概要
型式番号RGM-79C。
一年戦争末期に地球連邦軍が開発した汎用量産モビルスーツ。同じく連邦軍で運用されたジムの後期生産型をベースに若干の仕様変更を行った機体である。
一年戦争中、ジムは様々なバリエーション機が開発されたが、その一方で独自の規格や設計が乱立しており、継続運用に支障をきたしていた。ジム改はその問題に対する規格指標としての側面も持ちあわせており、連邦軍のモビルスーツ開発ノウハウの構築に貢献。
戦後も連邦軍による軍再編計画の一環としてモビルスーツ中心の兵器運用体系の確立や戦時中に喪失した兵器の補充・更新の為に生産が継続された。
また、「ガンダム開発計画」の基礎データもこのジム改を基準としており、後継機開発の為のテストベッドとしてジム改をベースとした試験機が複数開発されている。
ガンダムのフルスペック量産を目指したRX-81計画が戦後の軍縮の煽りを受けて開発中止になった一方、このジム改はジムⅡのロールアウトまで連邦軍の主力機として相当数が配備された。
しかし、実戦配備された機体はデラーズ紛争時にデラーズ・フリートの奇襲によってまともな交戦が出来ないまま撃破され、ジム改は十分な性能を有していたにも関わらず「旧型機に歯が立たなかった」というマイナスイメージを浸透させる結果を招く事になり、ジムⅡの登場以降は後発機に主力の座を譲る事になった。
バリエーション
ジム改 ネメシス所属機
機動戦士ガンダムオレら連邦愚連隊に登場。
ダークブルーに塗装された機体が同部隊の隊長ホーク・ロイザー大尉の専用機として一年戦争中に運用された。
機体装備自体はノーマルのジム改と変わらないが、パイロットの腕前もあって至近距離での格闘戦でその性能を遺憾なく発揮した。
ジム・ストライカー
ハーモニー・オブ・ガンダムに登場。型式番号RGM-79FP。
詳細はジム・ストライカーを参照。
ジム改陸戦型フロート装備
「機動戦士ガンダムサンダーボルト」に登場。型式番号RGM-79C[G]。
一年戦争後、連邦からの独立を唄った南洋同盟がジム改をベースに独自開発した機体。
両脚部に装着されたフロートによって水上を高速で移動する事が可能であり、単純な速度に関してはジオンの水陸両用モビルスーツにも劣らない。
建造には様々な機体のジャンクパーツが使用されており、外見はノーマルのジム改とは大きく異なる。特に両肩のシールドはザクⅡの装備が転用されており、ジオン・連邦双方の機体が混在する南洋同盟を象徴する機体であると言える。
ジム改 シャドウズ所属機
「機動戦士ガンダムブレイジングシャドウ」に登場。
一年戦争後に設立された特殊部隊「シャドウズ」が運用する機体。シャドウズによって独自のセッティングが行われており、戦場に応じて装備や武装の換装・機体チューンが変更される。
パイロットはリネマ・サント、ザルフ・ワッケン。
リネマ機は連射性に優れたビーム・カービンを装備した切り込み役、ザルフ機は各種火器を満載したコンテナを携行する火力支援機としての運用が主となる。
なお、ザルフ機は地上運用の際にその自重を支える為に脚部を陸戦型ジムに近い物へ換装する必要がある。
ジム・レイド
「機動戦士ガンダムブレイジングシャドウ」に登場。型式番号RGM-79CA。
シャドウズでの運用を目的に、スペースコロニー「ギムナシオン2」で開発されたジム改の強襲用バリエーション機。一般向けのマイナーチェンジバージョンとして「ジム・レイドライト」が存在する。
同じく強襲用モビルスーツとしてジオンで開発されたケンプファーを参考に、アサルトショットガン、チェーンマイン、3連装ミサイルポッド、スパイク・シールド、大型ヒートダガーといった実弾・格闘戦用装備を多数装備する。
これら装備の増加に対応する為、バックパックも大推力スラスターを装備した物を装備しており、腰部にもスラスターを増設し、機動力を強化している。
パワード・ジム
型式番号RGM-79C。ガンダム開発計画の為にジム改を改修したテストベッド機。
詳細はパワード・ジムを参照。
ジム・カナール
「エコール・デュ・シエル」に登場。型式番号TGM-79C。
ジム改を訓練機用に再設計した機体。宇宙仕様と地上仕様の二種類が存在する。
教習中に転倒や模擬戦での不用意な破損を避けるという理由から、頭部を持たない一風変わった形状をしている。
各種パーツが安価で交換し易いよう設計されており、転倒防止用にセンサーを内蔵したバックパックを内蔵。また、訓練機であるが各種オプションへのエネルギー配分は他の正規MSと同等に行われている為、実戦での運用にも耐えられる。
なお、「カナール」とはフランス語で「鴨」のこと。
ジム・カンヌ
ジムカナールの複座仕様機。ジムカナールと異なり通常タイプの頭部を持つ。
縦列複座型シートを採用しており、後座に教官が同乗する。
教習中の緊急時に備え機体のコントロールを奪える機能を持ち、また他の教習機に対して遠隔操縦が可能であることから、主に教官用の機体として使用された。
ジム改高機動型
「ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗の下に」に登場。型式番号RGM-79CR。
ジムⅡの評価試験用改修機。
詳細は ジム改高機動型を参照。
ジム改 ケラウノス所属機
「ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者」に登場。型式番号RGM-79C。
反ティターンズ組織「ケラウノス」に予備戦力として配備されていたジム改。
廃棄寸前のジム改の基本フレームを基に、足りない部品をジム・コマンドやその他ジャンクパーツで代用して構成されており、頭部やバックパックはジム・コマンドの物をベースに構成されている。
機体スペックは通常のジム改と変わらないが、コックピットには全天周モニター・リニアシートが採用されている。
また、パイロットの戦法に合わせて調整されており、ノーマルのジム改と比べて瞬発力に優れる。
パイロットはヴァン・アシリアイノ。
ジム改 ケラウノス所属機[ワグテイル]
型式番号RGM-79C[WAGTAIL](MSK-003)。
ジム改 ケラウノス所属機に、ジムⅢ計画で開発された試作パーツを組み込んだカスタム機。
詳細はワグテイルを参照。
ガンプラ
1/100スケールはMGにて通常版とジムカラーの物が通常で販売。
1/144スケールではHGUCでパワード・ジムのリデコとして通常カラーの物が発売。ジムカラーの物はプレミアムバンダイ限定販売となっている。