概要
主に夏の暑い時期に涼を求めたり、水泳やレジャーを目的に海で行われる水浴。
湖で泳ぐ場合は湖水浴になる。
冬の寒い時期に行われる寒中水泳もある。
歴史
海水による沐浴は紀元前からエジプトなどで行われていた記録があるが、近代の海水浴は18世紀後半イギリス・イングランド南東部のブライトンの海岸に海水浴場が設けられたのが始まり。
↑ 19世紀の海水浴イメージ
日本で記録に残る最古の西洋式海水浴は、明治7年に陸軍軍医監を務めた緒方惟準(おがたこれよし)が鎌倉市の七里ヶ浜で行い、翌8年8月、明治初期の新聞「公文通誌」にズバリ『海水浴』と題した論文を寄稿した。
曰く、『時期は7・8月が良い。海水による効能だけでなく、波の動きや新鮮な空気、遊泳などの運動によって効果を現す』として、慢性皮膚病・神経症など多くの疾患に効能が有ると紹介した。
これをきっかけに海水浴は全国に広まり、明治10年代には神奈川の大磯町や岡山の倉敷市など各地に海水浴場が設けられた。
ちなみに緒方惟準の父は、手塚治虫の『陽だまりの樹』や村上もとかの『JIN-仁-』にも登場している幕末期に活躍した日本近代医学の祖緒方洪庵である。
バブル期以降、特に21世紀に入ってからは、紫外線の害を嫌う風潮や有毒クラゲなどの海特有の危険が広く認識されるようになり、海水浴離れが著しい。海沿いの街でも日焼けの心配がなく安全性の高い室内プールができたため、ダムや砂防ダム建設による砂浜の衰退もあいまって閉鎖される海水浴場も相次いでいる。