「いいからテーピングだ!」
「オレたちゃ別に仲良しじゃねえし、お前らには腹が立ってばかりだ。だが…《このチームは……最高だ……》いや…ありがとよ…」
概要
問題児軍団を束ねるキャプテンとして、湘北にとって代えの利かない精神・プレー両面での大黒柱。197cmの巨体とその顔立ちや反逆無敵の桜木を拳骨一撃で沈める事が出来る豪腕を持つ。
人物像
また、その豪腕でダンクを決める「ゴリラダンク」や相手のシュートをバレーボールのスパイクの要領でブロックする「ハエたたき」などの豪快なプレーでチームメイトを牽引する。その体を張ったプレーはチームメイトからはもちろん、他校の選手や監督からも畏怖と尊敬の念を集める。
(ゴリラダンクという名称は赤木の前で言うのは禁じられており、言った者には拳骨の制裁が待っているが、赤木自身もダンクする際に「ウホ」と叫んでいるため真意は定かではない)
普段は落ち着いていて温厚だが、バスケットのこととなると人が変わり、感情があらわになる。とにかくバスケが大好き(苛立っていた桜木に「玉入れ遊び部」とバスケットを侮辱されただけでムキになってまだバスケ部入部前で完全にド素人の桜木に勝負を挑むほど)で、幼い頃から全国制覇の夢を持ち、地道に努力を続けてきた。意外にも学業もかなり優秀で、桜木達が赤木が物理の補習で練習に遅れると聞いた際、信じられない様子を見せていた。
人格者ではあるのだが、バスケットボールを愛するあまり、他のスポーツを見下していたことがあり、子供の頃には柔道に親しんでいた幼なじみの青田龍彦に対し、一緒に柔道をやらないかって誘いに対し「やだよ、かっこ悪い」などと答えたり、翌年には身長に差がついても座高が上回ってしまったときには、「やっぱりな、柔道なんかやってるからお前は短足なんだよ」と無垢な子供とは言えかなり酷いこと言ってしまったりしたこと事もある(青田自身はかなりショックを受けたらしく話を聞いていた桜木や木暮からも酷いと言われていた。ただ、赤木はその発言についてバツが悪そうにしていたり、短足発言にいたっては「言ったかな?」とお茶を濁したりしていた。ただ、全く似ていない美人の妹、赤木晴子と比較して、兄妹を月とスッポンなどと言ったりと、青田自身もかなり発言に問題がある)。
その一方で、あまりにもバスケに対してストイックで一途過ぎた為に弱小だった湘北では大きく空回りしてしまい、当時のチームメイトや先輩からは「息苦しい」と言われ、部員離れの一因にもなった(赤木と同学年の部員は本編開始時点では木暮公延ただ一人(※)になってしまっており部の存続すら危うい状態だった時期もある)。
(※)退部届こそ出していなかったが、後述する同学年の幽霊部員がもう一人居た。
だが宮城、流川、桜木などの才能豊かなプレイヤーの入部や幽霊部員と化していた三井の復帰で一躍強豪の仲間入りをしてからは、この一途さとストイックさが物語には欠かせないものとなっていく。高校3年に上がるまではことごとく自身のバスケットへの熱意について行ける仲間達に恵まれていなかったのである。
事実、1年時の粟戸工業戦では牧に「パスを出せるチームメイトが居れば」、「もったいないな」と惜しまれる(これには三井不在も関わっている)。また、陵南との練習試合では仙道からもその高い実力を言及されているが、その証として作中1年前のインターハイ予選ではその陵南に大敗するも、魚住を終始抑え込んだ事で県内のセンターとして高い評価を得ていた。
全国大会でも、今までの成績を知った王者・山王の選手達からも「今まで無名なのが不思議なくらいだ」と評していた。
しかし、完治してない足の怪我を気にしたり、自身の遥か上の実力を持つ者が現れた際にプレイの質が落ちてしまったりするなど、メンタルにかなりブレがあり決して無敵のプレイヤーではない。
先述の様にバスケとなると感情が露わになる程であるが、練習中ならばともかく海南戦での桜木が自身の失敗でぐしゃぐしゃになるほど悔し泣きを見せた時、感情的に責める事なく手を桜木の頭に置き「泣くな」と諌める等、状況によっては過度に感情的にはならなかった。
例えば、桜木が赤木の自宅にアドバイスを求めて直接訪れた時も決して邪険に扱わず、冷静かつ的確に指南していた。
この『かみ合わない理想と現実』『かみ合った理想と現実』という対比を見せるエピソードが、赤木のキャラクター性と湘北という舞台の歴史に厚みを生み出し、物語に深さを与えている。
作品において代えが利かないキャラクターで、作品は桜木花道の成長物語であると同時に、赤木の高校バスケットにかける情熱の物語でもあった為、もう一人の主人公であったとも言える。
また、全国行きの切符を手にした時のこれまでの努力と辛酸、主将としてバスケ部を引っ張り才能溢れる後輩達が集うまでの道程がフラッシュバックして、初めて読者に見せた男泣きはスラムダンクの中でも屈指の名場面の一つである(そして海南戦とは逆に男泣きをしている赤木に桜木が歩み寄るという対比も面白い)。
全国大会終了後は木暮と共に引退、深体大学(元ネタは世田谷区深沢にキャンパスを持つ日本体育大学)への推薦の話は取り消しになったらしく(赤木が断ったのか、深体大学関係者の納得を得られなかったのか。詳しい原因は不明)元々の志望校を受験する様子。原作終了後の黒板漫画ではバスケがしたいあまり、授業に身が入らず成績が落ちた模様。
余談
- この人の名前がタグにつかない事が多いが、「いいからテーピングだ!」の台詞(シーン)のパロディは未だに健在である。
- ちなみに、作者のデビュー作『楓パープル』にも同名の人物が登場するが、その人物像は本編とは大きく異なり、かつてバスケ選手であったが、中学時代に推薦のかかった試合で流川楓(こちらも同名の別人)に敗北し、挫折したヤンキーというものであった。 本編での三井寿に似たバックボーンであるが、コミカルなキャラ付けがなされているため、彼のような悲壮感はない。