し、天元と人類の超重複同化の発動権を手に入れた宿儺。

彼は高専の人物全員、回遊の泳者の全員を鏖殺した後に同化を済ませ、出来次第ではそれと遊ぶと宣言した。

羂索か宿儺、どちらか一方を倒せればまだマシと思っていた高専側は、いよいよ宿儺打倒を確実に成さなければならない状況へと陥る。


そこに先程羂索を始末した乙骨とリカが参戦。



宿儺「しっかり藻掻き抗えよ」

「でなければお前達が守ろうとしている人間全員死ぬぞ」


リカ「誰に言ってンだ!!」


宿儺「出たな 女王」




領域展開「真贋相愛」を発動し、虎杖を領域内に招き入れ3VS1の戦いを繰り広げ、虎杖の「魂を捉える拳」により、防御しようが受けた時点で弱体化を余儀なくされる。

さらに乙骨による捨身の攻撃で腹部の舌を千切られ、顔の口は右頬まで裂ける傷を負い、一太刀で下左腕を手首から切断された。重なるダメージと五条戦の影響で領域を展開出来ず、反転術式や術式の出力を回復できない宿儺は着実に追い詰められていく。


これは高専側にとって、これまでに無いチャンスである。

領域の必中術式「邪去侮の梯子」を最大出力で放ち、空かさずリカによる上両腕の拘束、乙骨が下右腕を切り裂き、満を持して隙を見出した虎杖が奥深くに眠る伏黒の魂へと拳を打つ。


虎杖「起きろ 伏黒」


勝利は目前―





かに思われたが…










伏黒「いいんだ」





「もう いいんだ」




底に眠る伏黒の魂は、自身に呼びかける虎杖に対して伏せながら告げる。

自らの術式で姉を殺した彼の魂は完全に折れ、生きる意思を失っていた。

その瞬間―





「龍鱗 反発 番いの流星」



残酷にも三人の身体は、致命的な斬撃に晒されたのだった


領域も崩壊し、目前で血を噴きながら崩れ落ちる二人を前にして笑う宿儺だったが、その心臓を鬼人の刃が貫く

領域外からの侵入、背後からの一撃、本来の宿儺ならば防げたであろう奇襲を成功させたのは天与呪縛によって呪力を捨てた真希からこそだった。

そして、そのまま心臓に刺した釈魂刀を振り上げて引き裂こうとした真希から宿儺は一瞬で距離を取り、領域が崩壊したのは自身の油断を誘ってこの奇襲に繋げる乙骨の罠だったと察する。


領域の崩壊を合図に、待機していた面々もまた動き出す。


真希や甚爾のように「魂を観測する」目を持つ者が振るう釈魂刀による魂の傷の効果で、本来とはまた異なる反転術式の運用でしか回復できない損傷を負うも、呪力によって破壊された心臓の心拍機能の欠損を補いながら戦闘を難なく続行。




「呪術と肉体 どちらが力として磨き上げるに値するか」

「この戦いで決まるのだ!!」



能力的には自身と対極に位置する真希との戦闘に、鹿紫雲や日車、乙骨という秀でた呪術の才たちとの呪い合いよりも高揚した宿儺は、援護に出た猪野や日下部を退けながら拳を振るう。

そして。



呪いの王は黒い火花を咲かせた



「黒閃」の炸裂によって真希すらも退けた宿儺は、立て続けに日下部との一騎打ちに興じる。

一級最強と強者たちに推される日下部も奮闘する生徒たちに報いるべく立ち向かうが、それを無慈悲にも切り裂いて戦闘不能にする。

回収に現れた憂憂をも切り裂こうとするが、それを間一髪で助ける新たな高専への助っ人・ミゲルラルゥが参戦し、すぐさま戦闘が開始される。


五条にすら脅威と見做されるミゲルの体術と、ラルゥの術式や再復活した虎杖と脹相、そして口元を吐血に塗らしながらも短時間で復帰した真希による奇襲で残る腕一本のみまで追い詰められたのだが…………



