曖昧さ回避
なぜ私のことを知りたいのだ?!
エニックス(現スクウェア・エニックス)より発売されたRPG『ドラゴンクエストⅣ導かれし者たち』に登場するキャラクター。本作のラスボス。
とある理由で人間を嫌い「デスピサロ」を名乗り魔族の王として世に君臨し、その天敵である「伝説の勇者」の出現を阻止しようと目論む。
その強さと冷酷さにより人間には恐れられているが、指導者に相応しい厳格さと器の大きさ、カリスマ性を持つため部下の魔物達からは崇拝されており、ロザリーヒルの住民にも信頼されていた。
ちなみに、今のところ勇者が力を付けないうちに抹殺しようと自ら前線に赴いた唯一の魔王である(部下を使って抹殺しようとした魔王は他にもいる)。
来歴
ある時、人間に襲われていたエルフの娘を助ける。行く宛のなかったエルフの娘に「ロザリー」という名前を与え2人で暮らしていたが、ある日世界征服の野望を抱いて村を飛び出したことが住民によって語られている。
世界を魔族のものにするべく、魔物たちを従え地獄の帝王の復活のために奔走し、人間を根絶やしにする決意を固める。一方で、ロザリーに対しては優しい姿を見せており、彼女を守るために塔を建造し魔物たちに守護させ、人間たちのエルフ狩りから守っていた。
しかしその後、ロザリーを人間に殺されたことで憤怒と狂気にかられ、様々な研究・実験の末に完成させた進化の秘法を自らに施す。
その結果、肉体は比類なき強力なものになったが、精神がそれに耐えられずに自我が崩壊。
記憶は失われ、人間を根絶やしにするという意思のみで存在している。
デスキャッスルを抜けた大きな山の奥にて勇者たちを待ち受ける。
その悲劇的な運命からファンの間での人気は高く、Pixivでも多くのイラストが投稿されている。
特に勇者との対比を強調したイラストや、ロザリーとのカップリングイラストが多く見られる。
容姿
原作であるFC版では、魔物化(デスピサロ時)の姿以外の立ち絵が存在しなかったこともあり、『4コママンガ劇場』や小説版などの媒体では各作家のイメージで描かれることがほとんどだった。
4コママンガ版(作家多数)
左が新山たかし版、右が牧野博幸版のピーちゃn…ピサロである。
デザインこそバラバラだが、多くは「美形の若い青年」「折襟の上にマントを羽織った気品ある衣装」「エルフ耳」などの特徴が踏まえられている。また髪型に関しても、ドット絵や攻略本では黒髪に描かれたが、作家によって金髪や白髪、あるいはその他の色で彩色され、ヘアスタイルや髪の長さも人それぞれである。
ちなみに、一部でピサロの事をピー坊やピー助などと呼ぶようになったのは4コママンガ劇場の牧野氏のネタからである。
小説版(いのまたむつみ:画)
小説版(久美沙織:著)の挿絵に描かれたピサロ。
前述のマンガ版と同様、現在の公式デザインが公開される前に描かれたが、銀髪や黒い衣装など公式デザインに何かしらの影響を与えたと思われる。
ちなみに髪型は頭頂部で髷を結っているような感じ(ポニーテール)。
出自が由緒正しい魔王の家柄であったり、ロザリーの設定など原作との相違点もいくらか見られる。
なお、こちらでの瞳の色は金色。
小説を元にしたと思われるCDシアターでの声優は池田秀一。
リメイク版(鳥山明:画)
2001年発売のPSリメイク版にて、ようやく公式でイラストが設定される。
本作では、銀色の長髪(アホ毛付)が特徴の端正な顔立ちの青年の姿となり、衣装は黒と赤を基調とした貴族服で、毛皮のマントや髑髏の装飾品を着用している。また、左腰には柄や鞘が禍々しく装飾された大きな剣を携えている。
以降はコチラが正式なデザインとされ、後年発売のシリーズ派生タイトルでもこの姿で登場している。
余談だが、Vジャンプの漫画ではピサロの女性バージョンである魔界の女剣士「クイーンピサロ」が存在する。
デザインは上記の公式イラストで、端正な顔立ちや長髪など元のデザインが中性的だったこともあり、違和感のないものに仕上がっている。
ちなみに巨乳である・・・。
その他
ちなみに、導かれしものたち一行の内で直接的な因縁があるのは、勇者を除くと武闘会で闘えなかったアリーナくらいしか居なかったりする。
ただし、ライアンの場合は彼の章のボスがピサロの手先であり、マーニャ、ミネア姉妹については父が発見し、仇のバルザックが奪った進化の秘法が関わっている以上、完全に無関係というわけでもない。
アリーナの従者であるクリフトとブライ、そしてトルネコとは直接的な関わりが殆ど無い。
彼の本当の種族は・・・?
