黒田官兵衛とは戦国時代を生きた戦国武将・黒田孝高(くろだよしたか)の通称。
号である黒田如水(くろだじょすい)の名でも知られる戦国時代有数の天才軍師。
キリシタン大名であり、「ドン・シメオン」という洗礼名を持っていた。
家紋は黒田藤巴、黒餅。
概要
生没 :1548～1604年
出身 :播磨国
家族 :父/黒田職隆、母/明石宗和の娘、子/長政
本名は黒田孝高(くろだよしたか)といい、姫路城城代(城の管理官)であった小寺職隆(こでらもとたか)の子として生を授かった。なお小寺姓は父・職孝が官職を賜ったさいに主君である小寺政職(くろだまさもと)から授かったものであり、黒田氏は一時期に小寺姓を名乗っていた。
16歳で主君の近習として仕え、わずか22歳で隠居した父の後を継いで姫路城城代となる。
30歳のころ、治安の不安定な播磨を平定すべく台頭著しい織田信長に取り入り、その威光を利用して国人たちの説得に回って無血での播磨の平定に成功する。しかし、後援に当たっていた荒木村重(あらきむらしげ)が謀反を起こし織田氏と激突すると、説得に向かった官兵衛はとらえられ、実に11カ月ものあいだ荒木氏の居城である摂津・有岡城へ幽閉される。
官兵衛不在の間に播磨は毛利氏に傾倒。主君である小寺氏も毛利に傾倒したことで、恩義のある織田氏に付くことを決め、一族郎党共に小寺氏と袂を分かち黒田姓に戻る。その後は中国征討で羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の専属参謀となり、存分に手腕を発揮した。
本能寺の変が発生すると秀吉に「今が秀吉さまの天下取りの好機」と進言し、秀吉の天下統一への指針を決定づける。そして四国征伐・九州征伐でも存分に力を発揮し、ついに秀吉を天下人へ押し上げた。そして豊前国十二万石の大名へと出世する。
だが天下統一以後、秀吉からはあからさまな天下取りへの進言から危険因子と判断され、それを機に隠居して『円清如水』と号する。
そして秀吉逝去から２年後の1600年、関ヶ原の戦いが勃発すると自身の蓄財を解放して兵を募り、大規模な軍勢を組織せんと動き出す。
官兵衛は関ヶ原で東西両軍が競り合っている間に九州を制圧して地盤を固め、関ヶ原で疲弊した勝者を叩いて天下を手中に収めようとする。しかし官兵衛の予測に反し、わずか一日で決着がついてしまったため計画は水泡に帰した…。
●小話
1)竹中半兵衛とは知己の仲であり、有岡城幽閉の際に官兵衛が荒木に寝返ったと勘違いした信長が、その怒りから人質である官兵衛の息子・松寿丸(のちの黒田長政)の殺害を秀吉に命じる。その際に官兵衛を信じていた半兵衛は松寿丸を居城に匿い、病死した子供の首と挿げ替えて信長に差し出し、その命を救っている。
この二人はその卓越した軍略から二兵衛(にへえ)または両兵衛の呼び名で称えられている。
2)黒田官兵衛があまりに有能すぎる為、主君・豊臣秀吉自身も警戒していた。
実際に秀吉が家臣に「わしに代わって、次に天下を治めるのは誰だ」と尋ねた。
家臣たちは徳川家康や前田利家の名前を挙げたが秀吉は黒田官兵衛（孝高）を挙げ、
「官兵衛がその気になれば、わしが生きている間にも天下を取るだろう」と言った。
側近は「官兵衛殿は10万石程度の大名に過ぎませんが」と聞き返したところ、
秀吉は「お前たちはやつの本当の力量をわかっていない。やつに100万石を与えたらとたんに
天下を奪ってしまう」と言ったと云う逸話が残っている。
3)実際そんな有能な黒田官兵衛を評価する人物評として、二代将軍・徳川秀忠は
孝高を「今世の張良なるべし」と評した。
4)孝高は頭部に醜い瘡があったと言われる。
5)築城の名手として知られ、中津城や福岡城、大坂城、広島城などに関わったとされる。
6)関ヶ原の戦いにおいて調略をもって敵軍の切り崩しに功のあった息子・長政に対し「余計なことをしてくれたものだ。長引けば九州を手に入れることもできたものを」と叱ったり、その件について「家康公は私の手をとり喜んでくださいました」と喜ぶ長政に対し「その時お前のもう一つの手は何をしていたのだ（刺し殺すことも出来たではないか）」など、後の講談においては戦国屈指の腹黒キャラ扱いされた。
ただし、あくまで講談レベルの話なので信憑性はあまり高くない事にも留意すべし。
黒田官兵衛をモデルとしたキャラクター
ゲーム
『戦国無双』における黒田官兵衛→黒田官兵衛(戦国無双)
『戦国BASARA』における黒田官兵衛→黒田官兵衛(戦国BASARA)
ゆるきゃら
大分県のゆるキャラ→あ!官兵衛