「黒閃」──黒い火花は再び呪いの王に微笑んだ。



ラルゥをその一撃で戦闘不能にし、二度目の「黒閃」にて加速していく宿儺の調子を危険視し、直ぐ様高専術師は攻撃を仕掛ける。

だが、三度目、四度目と続けて放たれる「黒閃によって斬撃の出力は上昇し、真希と脹相が倒れる。


そんな中、最後に自分の前に立って切り刻まれながらも食らいついてくるのは厭悪する虎杖悠仁。


如何に調子が上がっていく宿儺でも彼の拳が魂を打てば、再び受肉体には痛烈な肉体の支配力や呪力出力の低下は免れない。

互いに至近距離で惜しみない殺意による攻撃を交換し、血に濡れながら離れた一瞬、拳を構えた虎杖から自身と同じく「黒閃」を予感させる気配に宿儺は身構えようとして。


「何だ あの術師から目が離せない」


ラルゥの術式の本領発揮によって意識は強制的にラルゥ本人を注視し、結果として目の前で放たれんとする攻撃をみすみす看過する事になった。

叩きつけられた拳でかつてない程の盛大な黒い火花が弾ける強烈な一撃を喰らう。

その「黒閃」を伴って潜在能力を覚醒させた虎杖に、宿儺は……


















これより先、単行本未収録のネタバレ注意!!



















時は遡り、五条との戦闘前。

宿儺は自分の出生を、羂索の事を、そして前の器、虎杖悠仁の事について言及をしていた。

虎杖悠仁の父親である虎杖仁双子として生まれる前に喰らった宿儺の片割れの生まれ変わりだということ、彼と妻の香織の息子である悠仁が器としての強度を得る為に、そして死滅回遊に宿儺を招き入れる為に自身の指を一本身体の内に宿していた事を。


時は戻り、覚醒した虎杖との戦闘の最中、彼は虎杖の身体に刻み込まれた御厨子、受胎九相図を呑み込んだ事による赤血操術に翻弄されつつも猪野琢真の「竜」による助力を退けるが、虎杖の力は留まることを知らず…


彼の呪力は4回目、5回目、6回目と黒い火花を咲かせていく。

そしてその力は、呪いの王にすらも及ぼうとしていた。

何度切り刻んでも立ち上がるその姿に徐々に苛立ちを覚える宿儺は目を血走らせ、声を荒げる。




宿儺「小僧ぉっ!!」



その瞬間、自身の身体にはその宿敵の尊敬する人物のナタが…

そして…


猪野「ブチかませ」


虎杖の“呪い”は黒い火花と共に、王の力へと並ぶのであった。


能力

ついに真の姿を見せた呪いの王・両面宿儺。その姿は、術式効果のX線を利用して解析した鹿紫雲曰く「完全無欠」

術式や領域展開の発動に必要な掌印を結んでいても問題なく拳や武具を振るえる四本の腕。心肺に負担を掛けず、呪詞の詠唱を絶え間なく続けられる腹の口。呪術師として大きな優位性を得ながらも、異形の肉体は一切の身体機能を損なっていない。一つの時代では確かに最強であった鹿紫雲は同じ強者として、この姿の宿儺に「美しい」と感服していた。


宿儺はこの肉体性能に加え、持ち前の呪術への深い理解力と知識量、一度見た技術を我が物にする学習能力、無類の呪力出力と呪力総量、そして下述の呪具を駆使して、過去には藤原北家直属の「日月星進隊」と「五虚将」を殲滅し、天使含む安倍家の精鋭と菅原家与党で編成された「涅漆鎮撫隊」を退けた。現代では『幻獣琥珀』により人の域を越えた鹿紫雲を圧倒し、天与呪縛のフィジカルギフテッドに匹敵する虎杖が追いつけないほどの走力を見せつけた。まさに呪いの王

また、渋谷や仙台での戦いの時点で示唆されていたが、覚醒した真希同様、空を蹴って空中での自由な移動すらも可能。


新宿における五条との決戦で伏黒恵肉体のままでいた理由は、魔虚羅を利用して無下限の防御突破の糸口を探すためであり、後に控えた虎杖達との連戦で疲弊した場合の「反転術式を使わない一度きりの保険(回復手段)」を取っておくためだった。

後に日車が、五条との戦いで「十種影法術」の機能を失ったと推測しているので、現在の宿儺は伏黒の術式を使えない可能性が高い。


また、変身による肉体の修復を経ても、結界術に必要な脳の部分が回復しておらず、領域展開が使えない。

反転術式も出力は落ちたままで、徐々に戻りつつあるものの、未だ万全の状態とは言えない模様。

だが複数回の「黒閃」により、いつ回復してもおかしくない状況にある。


呪具

宿儺

「神武解(かむとけ)」

万が「絶命の縛り」を対価に構築した、宿儺が生前所持していた呪具。五鈷杵のような形をした短剣で中心の持ち手の両側に十字の球体があるのが特徴。

対象に強力な雷撃を放つ術式効果を持ち、鹿紫雲のような耐性が無ければ防ぐ事はほぼ不可能。


名前の由来は「神解け」だと思われる。「神解け」は「霹靂」とも書き、どちらも「雷が落ちる」ことを意味する。


「飛天(ひてん)」

1000年前の宿儺が生前所持していた槍型の呪具。

術式効果は不明。


術式

両面宿儺

御廚子」(仮称)

