概要
かつてルドマンの遠い先祖「ルドルフ」が、名もない山村(ビアンカの故郷)にほど近い小島の祠に安置されている魔法の壷を使って封印した伝説の魔神。かつて"伝説の大泥棒"が不用意に封印を解き、こいつに食われたという伝説もある。三つ目と蝙蝠の翼をもつ巨大な山羊の魔神で、あまりの大きさと長きにわたって封印されていたせいか、全身が苔生している。特撮怪獣クラスの超巨大モンスターであり、おそらくドラクエ史上でもコイツと肩を並べられる巨体を持つものはそうはいないであろう(いるとすればラプソーンぐらい)。顔つきが少しアークデーモンに似ている。
その演出のインパクトや強さなども相まって多くのプレイヤーの心に(主にトラウマとして)残るであろうモンスターであり、ラスボスの影を薄くしている一匹である。
ここまで存在感が強い魔物なのに主人公との直接的な因縁が全くないどころかシナリオ上戦う(上記の大泥棒が持っていたものがラスボスの元へ行くのに必要。遅くとも某教祖を倒した後には戦わなければならない)のに物語の本筋にも一切関わってこない。…と、中々稀有な要素を持つボスである。
つよさ
見た目に違わずHP・攻撃力・防御力ともに高く、さらに見かけによらず意外に素早さもあるため先制されることも多い。攻撃は通常攻撃、「はげしいほのお」、「いなずま」、さらに補助としてスカラも使ったりと芸達者。特に通常攻撃は100前後のダメージを叩きだし、はげしいほのおによる全体攻撃も高威力なため、回復や補助を怠った瞬間にプレイヤー側に死亡フラグが建ってしまう。強さとしては、中ボスの中でも上位に入るであろう。
さらにPS2版では『ルカナンと2回攻撃』という虎の子を引っ提げて参戦。多くの冒険者たちを血祭りに上げていった……。
とにかく、こちらもスクルトやバイキルトでステータスを底上げし、強い攻撃を受ければ即座に回復に回るなど、慎重な戦略を要求される。しかも上記戦略は、多くのプレイヤーは1回全滅させられてから行う。
……というのも、ルドマンなどから得られる事前の情報が非常に少ない。出てくる情報が『先祖がバケモノ封印した、山みたいにデカイ』程度。しかもこの時期はろくなボス戦もないこともあって「強力メンバー余裕ww」と高を括って挑んだ結果、もれなくフルボッコされるプレイヤーも多い。
なにより戦場となるのが「見はらしの塔」という町・祠扱いの塔であるため、馬車による入れ替え戦法を完全に封じられてしまう。さらにSFC版では主人公の子供の王子と王女を連れていると表に出ていた仲間モンスターが強制的に二人に切り替わるため、この2人を鍛えていないと死亡フラグである。鍛えていない人はグランバニアに置き去りにするべし。
そのため、DQ5屈指の初見殺しとして冒険者に深いトラウマを植え付けた。
DQ5では他にイブール・ミルドラース・エスタークしかいないオリジナルデザインのボスでもある。
エスタークを倒せてもブオーンが倒せない者もいる。…というか、ブオーンを倒せないとエスタークと戦えないのですが…。
余談だが勇者の攻撃呪文であるデイン系を無効化する。
凝った登場演出
その登場の際の演出は、SFC初作品ともあって凝ったものとなっている。
- SFC版では画面暗転→拡大という演出で登場。また、戦闘時にも出現時には塔の頂上に見立てた戦闘背景の下から全身を現し、撃破時には揺れながら沈んでいくという簡素ながら専用の演出がある。
- PS2版はミルドラースが完全に霞むほどの演出強化。具体的には——
- 封印が破れて飛び出す
- 遠方に着地して雄叫び→雷の鳴る中をサラボナに向けて侵攻
- 塔にたどり着くと主人公達に宣戦布告して雄叫び
- エンカウント
- カメラがブオーンを舐め回す
- 雄叫び
- コマンド入力
- 戦闘開始
- 勝利で戦闘終了
- 消える前にぶっ倒れる(轟音立てて)
DS版は戦闘中の演出がなくなったが同様。
そのため『凝り過ぎでは…』と思っている人も少なからずいる。
リメイク版では倒された後に小さくされる特殊封印をかけられた上で仲間モンスターにできる(名前はプオーン)。
外伝作品での出演
DQ5以降、他シリーズには登場しなかったが、モンスターバトルロードIIに合体モンスターとして再登場。サイズは原作より小さいが、HPの高さと雷属性の全体攻撃が強力。レジェンドクエストVにも敵として登場した。ジョーカー2では本作の目玉である超巨大モンスターとして登場。雪山を歩きまわっており、こいつを上手く利用しないと進めない箇所も存在。