公式には魔族とされている。鬼に近いという説もある。
一部ファンの間では「じつはロザリーと同じエルフ族では?」「堕天した天空人などでは?」などの意見もある。
※以下ネタバレ注意
ネタばれだぞ? まあいい、好きにしろ。見たら貴様のせいだからな。
リメイク版では、一度クリアすると世界樹の花によってロザリーを生き返らせることが出来るという派生イベントが追加されており、蘇生したロザリーを連れてデスピサロの元に行くと彼女の説得でピサロは正気を取り戻し、進化の秘法の力を破って元に戻る。その後、ピサロは真の悪・エビルプリーストを倒すために勇者たちの冒険に同行することになる。
仲間になった後の彼の性格は明らかにツンデレである。そのツンデレぶりで彼の人気がさらに上がったという説もあるとかないとか。
ただし、そもそもロザリーを殺される以前から人間の根絶やしを目論んで数々の悪行を働き、特に主人公にとっては怨敵とも言える相手で完全な悲劇のラスボスとは言い難い一面もあるだけに、リメイク版でのこの展開に対し批判的な声も多い。
性能
ホイミン等のNPCとは異なり、こちらの作戦に従ってくれるし武器・防具の装備変更も可能で、隠しで専用の武器・防具も存在する。呪われた武器・防具を平気で装備出来るのは魔族故であろう。
強力な攻撃魔法・回復魔法を複数使用し、さらにまじん斬り、メタル斬り、ムーンサルト、ジゴスパーク、終いにはあのマダンテまで使えてしまう。
…進化しない方が強いんじゃないか?というツッコミは却下だぞ!!
ちなみに彼が仲間入りするのと同時にロザリーも冒険に同行するようになるが戦闘には参加しない。
派生タイトルでの扱い
上記の経緯もあり、以降の派生タイトルでは敵キャラ・味方キャラの両方でゲスト参戦している。
- モンスターバトルロードビクトリー
ゲームの世界から王者決定決戦に乱入し、主人公に戦いを挑んでくる。
原作での肩書きは「魔族の王」だが、本作では「魔剣士」となっている。一人称も「私」だったが「オレ」に変わっている。
本編クリア後は町の港に出現、彼の持つ大魔王と対決して勝つとそのカードをくれる。
大魔王としてデスピサロも登場するのだが、とどめの一撃はわざわざ元の姿に戻って放つ。
そのため、一部からは『退化の秘法』と呼ばれていることも。
CV.小野大輔
配信コンテンツにてプレイアブルキャラクターとして登場。
同じく肩書きは魔剣士だが、武器は大剣と体術、ドルマ系呪文を使用する。
ヘルムードの計画により次元同士を隔てる壁に綻びが生じ、自身と同じ魔族がヘルムードに操られている事を知り、エルサーゼに転移。アリーナ、クリフトから敵とは認識されていないなど、リメイク版EDの後だと思われる。
必殺技で進化の秘宝を使い、なんとデスピサロの姿へと変身するなど、存分に使いこなしているようだ。
世界樹での戦いでアクトらを二度助けているが、仲間にする為にはピサロと戦うサブクエストをクリアしなければならず、彼だけでなくピサロナイトも相手をしなくてはならない。
- DQMJ3プロフェッショナル
人間形態である彼も『魔剣士ピサロ』名義でまさかの参戦。
攻撃、素早さ、賢さが非常に高く、体力と守備力が低めという速効アタッカー向きの能力。
サイコピサロ、真・魔王ザラーム、大魔王マデュラージャ、マスタードラゴンの4体配合で生み出せる。
CV.小野大輔
プレイヤーキャラクターの1人として参戦。
「魔剣士」という職業に属しており、自身の最大MPを増加させる「MPブースト」戦術を得意とする。