斬撃を放つというシンプルな術式だったが、五条悟との戦いを経て進化を遂げる。


  • 「世界を断つ斬撃」

「龍鱗 反発 番いの流星 『解』」


無下限呪術への適応を推し進めた魔虚羅の斬撃を手本にした、術式対象を空間・世界そのものに拡張した「解」。「捌」の術式対象は拡張できない模様。

あらゆる防御でも阻めず、五条悟が持つ無下限呪術の不可侵すら関係なく、世界に存在する全てを空間ごと分断することが可能。


日下部は、発動には縛りやタメが必要であると推測している。この予想は的中しており、発動には領域「伏魔御廚子」と同様の「閻魔天の掌印」、「呪詞の詠唱」、「手掌による術式の指向性の設定」の三つ条件を満たさなければ「世界を断つ斬撃」は発動できない。


本来必要なのは「閻魔天の掌印」だけだったが、変身前の宿儺は片手を失って掌印が結べない状態にあったため、最初の一度だけ条件無しで「世界を断つ斬撃」が使える代償として、後の使用には複数の条件を満たさなくてはならないという縛りを科す事で五条悟を斬り伏せた。


  • 「解」

通常の斬撃。基本的に飛ばして相手を切断するが、連射や格子状に重ねた形で放つなど自由自在。

体表に発生させた細かい斬撃をチェンソーのように纏う事で、刃に触れないで刀を受け止める、という器用な小技も可能。手掌をかざして放つことが多いが、ノーモーションで放つことも可能。


  • 「捌」

対象の呪力量・強度に応じて自動で最適な斬撃を繰り出し対象を一太刀で切断する。「解」と異なり直接触れなければ発動できない。

ただし、領域では必中と化すため、触れなくても発動できる。


高専側は「捌」と零距離の「解」、そして「世界を断つ斬撃」は、簡易領域や領域展延を含めたどの手段でも防御不能と分析している。


  • 炎の術式

「竈(カミノ)」「開(フーガ)」


高専側からは使用しない事を不気味に思われ、使われたら対応不能とされていた炎の術式。

今まで呪詞は「■」「開」と一部が隠されていたが、領域崩壊後に虎杖に向けて発動した際に明らかになった。

渋谷事変の描写から漏瑚との火力対決で圧勝し、魔虚羅戦では高層ビルを超える高さと広範囲に及ぶ巨大な火柱を発生させる威力がある。


結界術

閉じない領域等を含め、五条悟以上の実力を見せる。


乙骨憂太領域に対抗する為に展開した宿儺の持つ領域対策。レジィや鹿紫雲など過去の術師が使うものと同様のもので、現在の簡易領域の原型。領域の結界を中和して必中効果を打ち消す事が可能。簡易領域とは違い掌印を結び続けなければ持続しない模様。

レジィが掌印を前後に動かす2モーションで発動していたのに対して、宿儺は四本の腕により1モーションで発動できる。さらに掌印を結びながら戦闘や術式の使用が可能。


術式を付与しない領域を自らの体に纏う事で空いた容量に相手の術式を流し込み、中和する領域の応用。宿儺の場合は、漏瑚や花卸すら中和して拳を届けるのに梃子摺った五条の不可侵を呆気なく突破する出力、正面からの「赫」を中和してダメージを最小限にする程の防御力を有する。

五条戦では脳に損傷を受けた後も行使していたので未だ使用可能と思われるが、これも出力が低下しているかは不明。


領域展開「伏魔御廚子

効果範囲内の悉くを細切れにする領域。

これを閉じない領域として展開する事で『逃げ道を与える』縛りを作り、効果範囲を半径200メートルに拡げる。

この効果範囲の広さや外殻が無い特性により、領域対決では相手の領域を外側から破壊する等の絶対的な優位性を誇る他、本来は展開時に領域外へ弾き出されてしまう建物等の無生物すら術式効果範囲に捉えてしまう。

