概要
ADKが開発し、1996年にNEOGEO用アーケードゲームとしてリリースされた対戦型シューティングゲーム。
キャラクターデザインは藤ノ宮深森。
対戦型のシューティングゲームは本作に限らず、古くは約20年前にレジャック(開発は現・コナミ)の『スペースウォー』(もしくは『カメレオンアーミー』)や、東映動画の『ファイナルリバース』、また後年には『旋光の輪舞』シリーズ等が存在しているが、これらが「互いを直接撃ち合う」システムなのに対し、本作は一線を画したシステムを採用している。
画面を左右二分割し、それぞれが独立したフィールドで縦スクロールのSTGをプレイする。どちらかがミスによりライフを全て失うと勝敗が決する。
自エリアの敵を倒すことで相手フィールドに追加の敵キャラを送り込むことができる。敵を倒した時の爆風に他の敵を巻き込むことで「連爆」が発生し、さらに多くの敵キャラを送り込める。しかし送り込まれた敵キャラを更に連爆に巻き込んでカウンターを仕掛けることもできるため、駆け引きの要素が生まれてくる。
プレイアブルキャラクターも多彩で、それぞれショットの形状・威力や移動速度、キャラ専用攻撃の軌道に違いがある。専用攻撃は相手フィールドに専用弾を送り込めるもので、この弾は敵キャラと違い連爆に巻き込むことができない。
これらの独創的なシステムや、可愛らしいキャラクターとファンタジーな世界観によるコミカルな雰囲気、そして何より格ゲーが隆盛だった時代とハードにおいてSTGを対戦ゲームとして昇華させた本作は唯一無二のゲームとして高い評価を得ており、当時の隠れた名作の一つである。
続編
本作の評判は悪くなかったものの、その後NEOGEOを有するSNKは業績悪化により2001年に倒産。ADKも2003年に事業を停止した。これにより続編は絶望的かと思われていたが、両社の版権を引き継いだSNKプレイモアから続編にあたる『ティンクルスタースプライツ -La Petite Princesse-』が2005年にPS2用ソフトとしてリリースされた。
新たな主人公とキャラクター達による新ストーリーが展開するが、ストーリー内には前作のキャラも登場しており、そのうち数名は対戦後にプレイアブルキャラとして使用できるようになる。
画風が大きく変化しているように感じられるが、キャラクターデザインは前作と同じく藤ノ宮深森が担当している。
STGシーンのグラフィックは全て3Dに改められているが、前作のプレイ感覚が忠実に再現されている。
さらに隠しモードとして前作が(当時の社名表記を除いて)そのまま収録されている。
プレイアブルキャラクター
隠しキャラクターも含む
ティンクルスタースプライツ
アーサー・シュミット…中段左
美鈴キサラギ&校長先生(セガサターン版専用追加キャラ)…下段左
グリフォン、エヴィン、バーン(メヴィウス親衛隊)…下段右
イラスト未確認
ティンクルスタースプライツ -La Petite Princesse-
タイム・バターミット | リアリー・リィズ | フリーシア・ローズマリー |
マルゥ&ソワン | リータム&メーリィ | ヴィエル=ア=ルゥ |
ド・エッヂ | ガオガオ | シエル=ア=ルゥ |
ロードラン(新衣装) | メモリー女王(新衣装) | 天神ミコト |
(イラスト未確認) | ||
リアリー・ティル | ヤン・ヤンヤン | ダーク・ラン |
(前作と同衣装) | (前作と同衣装) | (前作と同衣装) |
対応機種
ティンクルスタースプライツ
NEOGEO (MVS / ROM / CD)
セガサターン ドリームキャスト Wii用バーチャルコンソール
Steam アケアカNEOGEO (PS4 / XboxOne / Switch)
PS2用ソフト / PS3用ゲームアーカイブス『ADK魂』内収録
ティンクルスタースプライツ -La Petite Princesse-
PS2 PS3用ゲームアーカイブス
余談
楽曲
空ステージBGM「Love Me」がプレイヤー間で名曲と名高く、メロディー違いバージョンの「Love So」と共に続編『-La Petite Princesse-』にもアレンジされて収録されている。
影響を与えた他作品
東方Projectシリーズの『東方夢時空』『東方花映塚』は本作のシステムをモチーフとしている事がZUN氏のサイトやマニュアルで公言されている。
ただし似ているようで結構違うので注意や慣れは必要。
……
2018年にはカナダのSpacewave Softwareからも本作をリスペクトした対戦型STG『ライバル・メガガン』がリリースされている。
関連タグ
ADK NEOGEO(ネオジオ) シューティングゲーム(STG)
外部サイト
『ティンクルスタースプライツ -La Petite Princesse-』公式サイト(前作の情報も閲覧可能)
クリエイターインタビュー記事