CV(3DS版):高木渉(レオパルド憑依時、第1形態)/大友龍三郎(第2形態)
概要
その絶大な力で世界を混沌に陥れようと目論む暗黒神で、元々は闇の世界の神だった。
しかし、光の世界においては人間にとっても魔物にとってもあまりありがたくない神だそうだ。
だが彼を信仰する教団らしきものはあったようで、闇の遺跡には今でも彼の神官やその成れの果てが潜んでいる。また、名のある側近の魔物として妖魔ゲモン、ジャハガロスの二匹がいる。
ラプソーンが復活しただけで世界中の魔物が凶暴化し、町の人々のセリフが危機感を抱いたものに変更されるなど、存在しているだけで人々にとってかなりの脅威をもたらしている。
また、上記二匹の他に闇の世界や暗黒魔城都市に住む夥しい数の魔物も配下として従えており、第二形態になると闇の世界の軍勢を召喚し、世界各地に凶悪な魔物が跋扈するようになる。
かつて七賢者と神鳥レティスが封印し、魂をトロデーン王家の宝の「神鳥の杖」に、肉体を聖地ゴルドの女神像に封じ込められていた。
杖に魂が封じ込められていた時は、人の持つ負の心に取り付き、邪悪な精神で杖を持った者を操り、自身の完全復活を目論む。最初に杖を握ったドルマゲスを皮切りに、ゼシカやレオパルドを乗っ取り、七賢者の末裔を次々と殺害。マルチェロによる最後の末裔である法皇殺害によって、七賢者の血脈者全員の魂を杖に取り込み封印を解除。操られた者の内、マルチェロだけはその強固な精神力で逆に一時的に押さえ込まれたが、最終的に彼をも操り、女神像を破壊して肉体を解き放った事に居城の暗黒魔城都市共々復活する。
その後、世界の上空で神鳥レティスに乗った主人公たちと最終決戦を繰り広げる。
いわゆる「ラストダンジョン」を抜けた奥ではなく、フィールド上で戦う最終ボスは彼が初である。
各形態
第1形態
「さあ、我を崇めよ!! 身を引き裂くような激しい悲しみを、我に捧げるがいい!!」
第一形態は、暗黒魔城都市の最奥部、玉座で主人公達を待ち構えている。
小さい姿をしているものの、暗黒神としての本来の肉体を取り戻した姿。
モンスターズと25周年記念モンスター図鑑によると、まだ真の肉体を取り戻していない完全復活前の姿という事になっている。
その姿は、ラスボスとしては迫力に欠けるが、十分に強いステータスを持つ。
完全2回行動。痛恨の一撃は300くらいのダメージを受ける。
一撃の大きさが後述の第2形態を上回っており、見た目に騙されると酷い目に遭う。
背中には甲虫のような羽があり、怪しい瞳使用時には胴体が裂け、赤い目がギロりと三つ出現する。
3DS版ではモリーとゲルダが仲間になるようになった為か、HPの最大値と守備力が上昇し、若干タフになっている。
- 使用技
凍える吹雪(全体に吹雪系の大ダメージ)、イオナズン(全体に最大級の爆発呪文)、メラゾーマ(単体に最大級の炎呪文)、痛恨の一撃
怪しい瞳(単体に回避不能の眠り)、まぶしい光(目くらましによる命中低下)、凍てつく波動(こちらの補助呪文等の完全解除)
第2形態
「死してなお消えぬ程の、永遠の恐怖をその魂に焼き付けてくれるわっ!!」
自身の居城を吸収する事で超強化を行い、巨大な姿へと変貌したもの。
ラプソーン自身も「なんというチカラか……」と驚くセリフが用意されており、当人も予期しない程の強さを得ている。
また、レティスも巨大になったラプソーンを見て「あの者を封印するのはもはや不可能」と言っており、かつて七賢者に封印された時のラプソーンよりも強くなっている事がわかる。
モンスターズや25周年記念図鑑においてはこちらが真の肉体を取り戻して完全復活した姿という設定になっている。
おそらくあのブオーンに匹敵するぐらいかなり巨大化している。
しかし、その外見が太ったおじさんにしか見えないとプレイヤーの不評を買ったりネタキャラとして見られてしまっている。
今作のラスボスはカッコよくないじゃないですか! やだーーー!