呪力を帯びた物に「捌」、呪力の無い物には「解」が絶え間なく浴びせられる必中効果により、呪力ゼロの存在も必中効果対象となる。


新宿決戦においては、五条戦の後遺症により使用不可とされているが、いずれは反転術式の出力と共に再び使えるようになると乙骨に危惧されている。


その予感の通り、「黒閃」を経た事で遂に復活

三本の腕の損傷による掌印の変更に加え、「無量空処」による後遺症が無い脳の部位で術式と結界術を運用する事に成功。

不確定要素に加えて即席の縛りを作り、結界術の難易度・出力・効果範囲を下げずに顕現させた神業の領域だが、長時間の維持だけは適わず99秒で崩壊した。

この時も、外殻を作って空間を分断しない事で建物等の呪力の無い無生物も捉えられるようにし、『閉じない領域』の仕様で呪力ゼロの禪院真希も必中効果対象になるよう設定している。


出力は落ちていないと言われているものの、それとは別に結界の精度や必中術式の効果に何らかの支障が表れているのか、虎杖達の簡易領域が数秒耐えれるほどの領域となっていた。


ちなみに、この領域展開時の宿儺の掌印は、五条と同じ帝釈天印。寺のお堂ではなくおどろおどろしい頭部のような形状へと変化している。


人物像

「存外 人間の味は多種多様で刹那的でな」

「死ぬまでの暇つぶしとして啜る分には丁度いい」


これまで宿儺は、傲岸不遜で邪悪な〝呪い〟として多くの者の前に立ちはだかってきた。

実際にその通りの人物ではあるのだが、物語が終盤に差し掛かっていくに連れて、徐々に宿儺がどのような人間なのか掘り下げられている。


実は、宿儺に具体的な目的はない

強いて言えば、羂索の「面白いと思ったから」という動機に近く、史上最強の生物である宿儺にとって人生は死ぬまでの暇つぶしに過ぎない

他者はその暇つぶしの相手で、目障りならば壊し、面白ければ遊ぶ、まるでオモチャ程度の認識。それ故に宿儺は、五条悟鹿紫雲一のように他者を求めず、愛を下らないモノと吐き捨てる。


漏瑚に五条、鹿紫雲に呪いとしての本質や愛についてを愉したが、あくまで宿儺自身の所感を伝えただけで、それが本当に彼らが欲しかった答えなのかは宿儺にも判断できない。他人はどこまで行っても他人なのだから。

彼らが命を懸けて戦った理由も、摑みたかった理想も、宿儺にとっては真偽の分からない後付けの遺言でしかない。


しかし現在、自分の何かが変わっている事に宿儺は気づいた。


千年前から変わらず、両面宿儺は自分の身の丈で生きている。最強の彼に出来ない事は無く、阻む壁は大抵障害にすらなり得ない。

だからこそ今まで宿儺は、自分の身の丈以上の願い……理想とは無縁だった。


その事に気づかせた人物が、虎杖悠仁

全く違う人間でありながら、一つの肉体に魂を共にした事で性根まで理解してしまった他者。

だから宿儺は知っている。

虎杖悠仁の魂が、百折不撓の理想を持っている事を。

その理想が偽りではない真実のモノである事を、他ならぬ宿儺自身が知っている。


五条悟や鹿紫雲一のような強者ではなく、身の丈に合わない理想を掲げる弱者が、意思の強さでのみ自身に比肩する事を実感させられた。

虫と嘲った者たちが示した事実に、心底不愉快な気分を味わった宿儺は宣言する。


「成り行きではなく 明確に今一度」

「お前たちの理想を 切り刻むことにした」






誰かの理想を否定し、圧倒的邪悪な存在として悉くを理不尽に破壊する宿儺だが、彼がその性質を持っていたのは環境の変化ではなく生まれ持った人格だった可能性がある。


謎に満ちた出生だったが、本来は「双子で生まれる運命だった」という事を新宿決戦前に裏梅との会話で明かす。

しかし、母が飢えていた時に彼女の胎の中にいた宿儺は飢えたからではなく飢える前に双子の片割れを食らって生き延びたという。


本来、物心という名の自我すら形成されない赤子の頃なので悪意ではなく並外れた生存本能に従って生きようとした末の結果なのかもしれないが、自身の母を「愚母」と悪しざまに呼び、片割れの命にすら手を伸ばす。

