「私ハ 鉄ノ味 ガ好キ ダッ」
概要
漫画『呪術廻戦』に登場する怪物、呪霊の一体。蜚蠊(ゴキブリ)の特級呪霊(登録済)。
カオナシのような起伏がない漆黒の体に、長大な触角を備えた昆虫の顔を不気味に擬人化させたような多眼の顔を持つ。腕は構造は昆虫、質感は人間という異様。
元は羂索の呪霊操術で支配されている呪霊だったが、解放されて死滅回游の泳者として仙台結界に投入された。
その後54ポイントを獲得するものの、ドルゥヴ・ラクダワラとの相性の悪さ(広大な領域を展開できる相手には、後述の単体では弱いが数で圧倒する戦法があまり意味を成さないからだと思われる)を鑑みて、自ら結界内でのドルゥヴの生存を導入条件にした休眠状態に入っていた。
無限の食欲を持ち単為生殖を行うという特性を持っている。乙骨憂太にドルゥヴが殺されたために休眠が解除され、飢餓を癒すため莫大な呪力を持つ乙骨(と巻き込まれた市民)に襲い掛かる。
行動は食欲という本能に大きく左右されている描写が見られるが、憂太と(片言ながら)人語で会話し、前述の不利な相手との交戦を避ける判断や武器を所有して使用する等、人間に劣らない高い知性を有している。ただし倫理観は自分(とゴキブリ)を中心にしたものであるため呪霊らしく共存は不可能。
術式
無数のゴキブリを操る。
操るゴキブリは式神ではなく本物だが、呪力で強化されている。それでも単体では大したことはないが、黒い奔流と化すほどの圧倒的な数の群れを使役できる為大きな脅威となる。その破壊力は人間一人程度なら一瞬で食い尽くし、骨だけにしてしまうほど。
また,掌印とともに「瞎(くらい),瞎(くらい),瞎(くらい)」と唱えることで「土中蠕定」という式神を召喚することが可能。
爛生刀という鉈のような剣(曰く、生と死の交雑する魔剣)も所持している。刀身からは卵が弾丸の様に射出され、相手の肉体を喰らって孵化する。
戦闘
仙台結界で乙骨憂太と交戦。
上記の能力で憂太を苦戦させるが憂太が反転術式のエネルギーを掌と脳から最短の口から注入するという奇策で本体を破壊され、祓われた(反転術式のエネルギーによる攻撃という点では伏黒の式神魔虚羅が装備している退魔の剣と同じ)。
乙骨は戦いを監視している二人の存在を察知して反転術式が使えるという手札を隠そうとしていた上に、「リカ」を保護した泳者の護衛に回しているという全力には程遠い状態だったとはいえ、負傷させて結局反転術式を使わざるを得ないと判断させたのは腐っても特級呪霊らしい強さだったと言える。
余談
本格登場から2週目、次週予告では「黒沐死を撃破した乙骨」と書かれてしまう。
戦闘が始まってすらいないのに既に敗北確定をネタバレされるのは異例。
恐らく急遽休載により一週休みを挟んだが次週予告のページを訂正する時間がなくてそのままになったのだろう。(休載がなければ予告通りの展開になっていた)
数週間後にも休載を挟んで似たようなネタバレ予告をした。
週刊少年ジャンプではかつてゴキブリの群れが頻出する作品もあったのだが。
ネタバレ
本誌179話においてまさかの再登場を果たす。乙骨、烏鷺、石流の三者による領域展開の押し合いが崩壊した際に闘いに乱入し、術式が焼き切れ防御ができない烏鷺に襲いかかった。
その正体は、単為生殖によって生み出された“子”の黒沐死。今まで“親”に注がれていたゴキブリに対する畏怖の感情を受け継いでおり、親と比べても遜色ない強力な呪霊となっている。
なお、死滅回遊に泳者として登録されていたのはあくまで親であるため、こちらの黒沐死はただの呪霊である模様。