これはラスボスをとにかくデカくしようとしてしまった結果らしい。
ちなみに、このラスボスと戦うBGMはシリーズでも屈指の人気を誇っている。
最初は強力なバリアを張っているため、どのような攻撃をしかけても全くダメージを与えられない。 そこで、4人で神鳥の杖に祈りを捧げ、7人の賢者の力を借り、このバリアを破る必要がある。
また、レティスからは「あの者を滅ぼせる可能性は極僅か」と言及されており、作中ではかなり強大な存在として評価されている。
- 使用技
激しい炎(全体に炎ダメージ)、凍える吹雪、腕で叩きつける(全体にダメージ)、念じボール(単体攻撃を二連射)、神々の怒り(単体攻撃を四連射)、流星(全体にダメージ)、メラゾーマ
マダンテ(全魔力を解放し全体に凄まじい炎ダメージ)、いのり(魔力完全回復)、瞑想(HP500回復)、怪しい瞳、不敵に笑う(何もしてこない)、凍てつく波動
行動パターンはある程度決まっており、めいそうを使用したら次のターンにマダンテが飛んでくる合図である。
3DS版ではHPの最大値、および「神々の怒り」の一撃のダメージがアップしている。特筆すべき点は、時折行動パターンを無視して行動、更にバリア解除後に「不敵に笑う(無駄行動)」をしなくなった事で隙が無くなり、劇的なパワーアップを遂げている。
また、マダンテの直後に腕で叩きつけるケースが多いので、全体に凄まじいダメージが降りかかり、レベル40程度のパーティでは冗談抜きで全員が即死しかねない。
その他
闇の遺跡に自分をやたら美化させた壁画を描かせたりするといったこともしており、彼はラスボスの中で非常に小物臭いというのも不評の原因の一つ(ただし、第2形態については本人の発言から暗黒魔城を取り込んだのは偶発的なもの、要はイレギュラーで企図したものではない説もある)。
上記の通り、光の世界においては魔物からも人間からもあまりありがたくない神と嫌われており、既に亡霊となった信者以外の者からの評価は低い。
封印されていたとは言え、名のある部下の数は多くは無い(一応、3DS版では忠誠心溢れる新たな部下であるジャハガロスの存在が判明。名無しの配下魔物の数自体は多い)。
しかし最終目的は二つの世界を一つにした先の新世界の創造神となるといったもので、スケールで言うなら他作品のラスボスには負けておらず、外見から来る風評被害が多く占めている点は否めないだろう。だが、前述のように3DS版ではラスボスの名に恥じない強さを手にした事で汚名を返上、総合的な評価が見直されつつあるようだ。
また、チキンドラゴには市販品である(あくまでドロップアイテムなので断言できないが)バスタードソードを与えたり、太ったドラゴンのリザードファッツを愛していたり、ザコ敵であるヘルクラッシャーの力を恐れて封印するなど、邪神なのに妙に人間味があるキャラでもある。
マダンテの演出は専用のものが用意されており、発生する爆発の規模は巨鳥のレティスが小鳥に、人間サイズの主人公は豆粒に見えるほどのもの。恐らく歴代で最も規模の大きいマダンテ。
DQ9
第二形態が他の魔王共々登場。他の魔王とは異なり、1ターン3回行動するようにはならないが、HPはトップの数値である。
DQ8と同じ様なラインナップの特技を使用するが、レベル99のラプソーンが使用するものは威力が比較にならないほど高くなっているのはもちろん、属性がメラガイアー(単体に最大級の炎呪文)、イオグランデ(全体に最大級の雷呪文)、かがやく息(全体に最大級の氷ブレス)、流星(全体に凄まじい地属性ダメージ)、マダンテ(無属性なので軽減不能)と様々な属性の攻撃を行うため、フォースを用いての属性対策ではどれか一つへの耐性しか作れないので気は抜けない。
腕での叩きつけは単体攻撃に変更された代わりにとんでもないダメージになっている上に、無属性なので属性耐性はつけられない。