何にしても己以外を虫と見下して時に利用し、遊び、壊す対象であり、自分は生物として人間と一線を画する者という自覚はこの頃から既に有していたのだろう。


余談

呪詞の考察

※あくまで考察に過ぎず、公式の確定情報ではないため注意。


「解」

「龍鱗 反発 番いの流星」

  • 龍鱗

字の通り龍の鱗と読むが、数が多い事を例えて使う場合もある。他にも「天子・英雄の威光」や「危険な状態」とも表すため、意味としては呪いの王たる宿儺の御業、または数を増やす・危険度(切れ味?)を上げるだろうか。


宿儺の在り方は、作中で「天上天下唯我独尊」と言われ、何より「呪いの王」「堕天」という異名がある。

元ネタとなった両面宿儺も、地方によっては英雄として讃えられていたりする。


他にも、この呪詞を唱えてから放った「解」は、地面に底が見えないほどの巨大な切断痕を作っており、加えて鹿紫雲にとどめを刺す際は、複数の斬撃を格子状に重ねていた。


  • 反発

単に跳ね返る・反抗する事を意味した言葉だが、宿儺が天使から「堕天」と呼ばれている事を考えると、もしかしたら天に反発した宿儺自身の事を指しているのかもしれない。堕天は文字通り天から堕ちたという言葉であり、それは即ち宿儺もかつては天に仕える者だったという可能性が存在する


  • 番いの流星

番いは、雄と雌の組み合わせ、人間で言うところの夫婦関係。二つのものが一つに合わさる、という意味でも使われる。

流星は、主に夜間で見られる天文現象。空に生じた点の光が一定の距離を移動する……つまり流れ星のこと。


公式ファンブックに記載されている原作者のコメントによると、宿儺に妻や子供はいないため、番いという言葉は相応しくないと思うが……実は宿儺に関する考察の中に結合双生児説というものが存在する。

本来の宿儺は、四つの目に四本の腕、二つの口を持つ異形の姿をしており、これはまるで二人の人間が一つに組み合わさったようにも見える。さらに作中でも宿儺が自身を「忌み子ではあっただろうな」と告げており、まだ詳細は不明ではあるものの、よりその説を裏付けている。


そして、流星は「天にある星々の一つが地に落ちる」とも表現でき、これは宿儺が堕天となった様子を表している、という風にも考えれる。

以上のことから、結合双生児の宿儺が天から堕ちていく様を表した呪詞なのかもしれない。


他に、番いの流星とは「双子座」を表しているという考察も存在する。

十二星座には火・水・土・風の四属性があるとされ、双子座は風の属性。宿儺の斬撃はこれに対応しているのではないか?という考えである。(風→カマイタチ→見えない斬撃?)


以上のように「解」の呪詞は、宿儺を表したものが多いと考えられる。



「開」

「竈」「開」

竈とは、古代日本の家庭で火を炊くための設備を指す言葉で、火を操る技を指す。

また竈神(カミノ)という竈や囲炉裏、台所といった火を扱う場所を守護する為に祀る荒神が存在している。他にも呪術と関係がある陰陽道には土公神がかまど神として呼ばれている。


今まで明かされなかった「■」に部分だと思われるが詳細は不明。


御廚子とは違う術式との考察があり、これは腹の中にいた双子の片割れの術式で宿儺が喰ったことにより身につけたと言われている。


十二星座の属性説

上述にもある星座の属性だが、実はこれが宿儺の術式の元ネタとして扱われているのでは?という考察がある。

風は上述の斬撃、そして火は例の「開(フーガ)」。

火の属性にあたる星座は、牡羊座・獅子座・射手座の三つ。その中の射手座が「開」の炎に対応しており、実際に作中で宿儺は火を弓を射るように番えている


もしそうであるのならば宿儺はさらに二つ、水と土を示す星座(能力)を持っている可能性に繋がる。


宿儺の術式のモチーフとしてよく料理が挙げられるが、料理は切って焼くだけではなく、煮たり(水)、盛り付けたり("土"器)する必要がある、というのも根拠の一つ。この場合、裏梅の氷は料理の保存担当とされる。


  • 腕の生え方

4本腕のキャラクターとして代表的なポケモンカイリキーによく喩えられるが、厳密には腕の生え方が異なる。

あちらは肩からもう1対の腕が生えているのに対し、両面宿儺は脇からもう1対の腕が生えている構造である。

描画する際は注意されたし。


関連イラスト

宿儺両面宿儺

生前宿儺呪いの王


関連タグ

呪術廻戦 宿儺(呪術廻戦) 伏黒宿儺

羂索 裏梅

虎杖悠仁 伏黒恵 五条悟 両面宿儺(呪術廻戦)

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