弱点属性は光なのだが、ライトフォースを使う場合は属性の軽減を諦める事になってしまう。
その為、3回行動ではなくて本当に良かったと言われる事もある。
DQ11(3DS版のみ)
亜種の魔物として「ラプソンフープ」が登場。「時の破壊者」の指示でDQ8の歴史を改竄する悪事を働いており、ゼシカの性格を勝手に甘えん坊に変更するなどして主人公の旅を妨害していた。
ラプソーンの力を授かった魔物という設定の太った悪魔のような魔物で、体の周囲に浮かべた無数の宝玉の一つ一つに世界を破壊する程の力を宿しているという。
状態異常が得意な相方の「モンス・デミーラ」と共に現れ、ラプソーンも使用していた「マダンテ」「いのり」「神々の怒り」によってこちらを壊滅的させようとする。
更に、こちらを魅了して同士討ちさせる能力も有している為、DQ11の裏ボスの中でもトップクラスの危険度が在ると言っていい強敵である。
また、アイテムとして「神鳥の杖」が登場。説明文を読むにラプソーンの魂が封印されたままの杖のようで、この杖を使用する事で誰でも最大級の闇の呪文「ドルマドン」が使用可能になる。まさかのアイテムとしての参戦である。無論数値上の性能も杖の中では最強クラスである。
モンスターズ
ジョーカーから第1形態、第2形態ともに登場。
第1形態は能力値合計が最も高く、最大まで伸びるすばやさとみかわしアップの特性により強力な2回行動モンスターに対抗できる最強クラスの一体。攻撃力は低いが、かしこさも最大まで伸びるので呪文攻撃の威力は絶大。
第2形態にするとHPこそ伸びるものの、なんと弱体化する。
第1形態とは桁違いに低いすばやさにより特性のみかわしアップも死に特性に。しかもザキが通用するようになるなど耐性も穴あき。
攻撃力ものびるがそれでもトップクラスとは言い難い微妙な数値で、しかもすばやさが遅いため通常攻撃をさせても回避されまくる。基本的に第一形態を使うべきだろう。
ジョーカー2及びジョーカー2プロでも続投。
第1形態はほとんど変わらない。かしこさが1000まで伸びるのでやはり呪文をメインに戦うべきだろう。
第2形態は3枠のギガボディモンスターに。
ジョーカー2では一回行動しかできなかったがジョーカー2プロからは1~3回行動に強化された。
ドルマブレイクの特性からのドルマドンやビッグバンは激烈な威力を持ち、ジョーカー時代が嘘のように活躍する機会は増えた。
マホトラブレイクの特性を得たので敵のMPをギガ・マホトラで吸い尽くすことも可能。
テリー3Dにも続投。
第1形態はスモールボディの特性が付加され、能力が減少。
しかし、イルルカではスモールボディが行動順を変更する「リバース」「シャッフル」を無視して必ず先制行動するという仕様に変更された上、3回行動の特性を習得させて相手が行動する前に怒涛の連続攻撃で壊滅させてしまうという立ち回りも可能になった為、扱いやすくなった。
テリー3D、イルルカともに第二形態の能力傾向はジョーカー2プロとほぼ同じ。
ジョーカー2~イルルカにおいてはレオパルドが全ての呪文を封じる「いきなり黒い霧」と巨大モンスターに大ダメージを与える「ギガキラー」持ちなので、完全な肉体を得た暗黒神が犬の肉体に憑依した暗黒神に相性上非常に不利という奇妙な自体に陥っていた。
ジョーカー3では第一形態は参戦しなかったが、第二形態はトップクラスの素早さと賢さを得たので呪文アタッカーとしては優秀な部類となった。
ジョーカー3プロでは第一形態も復活した。
ちなみに、8時点での表記はどちらの形態も暗黒神ラプソーンだが、それ以降の作品ではラプソーン、魔王ラプソーン、大魔王ラプソーンなどと表記が頻繁に変化している。
余談
3DS版で第1形態の役である高木渉氏は過去にCDシアタードラゴンクエストⅤにてジャミを演じており、ボス役からラスボス役への大出世を果たしている。